ゲーミングに最適なヘッドホン・イヤホンも続々
昨年はゲームによる対戦スポーツ競技「eスポーツ」が流行語にもなりました。今年も世界中でその勢いが止まらないであろう、熱気をCESの会場でも感じました。
オーディオとゲーミングアクセサリーのブランドによるコラボレーションも熱を帯びています。今年もCESに出展したゼンハイザーは、ゲーミングARヘッドセット「Magic Leap One Creator Edition(以下:Magic Leap)」のために開発したイヤホン「AMBEO AR One」をブースのセンターに配置しました。
Magic Leapは透過型のディスプレイを採用。実世界の風景にコンピュータ・グラフィックを重ね合わせたゲームやエンターテインメントコンテンツを楽しめるARヘッドセットです。その本体には3.5mmのイヤホンジャックが搭載されていて、ゼンハイザーのAMBEO AR Oneを接続するとMagic LeapによるARのビジュアル体験に没入感を盛ってくれるサウンドが追加されます。
イヤホンの本体左右にはマイクが内蔵されていて、ヒアスルー機能をオンにすると外の音をピックアップ。反対に機能をオフにして、パッケージに付属するComply製のイヤーチップを装着すれば外部のノイズをシャットアウト。ARの世界により深く入り込めます。耳掛けタイプのイヤホンなので、ARヘッドセットを装着したままでも軽快で安定したフィット感が得られました。残念ながらゼンハイザーのヘッドセットの販売はしばらくのあいだはMagic Leapのオンラインストア、または製品を取り扱う米国の店舗のみで行われるそうです。
HyperXが発表した「Cloud Orbit S」はアメリカのヘッドホンブランドAudeze(オーデジー)が開発した「Mobius」をベースにするゲーミングヘッドセットです。Bluetooth接続の機能はなく、USBでPCにつなぐか、3.5mmアナログステレオミニ接続を基本としています。本機にはジャイロセンサーを内蔵。最初に頭の位置をキャリブレーション設定で定めると、ユーザーが顔の向きを360度変えても音が元の位置に定位する「Wave NX Technology」の3Dヘッドトラッキング機能を搭載しています。アクション、シューティング系のゲームに臨場感が加わって、ますますのめり込めそう。USB接続時にはヘッドホンに内蔵されているDACとアンプを使ってハイレゾ再生も楽しめます。価格は329.99ドル(約3.5万円)。
ポータブルオーディオファンにお馴染みのオンキヨーも、新たに「SHIDO=士道(シドウ)」というゲーミング専用オーディオアクセサリーのブランドを立ち上げます。
CESの会場にはゲーミングヘッドセットとUSBコントロールアンプの試作機が参考展示されていました。残念ながらまだ音を聴くことはできなかったものの、ヘッドホンの本体がものすごく軽くて装着感も抜群でした。メガネをかけたまま身に着けられるし、長時間ゲームをプレイしていても苦にならないと思います。オーディオメーカーならではのゲーミングヘッドホンとして注目されること間違いありません。国産のゲーミングオーディオブランドにぜひ高く羽ばたいて欲しいですね。
ソニーがスマホで手軽に360度サウンドが楽しめる新しい音楽体験を発表
最後に、ソニーが新しいコンテンツサービスを立ち上げたことを報告しておきましょう。「360 Reality Audio」と名付けられた、最大24個の音源をユーザーを中心に全天球360度に配置して没入感あふれるサウンド体験を提供する立体音響技術です。
最初は360 Reality Audioの制作ツールでつくられた専用の音源を、DeezerやTIDALなど4社が提供するスマホ向けの音楽配信サービスが配信します。スマホにアプリをインストールして音源をストリーミングして聴くスタイルです。組み合わせるヘッドホン・イヤホンは特別なものでなくても大丈夫。一般的なオーディオ用の製品でOKです。スマホによるアウトドアリスニングでも、まるでマルチスピーカーを周囲に配置した環境で、音が360度ぐるりと囲まれ、飛び交うような臨場感豊かなサウンドがいつでも・どこでも楽しめます。
ソニーはCESで360 Reality Audioの技術発表まで行いました。まだいつ頃、世界のどこで、どうやってサービスが始まるのか具体は明らかにされていませんが、ソニーの担当者は「近いうちに詳細を発表したい」と話していました。ハイレゾとはまたひと味違った、新しい音楽の臨場感を届けてくれそうなソニーのサービスにぜひ注目しましょう。