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ヘッドホン
2019/3/18 22:00

【プロがジャッジ】増税前に買っても後悔しない「NCワイヤレスヘッドホン」4選

今年10月、消費税が8%から10%に増税となります。もちろん高価格な製品ほど増税の影響は大きいですが、必ずしも“駆け込み買い”が得とは限りません。本特集では、増税前に狙い目のカテゴリを抽出し、そのなかからプロがベストバイ製品をセレクト。今回はハイエンドモデルを中心に採用されはじめている「ノイズキャンセリング機能」を備えたワイヤレスヘッドホンを紹介します。

 

基本性能はいずれも高水準、先進性が購入のポイントに

数年前は希少だったノイズキャンセリング対応ワイヤレスヘッドホンは、いまやポータブルオーディオのメインストリームのひとつ。各メーカーが注力モデルを投入し、市場は成熟期を迎えています。良質な製品はそれなりに高価で値下がりもしにくいので、いま狙っている人は増税前に購入することをオススメします。

 

今回紹介する各社の最上位モデルは、音質・NC性能ともに高水準。装着感やデザインが好みかどうかに加えて、外音取り込みやタッチリモコン機能の有無、AIアシスタント対応といった先進性が、購入前に比較するポイントです。

 

【解説する人】

オーディオライター/山本 敦さん

オーディオビジュアル専門ウェブメディアでの記者・編集を経てフリーに。海外での取材も精力的にこなします。

 

ノイズキャンセリングや接続安定性など機能が成熟しているため長く使える

高音質に加えて、安定した接続、ノイズキャンセリングなどの機能を、バランス良く備えたモデルが出揃いました。長く使える成熟した製品が多いのも特徴です。(山本さん)

 

【ココをCHECK】

1.装着感

飛行機やカフェなどで長時間身に着けて使うことを想定。着けたとき感じる重さ、ヘッドバンドの締め付け度合い、イヤパッドの肌触りなどをチェックします。

2.NC性能

ワイヤレス機の最上位クラスでは、没入感を高めるアクティブノイズキャンセリング機能の搭載がトレンド。任意で外音を取り込めるとなお便利に使えます。

3.音質

ドライバーユニットの性能だけでなく、対応するBluetoothコーデックも確認。iPhoneで聴く人はAAC、ハイレゾ派ならLDACやaptX HDに要注目です。

4.デザイン

毎日の通勤時に違和感なく使えるよう、スーツスタイルに合う上質さを求めたい。着けたままでも快適に操作できるかや、コンパクトに折りたためるかなども重視。

 

【その1】

多彩なNC機能を備えたハイレゾ対応モデル

ソニー

WH-1000XM3

実売価格4万3070円

処理能力が従来機の4倍となる新開発プロセッサ「QN1」を搭載し、ノイズキャンセリング効果と音質が大幅にアップ。装着状態や環境に合わせてNC効果を最適化できるほか、外音を取り込めるのも便利です。LDACやaptX HDなどのハイレゾ対応コーデックに対応。

【SPEC】●再生周波数帯域:4Hz~40kHz ●対応コーデック:LDAC、aptX HD、aptX、AAC、SBC ●インピーダンス:47Ω ●出力音圧レベル:104.5dB/mW(有線接続・NCオン時) ●連続再生:最大30時間(NCオン時) ●フル充電時間:約3時間 ●質量:約255g

 

【装着感】評価A

イヤパッドは、耳の周りに触れる面積を広くすることで圧を分散させる設計で、負担を軽減。シリーズ前モデルのM2と比べて20gほど軽量化しました。

 

【NC性能】評価A+

自然な消音効果が得られるため、音楽の世界に深く入り込めます。賑やかなカフェなどで使うと、人の声が巧みに消音されていることがわかりました。

 

【音質】評価A

どんなジャンルの音楽でも楽しめるニュートラルなバランス。特に中高域の解像度が高く、NCオン時もクリアで見晴らしが良い。

 

【デザイン】評価A

装飾を省いたミニマルデザイン。ヘッドバンドのシルエットがスリムで頭が小さく見えます。ブラック(左)とプラチナシルバーの2色。

 

【その2】

NCヘッドホンの第一人者は2つの音声アシスタントに対応

ボーズ

QuietComfort 35 wireless headphones Ⅱ

実売価格3万9960円

NCヘッドホンの第一人者であるボーズのワイヤレスモデル最新世代。専用のスマホアプリからNCレベルを3段階で選べます。GoogleアシスタントとAlexaの両方に対応し、アクションボタンを押しながら話すと音声で操作可能。外音取り込み機能は非搭載。

【SPEC】●再生周波数帯域:非公表 ●対応コーデック:AAC、SBC ●インピーダンス:非公表 ●出力音圧レベル:非公表 ●連続再生:最大20時間(NCオン時) ●フル充電時間:非公表(15分の充電で2.5時間使用できる急速充電に対応) ●質量234g

 

【装着感】評価A

高級車の内装などに使われる、上質なアルカンタラ素材をヘッドバンドに採用。柔らかく、長時間の使用でも耳や頭が痛くなりにくい。

 

【NC性能】評価A

クルマのロードノイズのような低音にも、航空機の甲高いエンジン音にも効果を発揮。外音取り込みは非対応ですがNC強度は3段階で調節できます。

 

【音質】評価A

アウトドアで心地良く聴けることを意識した、中低域のエネルギー感を引き出す音作り。明瞭なボーカルと躍動感あふれるリズムを楽しめます。

 

【デザイン】評価B+

シンプルですが、ボタンレイアウトなどの機能性は洗練されています。ブラックとシルバーのほかミッドナイトブルー(上記画像)などの限定色も発売中。

 

【その3】

環境に応じた3通りのNCでいつでも音楽に没入できる

オーディオテクニカ

ATH-ANC900BT

実売価格3万7670円

同社史上「最静寂」をうたうQuietPointシリーズの第1弾モデル。「Airplane」や「Office/Study」など、シーンに合わせたNC効果をアプリで選択できます。直感的に音楽再生や通話が行えるタッチコントロールに対応。外音取り込み機能搭載。

【SPEC】●再生周波数帯域:5Hz~45kHz ●対応コーデック:aptX、AAC、SBC ●インピーダンス:35Ω ●出力音圧レベル:103dB/mW(NCオン時) ●連続再生:最大20時間(NCオン時) ●フル充電時間:約5.5時間(15分の充電で約3時間使用できる急速充電に対応) ●質量:約263g

 

【装着感】評価B+

ほどよく覆うイヤカップと、低反発素材のイヤパッド。上質な合皮を用いたヘッドバンドは柔らかく、肌触りもまずまずです。

 

【NC性能】評価A

 

痛くない注射針で麻酔を打たれたように、いつの間にか静寂に。話し声からロードノイズまで、消音のバランスも良好。

 

【音質】評価A

力強い低域から細かい音の粒まで、すうっと素直に鳴らします。有線接続によるハイレゾ再生では、広々とした情景を描きます。

 

【デザイン】評価B

スーツスタイルにマッチしますが、少しさっぱりし過ぎている印象も。現状はブラックのみのため、新色の展開に期待。

 

【その4】

音質・機能・デザインのすべてを追求したプレミアムモデル

 

B&O Play

BeoPlay H9i

実売価格5万9900円

デンマークの高級オーディオブランド、バング&オルフセンのエンジニアがチューニングを施し、低域再生に磨きをかけた最上位モデル。ハウジングをタッチして外音を取り込めたり、脱着時に自動で音楽が停止/再生したりと、機能が充実しています。

【SPEC】●再生周波数帯域:20Hz~20kHz ●対応コーデック:AAC、SBC ●インピーダンス:非公表 ●出力音圧レベル:非公表 ●連続再生:最大18時間(NCオン時) ●フル充電時間:2.5時間 ●質量:約285g

 

【装着感】評価A

スムーズな肌触りのラムスキンレザーをイヤパッドに使用。形状記憶クッションの柔らかなフィット感が持続します。

 

【NC性能】評価B+

人の話し声をキレイにシャットアウトし、街なかでのリスニングでは効果大。イヤパッドの自然な遮音効果も高い。

 

【音質】評価B+

むやみに色付けをしていないサウンド。専用アプリ「Beoplay」では、直感的な操作で音のカスタマイズが楽しめます。

 

【デザイン】評価A

アルミとレザーにラバー素材を組み合わせた、同社ならではの上質な存在感が魅力。4色展開で選ぶ楽しみもあります。

 

ノイズキャンセリング機能は各メーカーのハイエンドモデルに搭載されているため、いずれの機種も約4万円~と高価になっており、増税の影響も大きくなっています。このクラスのヘッドホン購入を考えている方は、増税前の購入がオススメです。