オリンパスは1月24日、小型で軽量、高画質を実現する「マイクロフォーサーズシステム規格」準拠のミラーレス一眼カメラ「OLYMPUS OM-D E-M1X」を発表。10月12日に同社が創立100周年を迎える記念すべき年に、新たなフラッグシップモデルが誕生しました。
画期的な機能を多数搭載! 特に驚いた4つのポイント
オリンパスのプロフェッショナル向けカメラといえば、約2年前ほど前に発売された「OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II(以下、E-M1 Mark II)」が存在しています。今回発表されたOLYMPUS OM-D E-M1X(以下、E-M1X)はその後継機……ではなく、両者ともにハイエンドモデルという位置づけ。
E-M1 Mark IIは「持ち運び携帯性や撮影時の軽快性」を重視する人に、E-M1Xは「撮影時のホールディング性や操作性」をより重視する人に、というように、撮影スタイルに応じた選択肢が広がったという形です。
そんなE-M1Xですが、「まだこんなに進化の余地があったのか!」と驚いてしまうほど新たな機能や仕様が満載。そのなかでも、特に興味をそそられた4つのポイントを紹介します。
【その1】縦位置グリップ一体型構造による安定したホールディング性と高い操作性
撮影時のホールディング性や操作性を重視するプロフェッショナルユーザーの要望に応え、E-M1Xは縦位置グリップ一体型構造を採用。横位置、縦位置ともに指がかりが深いグリップを採用することでホールディング性を向上させ、長時間にわたる撮影でも、疲れにくい仕様となっています。
また、AFエリアを移動させることができるマルチセレクターを縦・横位置両方に配置したり、ファインダー撮影時の誤操作を防ぐためにボタンの高さや形状を1つ1つ変えるなど、操作性にも配慮。高いホールディング性もあいまって、特にスポーツシーンや野生動物の撮影、あるいは縦位置を多用するポートレートなどでの活躍が期待されるとのこと。
【その2】風景写真家待望の「手持ちハイレゾショット」に対応
0.5ピクセル単位でセンサーを動かしながら8回撮影した画像をもとに、50Mセンサー相当の高解像写真を生成する人気機能「ハイレゾショット」。通常よりも高精細な画像が得られる反面、これまでは三脚の使用が必須という条件がありました。
ところが、E-M1Xでは高速画像処理エンジンを2基搭載したことにより、「手持ち」でのハイレゾショットが可能になりました。その仕組みもユニークで、センサーを機械的に動かすのではなく、手持ち撮影中に生じるわずかな位置ずれを逆に利用し、16枚撮影した画像を生成するのだとか。
【その3】ディープラーニングテクノロジーを活用した「インテリジェント被写体認識AF」
高速画像処理エンジンを2基搭載したことによるメリットは、手持ちハイレゾショット以外にもまだまだあります。その1つが、AIの一種であるディープラーニングテクノロジーを活用した「インテリジェント被写体認識AF」です。
これは特定の被写体を検出し、最適なポイントにフォーカス・追尾する機能。現時点では、モータースポーツ、航空機、鉄道の3つのジャンルに対応しています。
【その4】世界最高約7.5段分の手ブレ補正を実現
新開発のジャイロセンサーを搭載することで、ボディ単体で最高約7.0段分(※)、「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」との組み合わせでは世界最高約7.5段分となる「5軸シンクロ手ブレ補正」を実現。いままでにない低速シャッターでの手持ち撮影も行え、夜間、室内などの撮影に威力を発揮します。
※使用レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」 焦点距離40mm (35mm判換算80mm相当)。CIPA規格準拠、2軸加振時(ヨー/ピッチ)。2019
そのほかにも、プロの要望に応える機能や工夫が満載のE-M1X。新機能やスペックを見ているだけでも、ハイエンドモデルにふさわしい佇まいと実力を感じさせてくれます。
あえて気になる点を挙げるとするならば、新機能がモリモリなぶん、価格がもう1つのフラッグシップ機・E-M1 Mark IIよりおよそ15万円近くも高くなっている点(2019年1月24日時点)。ですが、縦位置グリップが一体化している点や、画像処理エンジンを2つ搭載している点、さらにそれらから得られる恩恵などを考えれば、決して高すぎるということもない…かもしれません。とにかく、発売を心待ちにしたいですね!