オリンパス「M.ZUIKO PROレンズ」レビュー③
超強力手ブレ補正で手持ち撮影が可能な600mm相当の超望遠レンズ
オリンパス
M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
実売価格31万6760円
非常に高い光学性能と、防塵防滴性能や堅牢性を持った、600mm相当の単焦点超望遠レンズ。オリンパスの交換レンズでは、初めてレンズ内に手ブレ補正機構を搭載(ボディ内手ブレ補正方式を採用しているため)。OM-D E-M1 MarkⅡやPEN-Fなどのボディとの組み合わせで、ボディ内手ブレ補正機構とレンズ内手ブレ補正機構をシンクロさせて補正効果を高める「5軸シンクロ手ブレ補正」を実現した。
●焦点距離:300mm(35mm判換算:600mm相当) ●レンズ構成:10群17枚(スーパーEDレンズ3枚、HRレンズ3枚、E-HRレンズ1枚) ●最短撮影距離:1.4m ●最大撮影倍率:0.24倍(35mm判換算:0.48倍相当) ●絞り羽根:9枚(円形絞り) ●最小絞り:F22 ●フィルター径:77mm ●最大径×全長:92.5mm×227mm ●質量:1,270g(三脚座除く)、1,475g(三脚座含む) ●その他:防塵・防滴・耐低温性能
一般的な望遠ズームとはひと味違う圧倒的な引き寄せ効果
超望遠レンズといえば“特殊なレンズ”という印象があるが、現在は、比較的リーズナブルな150-600mmなどの超望遠ズームが発売されている。しかし、その光学性能(解像力や開放F値など)は、単焦点の500mmや600mmのレンズには及ばない。
とはいえ、35mm判フルサイズ対応の500mmや600mmのレンズは、大きさや重さの面で簡単に扱えるシロモノではない。たとえば、フルサイズ対応の600mmF4だと、全長400mm台・質量4000g弱。このくらいになる。だが、本製品は、600mm相当F4ながら「全長227mm・本体質量1270g」という小型軽量な設計だ。
そして、特殊レンズを贅沢に使用した光学設計・製造技術の結集によって“オリンパス史上最高の解像力”を実現している。また、シャッター速度換算6段分の補正効果が得られる「5軸シンクロ手ブレ補正」の実現によって、通常の超望遠レンズでは考えられないような、手持ちでの低速シャッター撮影(1/15秒とか)も可能になる。
次の作例は、同じ場所から600mm相当(本レンズ)と200mm相当(一般的な望遠ズームの望遠端)で撮影したもの。手前に障害物があったり、時間的に難しかったりなどの理由で、撮りたい被写体に近づけないケースは多い。そんなときには、望遠レンズの引き寄せ効果(遠くの被写体が拡大できる)が必要になる。動物園などの撮影では、特にその効果の重要さを実感する。このケースでも、200mm相当までの一般的な望遠ズームだと不満な大きさだが、600mm相当の超望遠なら十分な大きさに写せた。
離れた動物が大きく写せる……だけでなく、600mm相当の極端に狭い画角なら、その動物の一部分だけを切り取ることも可能になる。次の作例では、夕方の光を浴びるゾウの表情を、穏やかな目を中心に切り取ってみた。
さらに、本レンズでは、焦点距離を1.4倍に変えるテレコンバーター「M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14」が使用できる。それによって、焦点距離を300mm相当からさらに「840mm相当」に伸ばすことができるのだ。野鳥などの撮影で、その効果のありがたさを実感!
今回はオリンパスのM.ZUIKO PROレンズから3本を紹介した。今後も注目すべき名作レンズについて語っていきたい。
協力:楽天市場