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カメラ
2019/1/8 20:00

馬にときめく“馬女(ウマジョ)”のための「アカデミーX」が熱かった!

近年「馬女(うまじょ)」と呼ばれる“馬好き”の女性が増えている。その流れを受けてか、2018年12月、富士フイルムの写真講座「アカデミーX」にて、大井競馬場で競走馬を撮影をする女性限定の講座が開講された。今回はそんな一風変わった写真講座の様子をレポートしたい。

 

プロによる撮影講習会&最新モデル「X-T3」で実践

東京・丸の内のFUJIFILM Imaging Plazaに集まったのは、馬にときめく10人あまりの女性たち。講師は、国内外で競走馬を撮影し、様々な広告媒体で活躍している森内 智也さん。まずは森内さんから1時間ほど、競馬場での撮影についてのレクチャーを受けたあと、最新の富士フイルムX-T3が貸し出され、会場を大井競馬場に移して撮影セミナーというのが、この日のタイムテーブルだ。

↑まずは森内智也カメラマンが、作例をもとに撮影のコツなどを解説

 

競走馬を撮るポイントは、シャッター速度優先AEにして、高速の連続撮影モード(CH)で撮るのがいいと語る森内さん。競走馬の動きに合わせてカメラを振る流し撮りや、パドック(後述)でのアップなど、撮影のテクニックや狙い方、構え方などが紹介されていく。「とにかくワンカットで決めようとは思わないように」という森内さんからのアドバイスにちょっと安心。全部が良い写真である必要はないということだ。その点、メカニカルシャッター時で最高約11コマ/秒を実現するX-T3は心強い。電子シャッター設定で1.25Xクロップ時には、最速で約30コマ/秒も可能だ。

 

その後、参加者にX-T3が配られ、Xアカデミースタッフの説明を受けつつ、設定などを行った。参加者たちは、馬の撮影に興味があるものの、競馬場を訪れるのは初めてという人がほとんど。もちろん競馬場での撮影も初体験だ。しかし、富士フイルムのカメラユーザーということで、貸し出されたX-T3の操作は特に問題なく扱えるようだった。

↑今回用意された機材はX-T3と「フジノンレンズ XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR」。防塵防滴仕様や高速AFが心強い。なお、希望者は100-400mmの望遠ズームレンズも借りることができた

 

予想以上の速さに戸惑いつつも高速連写が威力を発揮

講習を終えてから全員で移動し、午後2時半過ぎに大井競馬場に到着。この日は12月上旬ながら、風もない穏やかな小春日和。心配された天気がよかったうえに、競馬場の開放的な雰囲気も手伝って、撮影前からテンションも上がってくる。重賞レースがあるせいなのか、平日の午後にしては、思っていた以上に来場者が多い。

↑撮影の舞台は大井競馬場。東京モノレール「大井競馬場前」から徒歩約2分とアクセスしやすい

 

今回は大井競馬場内の競馬観戦型レストラン「ダイアモンドターン」の一角を貸し切り、レースの合間の休憩などに利用。まずはそこに荷物を置きにいったのだが、一般にイメージされる競馬場のイメージとは打って変わって、実にオシャレな内装だ。レース場側はガラス張りになっており、ブッフェ料理を楽しみながらレースを観戦することもできる。

↑洗練された内装の競馬観戦型レストラン「ダイアモンドターン」。営業時間内の出入りは自由だ

 

とはいえ、今回の目的は競走馬の撮影。休憩もそこそこにレース場へと向かう。

 

撮影会が行われた12月上旬、大井競馬場は第4コーナーの先に日が沈むのだという。第4コーナー近くの観覧席の最前部には一段高くなっている場所があり、撮影目的の一般の来場者も多く集まる撮影スポットだ。現場でのレクチャーも早々に、午後の日差しが残るうちに撮影が始まった。

↑現場の様子を見ながら適宜アドバイスをする森内カメラマン

 

電光掲示板でスタート前の様子を気にしながら、撮影の狙いを絞る参加者たち。斜光気味の光がダートの砂煙を巻き上げてくれば、ゴール前とはまた違ったドラマチックな撮影ができそうだ。

↑観客席からだと超望遠レンズが必要になるが、コースに最も近いこの場所なら標準ズームでもイメージしたシーンが狙えそうだ。ただ、コース脇に設けられている白いラチ(※2)が画面に入りやすいため、フレーミングには注意が必要になる
※2:各コースの柵のこと

 

レースがスタートすると、第4コーナーまではあっという間。折り重なるようにコーナーを立ち上がってくると、そこかしこでいっせいにシャッター音が唸り出す。それをかき消すように目の前を駆け抜ける競走馬の足音が通り過ぎていく。予想以上に速い競走馬の動きに戸惑いを見せながらも、X-T3で捉えた連写の結果をチェックして一喜一憂する参加者の姿が見られた。

 

パドックでの撮影やナイターも雰囲気十分

レース結果を気にしつつ、次はパドック(※3)に移動しての撮影。さらに馬と近い位置で撮影でき、ゆっくりとした動きで何周もするので、アップのカットをじっくり狙うことができる。光の状態や背景を確認しながら、思い思いの場所に散って撮影を始める来場者たち。

※3:レース前の馬が周回する場所
↑こちらがパドック。ゆっくり歩くようなペースなのでレースのような迫力はないが、そのぶんアップで表情を狙いやすい

 

パドックには撮影会参加者のほかにも一眼カメラを手にした女性が結構いた。しかも望遠レンズや大口径レンズなど、大きなレンズを装着したカメラが目立つ。森内さんによると、競走馬やジョッキーのファンたちにとっても撮影しやすいスポットなのだとか。また普段から競馬場では、カメラを持っている女性たちは珍しくないのだという。セミナーの参加者たちもすっかり場に馴染んでいる感じで、撮影に没頭していた。

 

ナイターに備えていったんダイアモンドターンに戻り、カフェタイム。おのおのスイーツビュッフェ等を楽しんだ。

 

再びコース前で撮影の準備に取り掛かる。ライトアップされた競馬場は、思いのほか明るい。大井競馬場はLED照明が採用されているということで、撮影するにはややコントラストが高めだが、夕方とはまた違った雰囲気がいい感じだ。

↑夜はライトアップによってレースはまた違った雰囲気に。この写真のように、コースが短い場合は第4コーナーが撮影場所に近くなるので、さらなるシャッターチャンスが生まれる

 

↑撮影に慣れてくると、スタートで出走の瞬間を撮影したあと走って第4コーナーに戻って撮影、という参加者の姿も見られた

 

撮影がひと段落したあと、ダイアモンドターンでは森内さんによる作品講評がスタート。お気に入りの作品を選んで、プロにコメントしてもらうのは、貴重な体験だ。

↑プロから自分の撮影した写真に対してアドバイスをもらえるのも、こうした撮影会の醍醐味。疑問点などを積極的に質問する参加者も多かった

 

X-T3での競走馬の撮影は好評だったようで、欲しくなってしまったという参加者も。その感想の一部をご紹介しよう。

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