広角ズームで目の前の光景をダイナミックに描写!
先ほど紹介した標準ズームの「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.」も、24mm相当の広角域まではカバーしている。だが、これは一般的な広角なので、渓谷風景の奥行きを強調したり、吊り橋などをダイナミックに写すには、物足りなさを感じることも多い。やはり、超広角域をカバーする広角ズームが欲しくなる。
今回選んだ広角ズームの「LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.」(実売価格12万2020円)なら、広大な範囲が写し込めて、一般の広角とは違う遠近感の強調も期待できる。今回の旅では、広がりのある渓谷風景を写す際に、画面の手前から奥に川の流れを入れて遠近感を強調したり、近くの被写体に肉薄してダイナミックに見せたり、といったアプローチを試みてみたい。
渓谷遊歩道のすぐ脇に、滝……とまでは呼べない小さな水の流れを発見。被写体としては地味で目立たないものだが、流れの周囲に広がる苔むした岩肌が良い雰囲気だった。そこで、広角ズームの広角端を使って、小さな流れに接近しながら大きく見上げる。この大胆な間合いとアングル変化によって、水の流れを強調すると同時に、高い滝を見上げるような感覚を得ることができた。
今回の撮影旅の終着点となる御岳駅。その駅に到着したときには、辺りはだいぶ暗くなっていた。しかし、その薄暗さによって、駅舎入口の照明の明るさや色味が美しく感じられる。そんな夕暮れ時の駅舎を、超広角の画角で真正面から切り取った。
軽量・スリムなコンパクトデジカメを使った旅も身軽でいいが、今回のように状況にあわせて交換レンズを駆使して撮影するのもまた、趣味としてのカメラの醍醐味。ぜひ自身の撮影スタイルにあったカメラと装備で撮影旅にでかけてみてはいかがだろう。