バカルディジャパンは、スコッチウイスキーブランド「デュワーズ」からデュワーズ15年をベースに6人のバーテンダーが、全国の食材や生産者、生産地との出会いをヒントに新たなカクテルを生み出す共創プロジェクト「Dewar’s Discovery Session 2023」をスタートさせる。同プロジェクトのスタートに先立ち、10月26日にはプレス向け発表会が開催された。ゲストに、大阪関西万博 催事企画プロデューサーの小橋賢児氏とプロジェクトに参画する6人のバーテンダーを迎え、デュワーズの魅力や全国を旅して出会った食材の魅力について語った。
デュワーズ15年とプレミアムラインのダブルダブル21年の試飲会もあったので、その深い味わいのレポートと合わせて紹介しよう。
時間と手間をかけた「ダブルエイジ製法」
「デュワーズ」は、数種類のモルトウイスキーやグレーンウイスキーを掛け合わせたブレンデッドスコッチウイスキー。はじめて飲む人でも親しみやすい、なめらかな味わいは「ダブルエイジ製法」によって引き出される。
デュワーズのブランドマネージャーを務めるバカルディ ジャパンの李 坤龍(リー・コンヨン)氏は「デュワーズといえばダブルエイジ製法。これにより、どこまでもなめらかな味わいが生み出されます」と語った。
この「ダブルエイジ製法」とは樽熟成させた2種類のウイスキーをブレンドした後、さらに樽のなかで熟成させるというもの。手間と時間をかけたからこそ生まれるデュワーズならではの味わいは世界中で愛されており、今日まで1000を超える受賞歴を誇る。
「現在の『デュワーズ』は、7代目 マスターブレンダ―のステファニー・マクラウド氏によって味が決められていると言っても過言ではありません。彼女は、2019年から5年連続で、インターナショナル・ウイスキー・コンペティションで『マスターブレンダ―・オブ・ザ・イヤー』を受賞しています」(李氏)
そのほか、同ブランドの歴史やウイスキーの種類などにも触れ「5大ウイスキーと呼ばれるのは、スコッチ、アイリッシュ、カナディアン、アメリカン、ジャパニーズで、各産地によって味も見映えも変わってきます。スコッチウイスキーは、スムースながらしっかりとモルト感のあるウイスキーの味を楽しむことができます」と紹介した。
「脳に浸らせてゆっくり飲みたい」。小橋賢児氏が語るウイスキーの楽しみ方
ゲストに迎えたのは、大阪関西万博 催事企画プロデューサーを務めるクリエイティブディレクターの小橋賢児氏。トークセッションでは、お酒と「新しい発見の旅」をテーマにトークがくり広げられた。数年間お酒を飲んでいなかった、と言う小橋氏。「お酒が出る交流の場で、人見知りを誤魔化すために飲むことが多かった。再開後は、いいものを味わって飲むようになったので、ウイスキーならロックやストレートで、じっくり脳から全身に浸らせて飲むっていう楽しみ方をしています」と、書斎などでアイデアを練るときなどにもウイスキーを楽しんでいることを教えてくれた。
そして、「新しい発見の旅」に対する質問では、「オーガニックにのめり込んだ時期に、デンマークを訪れました。当時日本では、オーガニックといえばストイックな印象がまだあった。それが、オーガニック先進国のデンマークでは、テクノミュージックが流れるレストランでもオーガニック食品が使われている。地球のためにできることを自然体でやっている姿が潔くて、その姿勢から学ぶべきところがあるなと思いました」と、語った。
世界に発信したい日本の食材についても質問された小橋氏は、醤油や味噌、納豆などの発酵食品を挙げた。
「海外の人が日本にはない意識で発酵食品に触れたとき、例えば納豆とお酒の組み合わせ、なんておもしろいものが出てくるかもしれないですよね」(小橋氏)
実力派6人のバーテンダーが語る、「新しい発見の旅」で出会った食材の魅力
続いて、同プロジェクトに参画するデュワーズとゆかりの深い6人のバーテンダーが登壇。日本各地を旅して発見した食材の魅力と、カクテル開発への思いが語られた。デュワーズについて、「LIQUID FACTORY」齋藤恵太氏は「昔から馴染みのあるブランドですが、日常的に使う機会は少なかった。最近はいいものを使おうという風潮が出て来たので、『15年』はカクテルでも使うようになりました」と語った。「THE BELLWOOD」吉野優美氏は「『21年』はそのまま飲んでひと息つくような飲み方がおすすめ。『15年』は、カクテルにしたときにより一層深みを感じられるのではないかと思います」とカクテルベースとしての可能性について述べた。「Quarter Room」野村空人氏は「『15年』の華やかな味わいをカクテル作りで上手く使っていきたいです。『21年』はゆっくりとロックで飲んで楽しめるウイスキーです」と、おすすめの飲み方についても教えてくれた。
6人が全国各地を旅して発見した食材は、はちみつ(東京都)、ヨーグルト(千葉県)、りんご(福島県)、サフラン(佐賀県)、きのこ(広島県)、かつお節(鹿児島県)。かつお節を選択した「TIGRATO」高宮裕輔氏は「間近で職人の技を見て、かつお節に対する考え方が変わった。作り手の魅力もカクテルを通じて届けていきたい」と意気込みを語った。「Unknown」大場文武氏が選んだのはヨーグルト。「アップサイクル系のヨーグルトでミルクがとてもおいしい。ヨーグルトの酸味はウイスキーにはないニュアンスでしたが、このヨーグルトならカクテルにしてもおいしいと思えました」と、新しい組み合わせへの好奇心を覗かせた。「BAR RAGE AOYAMA」中村敦氏は、選んだりんごに対して「りんごはお尻の部分の香りがとても強い。良い香りなんです。この香り高さを、カクテルでも表現していきたい」と、りんごの香り高さを引き出すカクテル作りへの意欲を語ってくれた。
「Dewar’s Discovery Session 2023」のバーイベントは、11月3日(金)に「TIGRATO」からスタート。1週間ごとに各店舗でオリジナルカクテルが期間限定で提供中だ。また、12月15日(金)にはLongrain TOKYOにて、カクテルと同じ食材を使用した料理とともにオリジナルカクテルが提供されるファイナルイベントも開催される。いずれも詳細は特設サイトで確認できる。
複雑さが調和された深い味わいを試飲
同発表会では、「デュワーズ15年」と「ダブルダブル21年」の試飲会も開催された。まずは15年を、ストレート、ロック、ハイボールでそれぞれ試飲。口元に引き寄せると、まず、ハニーやキャラメルソースのようなこってりとした甘い香りが立ち上る。味わいは、南国フルーツやグリーンアップルのみずみずしさと爽やかさを感じた。この甘く華やかな味わいを存分に楽しみたい、という人にはやはりストレートかロックがおすすめだ。とはいえ、ハイボールでも香りや味わい、余韻が損なわれるわけではないので、強いお酒が苦手な人は、ぜひハイボールで楽しんでみてほしい。
21年は、15年以上になめらかな長い余韻と甘さを楽しむことができる。香りは「シナモンと完熟ぶどうの香り」と説明があった通り、スパイシーさも感じられた。甘さと複雑さが調和されたどっしりと深みのある味わいには上品さも。ストレートやロックで、美しい琥珀色のウイスキーを眺めながら、じっくりと味わう贅沢なひと時を過ごすのもよさそうだ。もちろんハイボールでも、上品な風味を楽しむことができる、特別な日に選びたいウイスキーだ。
なめらかで深みのある味わいが魅力のデュワーズ。全国の特産品との組み合わせでは、どのような味覚の “新発見” ができるのか。この秋は、デュワーズオリジナルカクテルと共にいつもよりもちょっと贅沢なひとときを過ごしてみてはいかがだろうか。
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