左右のユニットが独立した耳栓型の完全ワイヤレスイヤホンは、国内外の大手オーディオメーカーからも続々と新製品が登場しています。注目のモデルを、音質と使い勝手についての5項目で徹底比較しました。
【レビューした人】
テクニカルライター 湯浅顕人さん
PC&AVのライター。主にジムでのトレーニング用にワイヤレスイヤホンを愛用している。
オーディオメーカー参入で音質が向上した
オーディオメーカーが続々と市場に参入し、完全ワイヤレスイヤホンの音質が向上しています。なかでも、テクニカルライターの湯浅顕人さんが絶賛するのが、ボーズのSound Sport Freeです。
「重厚感のある低音が迫力を持って鳴る一方で、中高音もひとつひとつの音がしっかりと聴こえます。音の輪郭もクッキリしており、ボーカルの息遣いや演奏の細かな音も感じられました」
使い勝手では、ソニーのWF-1000Xが頭ひとつぶんリード。
「独自開発された細長い形状のシリコン製イヤピースは、耳孔を内側から圧迫される感覚がありません。ノイキャン機能も秀逸で、音楽に没入できます」(湯浅さん)
【その1】
イコライザーによりバランスの取れたサウンドに!
ボーズ
SoundSport Free wireless headphones
実売価格2万9160円
音量に合わせてバランスの取れたサウンドに最適化するイコライザーを搭載。オープンポートに撥水性のあるメッシュ素材を採用することで、内部への水の浸入を防ぎ、汗や雨を気にせず使えます。ミッドナイトブルー(写真)とブラック、ブライトオレンジの3色展開。
イヤホンを耳軟骨で支える設計の「StayHear+ Sport」チップを採用。軽量かつ外れにくい独自の構造です。
右イヤホンに操作ボタンを搭載。再生・停止や電話の応答、音声アシスタントの起動などが可能です。
ケースのフル充電で本体を2回ぶん充電でき、本体と合計で15時間再生。急速充電にも対応します。
【レビュー】音質は言うことないが操作性と装着性がネック
「スポーツ時のリスニング専用として使うにはもったいないくらいの高音質。ユニットが耳からはみ出すため操作時にグラつく点と、イヤチップやイヤピースが固めで耳が痛くなりやすい点が気になりました」(湯浅さん)
【その2】
ノイキャン時も周囲の音を取り込めて安全面に配慮
ソニー
WF-1000X
実売価格2万3690円
ノイキャンに加えて、周囲の音を確認できる「アンビエントサウンド(外音取り込み)モード」を搭載。アプリを使えば、ユーザーの動きに合わせて自動でモードを切り替える「アダプティブサウンドコントロール」も利用できます。
シャンパンゴールド(写真)とブラックの2色展開。イヤーピースは装着感の良いシリコン素材を採用しています。
左右それぞれのイヤホンに操作ボタンを備えます。ノイキャン/外音取り込みなどを切り替え可能。
充電ケースにNFCが搭載されています。対応するスマホならワンタッチでBluetooth接続可能です。
【レビュー】クリアな音質で、ノイキャン時の音も及第点
「全体的にクリアでスッキリした音。ノイキャンを使うと少しだけ解像感が落ちますが、騒音の中で聴くよりは断然良いですね。操作性も高く、シリコン製のイヤピースは装着感が快適でした」(湯浅さん)
【その3】
IPX5防水仕様でスポーツ時の使用も安心
JBL
JBL FREE
実売価格1万5140円
JBL初の完全ワイヤレスイヤホン。IPX5相当の防水仕様で、スポーツ中に汗をかきながらのリスニングでも安心です。本体ロゴ部分がボタンとなっており、再生やスキップなどの操作を行えます。
ホワイトとブラックの2色。人間工学に基づいた設計で、アクティブに動いても耳にフィットします。
本体とケースフル充電で最大約24時間再生。充電約15分で最大約1時間再生できる急速充電にも対応します。
【レビュー】スピーカーのような広がりのある音が特徴
「ケースは大きいものの、そのぶんバッテリーの容量が大きく、急速充電に対応するのは便利。左右ユニットのボタンが押しやすく、操作方法も良好です。スピーカーで聴くような広がりのある音も特徴」(湯浅さん)
【その4】
独自のドライバーがクリアで力強い音を鳴らす
エレコム
LBT-TWS01
実売価格9080円
φ6.0mmの外磁型ダイナミックドライバー「マイクロETEMドライバー」を採用。力強く、クリアな音質を実現します。振動板には6.0ミクロンのPETフィルムを用い、高レスポンスでイキイキとした音に。
3サイズのイヤピースおよび耳の軟骨でイヤホンを支えるイヤーアームが付属します。
充電ケースは小さく持ち運びやすい形状。蓋を閉めた状態でもイヤホンの充電LEDを確認可能です。
イヤホンの操作ボタンは左右両方に同じ機能を搭載。空いている手で素早く操作できるので便利です。
【レビュー】コンパクトな充電ケースは持ち歩きに便利
「充電ケースは小さくて持ち歩きやすく、バッテリー残量が4段階のLEDでわかるのも便利です。左右両方のイヤホンにボタンを備え、どちらからも同じ操作ができる点も使いやすいです。音質はいまひとつ」(湯浅さん)
【ネックバンド型も注目】
ネックバンド型イヤホンは、快適な装着感と高いスタミナ性能を実現。気軽な普段使いからスポーツ時まで幅広く活用できます。
【その1】
RHA
MA750 Wireless
実売価格2万1490円
特殊メタル構造の本体はIPX4相当の防滴防汗仕様。高音質コーデックのaptX、AACに対応します。NFC搭載で、スマホとのペアリングもスムーズです。
【その2】
ゼンハイザー
MOMENTUM Free
実売価格2万5920円
同社史上最小サイズのイヤホン。鮮明かつ広がりのあるサウンドを実現。スマホやPCなど2つのデバイスを同時に接続できるのも特徴です。
【その3】
クリプシュ
R5 Neckband
実売価格1万4900円
新開発の5㎜径ダイナミックドライバーを搭載。ネックバンドは本革製で、ハンドステッチが施された高級感のあるデザインを採用します。
【その4】
シュア
SE215 Wireless
実売価格1万9850円
温かみのある高解像度サウンドを再現するダイナミック型MicroDriverを搭載。ケーブルのイヤホン側にワイヤーを内蔵し、耳かけ時に最適な角度を保てます。
【その5】
JVC
HA-FX99XBT
実売価格2万6870円
独自技術「K2 TECHNOLOGY」でハイレゾに相当する高音質を実現。高磁力ネオジウムドライバーユニットが、クリアな重低音を奏でます。