【その4】
これぞソニーのスタンダード
ソニー
ハイブリッドイヤーピース
実売価格390円(同サイズ4個入り)※SS/S/M/L/LLの5サイズをラインナップ
外側と内側で硬さの異なるシリコン素材を組み合わせた砲弾型のイヤーピース。ブラックとホワイトの2種類のカラーから選べます。サイズは5サイズで、自分の耳に合ったサイズを細かく選択可能。
【山本コメント】
ルックス、音への効果ともに最もオーソドックスなタイプ。バランスは中高域が豊かになり、低域は穏やかに添える印象。クラシックのオーケストラや落ち着いた女性ボーカルの楽曲と相性がよかった。声やアコースティック楽器の繊細なニュアンスが移ろう様子がよく見えてくる。装着感はややしっとりとしていて、耳の内壁にピタリとフィットする。一般的なイヤーピースよりも遮音性は高いと感じた。
【一條コメント】
Sednaシリーズのように耳に当たる側とイヤホンに接する側で素材が異なるタイプ。中高域が伸びやかでクリアな方向に音が変化する点もSednaシリーズに近いが、響きにツヤが出てしっとりした印象になる点が異なる。
【その5】
シリコンとフォームのいいところ取り
ソニー
トリプルコンフォートイヤーピース
実売価格1220円(同サイズ4個入り)※SS/S/M/Lの4サイズをラインナップ
硬さの異なるシリコン素材に、独自開発シリコンフォーム素材を組み合わせたイヤーピース。これまでにないやわらかさと追従性で、高い遮音性と長時間の快適な装着性を実現します。水洗いも可能。
【山本コメント】
フォームタイプのイヤーピースなのに、開放的でディティールの粒立ちにも富む。音のつながりがとてもスムーズで、おおらかに広がる音像は大輪のユリの花を連想させる。楽曲によっては立体感がもう少し強調されても良いと感じるところもあるが、キャラクターが異なる「ハイブリッドイヤーピース」と使いわけてもいい。フォームタイプのイヤーチップなのに装着感はさらっとしていて心地よい。耳の奥までぐっと挿入して装着すると、やや圧は強めに感じる。
【一條コメント】
フォームとシリコンのあいだのような素材で、遮音性と耳当たりの良さを両立している。低音がグッと締まり音の迫力が増すので、もう少し低音が欲しいと思うイヤホンと組み合わせるとよい。同社の「ハイブリッドイヤーピース」と比べて肉厚なので、ワンサイズ小さめを選ぶのがオススメ。
【その6】
とろけるようにやわらかい新素材を採用
JVC
スパイラルドット+
非売品(同社のイヤホンHA-FD01/HA-FW10000に同梱)
イヤーピース内壁にスパイラル状にドットを配置した「スパイラルドット」シリーズの上位モデル。肌に近い力学特性を持つ「SMP iFit」素材を採用しており、ナチュラルなフィット感を実現。内側のドットがイヤーピース内の反射音を拡散させ、音のにごりを抑えてクリアなサウンドを実現します。こちらは非売品ですが、単品販売向けとして、「SMP iFit」と高品質シリコンを組み合わせたハイブリッド構成の「スパイラルドット++」(実売価格2460円/同サイズ4個入り)が用意されています。
【山本コメント】
サイズとやわらかさが筆者の耳にはとても素直にフィットした。とにかく負担を感じさせない。音楽の芯を捉えてインパクトの強い音を立体的に前に出してくる。ディティールの描写も細やかで、ボーカルのニュアンスが移ろう様子を的確に捉える。低音はむやみに量感を膨らませるタイプではなく、音像をタイトに引き締めたまま肉付きがリッチになる印象。ジャンルや時代を問わず様々なタイプの音楽から旨味を引き出せるイヤーピースだ。
【一條コメント】
とろけるようにやわらかい素材で、耳にやさしくフィットする。今回試した6モデルのなかで1番耳が痛くなりにくいと感じた。音質的な変化は、低音の迫力が増して、音の密度がグッと上がるような印象。ぜひハイグレードモデルの「スパイラルドット++」も試してみたい。
手持ちのイヤホンを手軽にカスタマイズするなら、まずはイヤーピースを変えてみるのがオススメ。自分好みの音と装着感のイヤーピースを組み合わせれば、より一層ポータブルオーディオを楽しむことができます。
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