「これはスゴい」同時調理の目玉焼きに驚いた!発熱プレート搭載の日立「2in1トースターレンジ」実力チェック

ink_pen 2025/8/14
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「これはスゴい」同時調理の目玉焼きに驚いた!発熱プレート搭載の日立「2in1トースターレンジ」実力チェック
倉本 春
くらもとはる
倉本 春

テクニカル・フリーランスライターとして、家電製品の紹介と解説を中心に執筆。PC誌編集経験を生かし、テクニカル面からの製品紹介を得意とするほか、カフェのオーナーシェフの経験を生かした調理家電の使いこなし術やレシピ提案も得意とする。


今や、電子レンジのない生活は考えられません。朝にパンを食べるなら、さらにトースターもほしいところ。しかし、限られたキッチンのスペースのなかで、トースターは置く余裕がないという方も多いはず。そんな悩みに応えてくれそうなのが、日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立)の新製品「2in1トースターレンジ MRT-F100」(実売価格4万6540円・税込。以下、トースターレンジ)です。トースターとレンジがひとつになった新ジャンルの家電は本当に使いやすいのか? 体験会にてチェックしてきました!

↑新製品の「2in1トースターレンジ MRT-F100」。

庫内を低くすることでトーストは余熱が不要

トースターレンジはサイズが幅464×奥行406×302mm(ハンドル含む)と、トースターというよりは、やや背の低い単機能レンジといったサイズ感です。気になる庫内容量は15L。15Lサイズの電子レンジというと一般的に一人暮らしにおすすめする容量なのですが、本製品はトーストをおいしく焼くためにあえて庫内の背を低くしています。このため、庫内有効寸法は幅349×奥行279×高さ132mm。つまり背は低いものの、庫内の広さ(面積)は二人世帯向けに推奨される22Lサイズの電子レンジくらいあるのです。

↑アイボリーとチャーコールグレーの2色展開。
↑ドアを開けたところ。一般的な電子レンジより庫内の高さが低めですが、庫内床面積は22L容量のレンジ相当。床面はフラットタイプを採用しています。

一般的な単機能レンジと同等のサイズなら、オーブンレンジを購入すればよいのでは? と思われるかもしれませんが、実は一般的な普及価格帯オーブンレンジでパンをトーストするのは意外と面倒。まず、一般的なオーブンレンジは庫内が広いので余熱に10分近い時間がかかります。さらに、食パンの上下に焼き目をつけるには途中でひっくり返す必要があるのです。忙しい朝にこのような手間はとれないという人も多いでしょう。

そこで、本製品は庫内の高さを低くすることで、庫内上部にある管ヒーターと食材との距離を短くして余熱がいらない構造にデザインしたのです。

↑トースターレンジは庫内上部に管ヒーターを一本配置。一般的なトースターのように余熱がいらない構造になりました。

同時に、パンの下側は付属するグリルプレートで加熱。このグリルプレートは底面に電子レンジのマイクロ波で発熱する特殊な発熱体が張り付けられています。電子レンジ稼働中は一気に加熱したフライパンのように熱くなり、余熱なしでもパン下側に焼き目がつけられるのです。

↑グリルプレートのサイズは幅365×奥行281mm。深さがあるので焼きそばなどいろいろな料理が作れそう。
↑裏面中央にはゴムのような質感の発熱体を配置。この発熱体がマイクロ波を吸収して高温になります。

トーストの味は普通だが目玉焼きのおいしさに驚く

とはいえ、気になるのが焼き上がり。今回は実際にトーストモードで食パンを2枚焼いてみました。トーストモードはスタート時に強火で庫内温度を上げ、素早く食パンを焼くモードです。今回は4分20秒加熱しました。

↑写真のトーストモードのほか、アレンジトースト、パンリベイク、ピザ、グリル、そして電子レンジの運転モードを搭載。「レンジ」と「余熱」以外はすべてグリルプレートが必要です。
↑スタートボタンをダイヤルのように回してタイマーを設定し、押し込んでスタート。直感的な操作感と見やすい7セグLED(デジタル数字)も好印象。

焼き上がりもなかなか優秀。上面はヒーター管一本だけなので焼きムラを覚悟していたのですが、焼き色はかなり均一です。下面もきちんと焼き色がついていました。食べてみると外はサクッとしていて中ふんわりの仕上がり。ただ個人的感想にはなりますが、いまどきの「高級トースター」ほどのモチモチ感はありません。あくまで普通においしい味といった印象です。

↑食パン2枚の焼き上がり。4分20秒の焼き時間で表(左)も裏(右)もしっかり焼き色がついています。

一方「これはスゴい!」と感じたのが目玉焼き。今回の試食会ではパンとウインナー、目玉焼きを一度に焼くデモンストレーションもあったのですが、これがとにかく優秀。目玉焼きをトースターで焼くと、白身の一部がドゥルドゥルに残るか、黄身が固くなってしまう失敗が多いのですが、本製品はトーストモード4分で完璧な仕上がり。白身は端から黄身の上まで白く固まっているのに、箸でつつくと黄身がトローリと流れ出る絶妙な火加減。グリルプレートの発熱スピードの速さが活かされていると感じます。

↑食パンと卵、ウインナーを並べたところ。卵は流れて広がらないように、端を絞ったクッキングペーパーに乗せています。
↑白身はしっかり固まっているのに黄身はトロトロ流れ出る絶妙な火加減。ウインナーも表面に香ばしい焦げ目がありつつ、中は水分を保持してプリプリの仕上がりでした。

ちなみに、一般的な電子レンジでは卵をそのまま加熱すると爆発するので使用できません。一方、本製品はグリルプレートが下からのマイクロ波をカット。食材に直接マイクロ波が当たらないので安心して卵を調理できるのです。

必要な機能を絞り込んで使いやすさを重視

ここまでこだわるなら、トースターとしても利用できる「オーブンレンジ」にしても良いのでは? と感じる人もいるかもしれません。日立の担当者によれば、一般家庭におけるオーブン機能の使用頻度は決して高くないそう。

とはいえ、グラタンに焼き目をつけるといった「ちょっとした焼き調理」のニーズは、料理をあまりしない家庭や一人暮らし、共働き世帯などでも根強く存在しています。そこで、本製品では調理モードを電子レンジとトースト、グリルに限定。機能を絞ることで操作ボタンやダイヤルを3つに絞り込むことに成功したといいます。普段ほぼ利用しないオーブン機能を増やすことで操作ボタンを増やすより、機能を絞り込むことで、操作性のよさやシンプルでスッキリとしたデザインを実現したということでしょう。

↑本体下に集約された操作ボタンとダイヤル。いまどきのレンジとしてはかなりシンプル。レトロモダンなデザインが好きな層に刺さりそうなデザインです。

機能を絞ったことで、できることが限られるのでは? という不安があるかもしれません。しかし、体験会では調理時間5分、焼き時間6分でひき肉から本格的なハンバーガーを作ることもできました。グリルプレートの加熱スピードを活かせば、アイデア次第で幅広い調理に対応できそうです。

↑袋に入れたひき肉に味をつけて焼き時間6分で作ったハンバーガー。初めて作った筆者でも作業時間5分前後で簡単にできあがりました。

レンジとトースターを別で購入するくらいならコチラを選んでみては?

キッチンが狭い家庭では、レンジの上にトースターを積み重ねて使う話もよく聞きます。しかし、これは本来メーカーが推奨しない設置方法。熱がこもって事故の原因になる危険性があるからです。こうした現状を考えると、トースターレンジはトースターとしてはやや大きめなものの、レンジ+トースターを別々に置くよりは格段に省スペース。キッチンまわりをスッキリ整えたい人にとって、大きなメリットとなるはずです。

機能は絞っているものの、電子レンジとしての加熱性能は1000Wまで対応となかなかのもの。「日常使いにちょうどいい家電」としての実力を感じます。

キッチンの家電を見直したい方、特に「電子レンジとトースターがあれば十分」という人には、ぜひ一度チェックしてみてほしい製品です。

↑電子レンジは200W、500W、600W、1000Wと細かく出力が選べます。1000W(最大3分)があるのはかなり魅力的。

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