AV
カメラ
2019/9/11 17:30

わずか18.3gのアクションカメラ! 小さな巨人「Insta360 GO」の正体

360度の全天周記録が可能なVRカメラが人気のInsta360が、さまざまな場所に取り付けて撮影できる、新コンセプトの超小型カメラ「Insta360 GO」の予約受付開始を8月28日に発表した。このInsta360 GOは非常に小さく軽量なボディとなっており、これまで以上に自由なアングルで撮れ、スマホとリンクさせることでAIによる自動動画編集も可能というユニークな製品だ。本稿では、このInsta360 GOの機能や楽しみ方などについてお伝えする。

↑Insta360 GOを充電ケースに取り付けた状態で手に持ってみた。手や指との比較から、本機がいかに小さいかがわかると思う。充電ケースも小さく、旅先などに持っていっても邪魔になることはないはずだ

 

驚くほど小さく軽いから使い方いろいろ

Insta360はこれまで、プロ用VRカメラのほか、一般向け製品として360度全天周カメラの「Insta360 ONE」シリーズや「Insta 360 nano」シリーズ、360度VRと180度の3DVR撮影が可能な「Insta360 EVO」など、360度撮影が可能なVRカメラを多数リリースしてきた。

 

一方、今回のInsta360 GOは、名称にこそ“360”と付いているものの、あえて撮影範囲を180度とすることで“小ささ・軽さ”と“設置の自由さ”を手に入れた新コンセプトのアクションカメラといえる。サイズは49.4×21.4×14.85mmと親指ほどの大きさで、18.3gという驚きの軽さだ。

 

そして、本機には多くのアクションカメラ同様にさまざまなアクセサリーが用意(同梱)されているのだが、本体が非常に軽量なため、磁気(磁石)や小さな吸着パッドなどで簡単に固定できる点が特徴となっている。

↑Insta360 GOの本体。操作はレンズの下(画面左下)のグレーのマークが付いている部分がスイッチになっており、タッチ操作で行う

 

↑Insta360 GOの同梱アクセサリー。充電ケースのほか、ピボットスタンドや吸着パッド、クリップパッド、磁気ストラップなどが同梱され、買ってすぐにさまざまなシーンでの撮影が楽しめる

 

例えば、衣服やヘアバンド、ゴーグルなどに本機を固定すればウェアラブルカメラとして使用でき、クルマのダッシュボードに固定すればドライブの記録が可能といった具合。特にウェアラブルカメラとして使う場合は、小さく軽いので従来の同様の製品に比べて邪魔にならず、目立ちにくい。しかも、画角が180度と広いので、撮影者が見せたい部分はもちろん、撮影時には気づかなかった決定的瞬間を捉えられる可能性もある。

↑磁石を使って衣服に装着すると、撮影者の視点に近い映像が得られる。自分を主役にした記録を残したい場合などに最適

 

↑クリップなどを使って帽子などに固定すれば、ランニングなどのスポーツ中の視点も記録できる。本体が軽いので競技者への負担も少ない

 

↑防水仕様なので水辺での撮影も安心。波をかぶる瞬間など、迫力のあるシーンが撮れる

 

次の動画はInsta360 GOのプロモーション動画。ハンズフリーでさまざまなシーンや視点での撮影が楽しめるのがわかる。

 

小さくても機能はしっかり! スマホ連携で自動編集機能も

次に機能・性能面を見てみると、レンズの画角は前に記したように180度で、レンズ口径はF2.1。動画撮影時には、独自の電子式手ブレ補正である「FlowState手ブレ補正」が機能し、動画を撮りながらの歩行や車載時などのように大きな揺れがあっても最適な補正効果が得られる。防水機能(IPX4準拠)も装備されているので、雨天時なども安心だ。

 

カメラのコントロールは本体のボタン操作で行え、例えば電源オフ状態からの1回押しで電源がオンになって録画を開始。あるいは、1回押しで写真撮影モード、2回押しでハイパーラプス撮影モードになるといった具合で、それらの設定状態は本体のランプの点滅で確認できるようになっている。このほか、Bluetoothで接続したスマホでコントロールすることも可能だ。

 

記録は本体に内蔵の8GBストレージに行われる。充電には専用の充電ケースを用いるが、このケースにもバッテリーが内蔵されており、1回のチャージ(約1時間)で本体の充電(約20分)を2.5回行えるという。

↑充電ケースにバッテリーを内蔵し、本体を2.5回充電可能。ケースを使用すれば、Micro-USBやLightning端子を経由してスマホに直接つなぐことも可能になる。

 

撮影機能としては、2720×2720/25fpsの動画撮影に加え、同品位でのインターバル撮影やハイパーラプス撮影が可能。加えて、3040×3040/30fpsのタイムラプスや1600×900/100fpsのスローモーション撮影もできる。静止画は、3040×3040(約924万画素)での記録が可能だ(ただし、アプリ経由で出力の場合は、動画、静止画ともにアプリ側の設定解像度に依存)。

 

撮影した素材は専用スマホアプリでの編集が可能で、アプリにはスマホに内蔵のAIエンジンを活用したAI動画編集機能「フラッシュカット」を搭載。これは、AIによる画像認識を利用して動画クリップを並べ替え、撮影者が選んだBGMのリズムに合わせて映像を調整・結合して動画を自動生成する機能だ。加えて、風景や食事、笑顔などテーマや撮影構図、ユーザーの好みなどに基づいたコンテンツの並べ替えも自動で行えるという。

 

一般的な編集機能としては、トランジションやカラーパレット、再生速度調整といったツールが組み込まれているので、ユーザーの好みに応じた編集も手軽に行える。さらに、撮影動画を回転できるバレルロール機能なども装備する。動画編集はある程度の技術や慣れが必要で作業時間もかかるため、スマホなどで動画を共有する際などの1つの壁になってきたが、こうした自動編集機能などを備えることで、これまで以上に動画を楽しみやすくなるだろう。

 

実売価格は2万3800円と比較的低価格で、VR動画を気軽に楽しみたい人に最適なほか、動画撮影を趣味にしている人には、動画編集時の素材作り用カメラとして1台持っておくと面白そうだ。静止画は、画素数が1000万画素弱と物足りない部分はあるものの、それほど高価ではないので、VR写真の入門機として楽しんでみるにはよさそう。アクションカメラとして使うのはもちろん、ライフログ的な使い方も考えられるので、ユーザーの工夫次第でさまざまな楽しみ方ができる“小さな巨人”といえそうだ。