一眼レフなどのレンズ交換式カメラの醍醐味は、使用レンズによって写真表現が大きく変わることだ。とはいえ、どんなレンズが最適かつ高性能なのかがカメラ本体に比べてわかりにくく、レンズ選びはなかなか難しい。もちろん、使用するカメラのマウントによって使えるレンズは限られるし、どんな種類(広角、望遠、マクロ、高倍率ズームなど)のレンズが必要かも、撮影する被写体や撮りたいイメージによって大きく変わってくる。
さらに、交換レンズにはカメラメーカー純正品だけでなく、レンズメーカーの製品も数多く存在している。そこで今回は、10万円以下のレンズに絞って、筆者が“優秀だけどお買い得”と感じている高コスパな10本をノミネート。特に優秀な5本については、実際に使用した感想をもとに順位付けした。最終回となる今回は、ノミネートはしたものの、残念ながら次点となった、5本のレンズを紹介する。
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次点のレンズもお買い得で個性的かつ高性能なレンズが数多い
以前ほど顕著ではないが、現在でも、同じような性能や仕様ならレンズメーカー製品のほうが安いという傾向はある。それが今回のベスト5の結果にも反映された。しかし、極端な大口径タイプや特殊な焦点距離でなければ、カメラメーカー製にも“次点”に挙げたいお買い得レンズは存在する。実際、今回ノミネートした、残りの5本のうちの4本はそうしたレンズだ。これらは、キットレンズの次に買うレンズとしてもオススメの優秀なレンズだ。ここでは、ランキングには入らなかったが、筆者が優秀だと思う5本のノミネートレンズを紹介する。
【次点・純正レンズ】オリンパス M.ZUIKOデジタル ED 12〜40mm F2.8 PRO
全域F2.8の大口径標準ズームで、望遠端が80mm相当なのが有利(多くは70mm相当まで)。描写性能はもちろん、最大撮影倍率の高さも魅力だ。
【次点・純正レンズ】オリンパス M.ZUIKOデジタル ED 60mm F2.8 マクロ
非常にスリムでコンパクトな製品だが、描写性能の良さには定評がある。ほかの中望遠マクロより長い、120mm相当の望遠画角が特徴的だ。
【次点・純正レンズ】キヤノン EF-M11~22mm F4.5-5.6 IS STM
コンパクトに収納できる沈胴機構を採用したミラーレス用広角ズーム。18~35mm相当の画角をカバーし、手ブレ補正機構「IS」も搭載する。
【次点・レンズメーカー製】トキナー AT-X107 DX フィッシュアイ 10~17mm F3.5-4
広角端で対角線方向に約180度の画角を持つ、魚眼効果が得られる超広角ズーム。レンズ先端約2.5㎝までと近接能力が高い点も特徴だ。
【次点・純正レンズ】パナソニック ルミックスG 42.5mm F1.7 ASPH./Power O.I.S.
非常にコンパクトな中望遠レンズだが「開放F1.7」の明るさを持つ。光学式手ブレ補正も搭載しているので、幅広い領域での活用が期待できる。
【まとめ】比較的低価格な交換レンズでも写りの変化は十分楽しめる!
ここまで、計10本の交換レンズをチェックしてきたが、10万円以下に絞っても15mm相当から600mm相当まで(APS-C機の場合)、幅広い焦点距離のレンズが選べることがわかったと思う。しかも、今回取り上げたレンズは、最新の設計技術を用いたものがほとんどで写りの面でも申し分ない製品ばかりだ。もちろん、予算が許すなら大口径ズームレンズなど、より高画質が期待できるレンズもあるが、まずはこうしたお買い得なレンズを揃えて、被写体の幅を広げたり、写りの変化を楽しんだりすると、写真がもっと面白くなってくるはずだ。