ハイレゾ再生は決して難しくありませんが、ビギナーが乗り越えねばならない壁もあります。そこで、アイテム選びの基本から、正しい機器のメンテナンス法まで、AVのプロ・鳥居一豊さんが初心者の悩みを解決します!
【お悩み】
スピーカーやヘッドホンはハイレゾロゴがなければダメなのでしょうか?
あくまで目安。好みの音質のモデルを選びましょう
国内メーカーの製品を中心に、パッケージなどに「ハイレゾ対応」を意味するロゴマークが付いた製品が増えています。日本オーディオ協会では、スピーカーやヘッドホンにおける「ハイレゾ対応」の定義を「高域再生性能40kHz以上」と定めており、ロゴはその基準を満たしていることを示すもの。しかし、出力機器においては、ロゴがなくてもハイレゾの魅力を十分に味わえるものも多くあります。参考程度にして自分好みの音が楽しめるモデルを選びましょう。(鳥居さん)
↑ロゴのデザインはいくつかの種類がありますが、意味は同じ。ソニーが作成した左のロゴは、他社の製品にも採用されています
【お悩み】
PCはMacとWindowsではどちらがPCオーディオ向きですか?
使い勝手や情報量の面でどちらも得手不得手があります
WindowsもMacも一長一短。Windowsは、USB DACを使う際に専用のドライバーをインストールする必要があります。しかし、ユーザー数が多いためネット上であらゆるトラブルが解決しやすいのがメリット。一方Macは、USB DACの多くをドライバーなしで利用できます。ただし、Windowsに比べてユーザー数が少なく、トラブルシューティングに若干苦労しそう。ネットに上がる情報量もWindowsほど多くありません。ちなみに、最近では、音質に配慮したオーディオ向けPCが発売されています。(鳥居さん)
オーディオ向けPC
オリオスペック
Ritmo2
実売価格19万9800円
ファンを排除して静音性を追求したWindows PC。USB DACのドライバーインストールや再生ソフトの設定などを、購入時に指定できます。
【お悩み】
PCオーディオでハイレゾを楽しみたいのですが昔のコンポで聴いても問題ないでしょうか?
15年前のミニコンポでも十分に活用できます
デジタルデータをやりとりするUSB DACでは、より多くのデジタルフォーマットに対応している新しい製品のほうが有利な点はあります。しかし、アナログ信号を受け取るアンプやスピーカーは、多少古くても問題ありません。1999年にDSD形式の音源を収録したSACDが登場しており、そのころ発売されたミニコンポは高域再生を意識したものも多くあります。つまり、15年前の古いミニコンポでも、PCオーディオやネットワークオーディオに組み込んでハイレゾ再生に活用できるのです。(鳥居さん)
↑2000年に発売されたミニコンポ。このころの製品は、SACDの登場により、超高域再生を意識して開発されたものも多くあります
【URL】
オリオスペック http://www.oliospec.com/
Ritmo2 http://www.oliospec.com/shopdetail/000000003519/