春の新製品の季節。2020年の春の新製品をプロが試し、使ってみる「前」の印象と使ってみた「後」の印象、「買い」か「様子見」かなど、使ってわかった本音レビューをお届けします。
※こちらの記事は「GetNavi」 2020年4月号に掲載された記事を再編集したものです。
その1.最新の「AIクラウド」技術で未体験の高画質
【前】パッと見は従来モデルと変わらない?→【後】AIによる高画質化技術の実装が楽しみすぎ!
東芝
レグザ Z740X
実売価格22万8690円(55V型)
新開発の「レグザエンジンCloud PRO」を搭載する液晶の旗艦モデル。クラウド上にある番組やジャンルごとの映像解析情報を取得し、AIが高画質処理を行います。「レグザ重低音バズーカオーディオシステム PRO」は迫力十分です。65、55、50V型を用意。
SPEC【55V型】●チューナー:BS4K/110度CS4K×2、地デジ×9、BS/110度CS×3●接続端子:HDMI入力×4、USB×4、LAN×1ほか●音声実用最大出力:80W●サイズ/質量:W1237×H766×D237mm/20.0kg(スタンド含む)
クラウドに蓄積したデータで絶えず画質が進化し続ける
東京五輪へ向けて各社が4K注力モデルの準備を進めるなか、レグザのZ740Xが先陣を切って登場。ウリは、「クラウドを活用し、AIが高画質化する」機能です。
これは、番組を詳細にジャンル分けして、それぞれに最適な高画質処理を行うもの。従来は「スポーツ」とひとくくりだったのが、野球、サッカー、ゴルフ、テニス、陸上、水泳、体操……などと細分化。さらに、野球でもデー/ナイトゲームで処理を変えるなど、かなり高精度です。アニメでは、監督やシリーズによって変わるタッチまで処理に反映されるのは驚きでした。
処理に必要となる膨大な番組のデータを、テレビに蓄積することは不可能です。そこで、クラウド上に蓄積したデータを、視聴のたびにテレビが受け取るシステムを採用。このデータは日々更新されるため、Z740Xの画質は進化し続けます。機能が実装されるのは6月のため、まだ実力を体感できていませんが、非常に楽しみです。
元々レグザが得意としている地デジ放送やネット動画の高画質化技術も研鑚。画質マニアもそうでない人も、買って損はありません。(鳥居さん)
リモコンはシンプルでより直感的に操作可能
リモコンの「ボイス」ボタンを押せば、音声で番組検索や録画予約などが行えます。NetflixやYouTube、Amazon Prime Videoなど6つの動画サービスをワンタッチで立ち上げるボタンも便利です。
視聴中のコンテンツに適切な画質処理を施す
クラウドと連携する新開発の「レグザエンジンCloud PRO」。視聴中の番組に適切なパラメーターを用いて画質処理を施すことで、それぞれのコンテンツに相応しいリアルな映像を実現します。
いつもの地デジ放送も低ノイズでクリアに
4Kコンテンツはもちろんのこと、“いつもの”地デジ放送もキレイな画質に仕上げるのがレグザの真骨頂。エリアごとに現れるノイズを低減しつつ、精細感を巧みに復元する技術が秀逸です。
その2.業界初!! 4K放送を全自動録画
【前】全録機能の設定が煩雑で難しそう→【後】便利で使いやすくてもう手放せません!
パナソニック
ディーガ DMR-4X600
実売予想価格20万7780円
6TBの内蔵HDDに最大4ch×28日ぶんの番組を自動録画可能。4Kチューナーを2基搭載し、同放送の2番組同時録画や、視聴中の裏録にも対応します。録画番組をスマホに転送して、外でも視聴可能です。
SPEC●内蔵HDD:6TB●チューナー:BS4K/110度CS4K×2、地デジ/BS/110度CS×4、地デジ専用×1●接続端子:HDMI×2、USB×3、LAN×1ほか●サイズ/質量:W430×H60×D239mm(突起部含まず)/約4.2kg
容量の大きい4K放送は長時間録画でHDDを節約
ディーガ4X600のウリのひとつがチャンネル録画(全録)。コレ系の初期設定は煩雑になりがちですが、非常にわかりやすくて感動しました。録画予約の手間から解放されたら、もう通常のレコーダーには戻れないほど便利です。録画番組は、リモコンの「新着番組」を押すと「ドラマ」「バラエティ」などとジャンル分けして表示。UIが見やすく操作性も良好でした。
大容量の4K放送は、長時間録画モードがオススメ。HDDの使用量を節約でき、画質の劣化も最小限です。スマホで録画番組を楽しみたい人は、あらかじめ「スマホ転送用番組の作成」を設定しておけば素早く転送可能。多機能ながら使い勝手に優れた設計は、さすがパナソニックと実感しました。(一條)
詳細な番組情報は視聴する際の参考に
「番組ニュース」という欄には、かなり詳細な番組情報が記載されます。膨大な全録番組のなかから視聴する番組を選ぶ際の参考になりました。
UIがわかりやすくストレスなく使える
第一印象は「UIがわかりやすい!」。面倒な初期設定も、案内に従うだけで簡単にできました。動作もキビキビとして、ストレスを感じません。
その3.テレビだけで「録る・見る・残す」の1台3役に使える
【前】“一体型ビエラ”の「動き」はどうか?→【後】サクサク使える!操作性に大満足
パナソニック
ビエラ GR770
実売価格28万6000円(49V型)
4Kチューナー2基に加えて、2TBのHDDとUHD BD対応の光学ドライブを内蔵。1台で4K番組の録画やBDへのダビングが可能です。高輝度IPS液晶パネルを採用し、明るいリビングでも高画質で楽しめます。49、43V型を用意。
SPEC●チューナー:BS4K/110度CS4K×2、地デジ/BS/110度CS×3●音声実用最大出力:30W●接続端子:HDMI×2、USB×2ほか●サイズ/質量:W1106×H696×D301mm/約19.5kg(スタンド含む)
多機能モデルならではの緩慢な操作感を克服!
何を隠そう、某メーカーのHDD&BDドライブ一体型テレビを10年も愛用。ようやく4Kの一体型に買い換えたいモデルが出ました。
多機能ゆえの弊害か、一般的な一体型テレビは起動や画面遷移が遅いなど、操作性の不安定さがデメリットです。ビエラ GR770では、そこもしっかりケア。画面がパッパッと切り替わり、まったくストレスを感じませんでした。番組表はシニア世代でも見やすい大きな文字で、録画予約やBDへのダビングもサクッと行えます。
画質・音質も必要十分以上のクオリティで不満はナシ。価格が20万円を切ったら……即買います!(川内)
背面がスッキリして妻も子どもも安心
一体型のメリットは、何といってもテレビ背面の配線がシンプルなこと。掃除が格段にラクになるうえ、子どもの安全を守るにも有効です。
番組の録画・視聴が直感的に操作できた
大きなアイコンが表示される「かんたんホーム」。録画予約や録画番組の視聴、ネット動画視聴などが、機械に強くない妻も快適に行えました。
その4.ポップな顔した本格派イヤホン
【前】ポップなデザインがビギナーにウケそう→【後】ソニーらしさ全開のハイファイサウンド
ソニー
WF-H800
実売価格2万3950円
個性に合わせて選べるカラーが魅力のh.earシリーズ初となる完全ワイヤレスイヤホン。独自技術「DSEE HX」により、ストリーミングなどの圧縮音源もアップスケーリングして、ハイレゾ級の高音質で楽しめます。カラバリは5色で展開。
SPEC●ドライバー:6mm径密閉ダイナミック型●連続再生:最大8時間●充電時間:イヤホン1.5時間(10分充電で70分再生の急速充電に対応)、ケース3時間●質量:イヤホン片側約7.6g、ケース約48g
スマホでカジュアルに良い音を楽しむならコレ!
ポップで見栄えのする外観で、男女問わず若者から人気の高いh.ear(ヒア)シリーズ。デザイン先行と思われがちですが、実は最もソニーらしく均整の取れた“ど真ん中”のハイファイサウンドを聴かせてくれます。スマホでカジュアルに良い音を楽しむならコレ!
シリーズ初の完全ワイヤレスイヤホンであるWF–H800は、クリアなボーカルの押し出しが特に力強く、鮮度の高い音が特徴。1980~90年代の煌びやかなJ–POPにマッチしました。また、SpotifyやYouTube Musicといった音楽配信サービスなどの圧縮音源でもハイレゾ相当のサウンドにアップコンバートする高音質技術「DSEE HX」が効果絶大。スマホでカジュアルに良い音が楽しめるという点に、とても魅力を感じました。
完全ワイヤレス上位モデルのWF–1000XM3とは異なり、ノイズキャンセリング機能が非搭載という点には要注意。ノイキャンが不要で、ポータビリティ重視でカジュアルに使い倒したいという人なら、5000円ほどリーズナブルな本機を選ぶのはアリです!(山本さん)
小型かつ人間工学に基づく構造で装着時の安定性はピカイチ
コンパクトな筐体設計により、快適な装着感を実現。上位モデルと同様に、耳の3点で支える「エルゴノミック・トライホールド・ストラクチャー」を採用し、安定性が高い。
軽量&コンパクトなケースは外での持ち歩きが快適
充電ケースも、同社の完全ワイヤレスでは最小&最軽量。上位モデルWF-1000XM3(写真奥)と比較するとふた回り以上小さく、バッグやポケットに入れて持ち運ぶのにも便利です。
筐体とイヤーピースとのカラーコーデも秀逸
筐体のカラバリを豊富に揃えるだけでなく、イヤーピースのカラーと巧みにコーディネートされている点がユニーク。デザインに手を抜いていないのもソニーらしいポイントです。
その5.聴き取りにくい“声”を届ける専用スピーカー搭載
【前】高齢者向けの補聴スピーカーでしょ→【後】臨場感のある音はホームシアター級!
ソニー
SRS-LSR200
実売価格2万2000円
テレビにつないだ送信機から音声を無線伝送し、聞き取りやすい音で楽しめます。左右のステレオスピーカーの中央に、人の声の周波数帯だけを出力する“声”用スピーカーを新搭載しました。テレビリモコンとして使えるのも便利です。
SPEC●電源:AC、バッテリー●使用周波数帯域:2.4GHz帯●連続使用時間:約13時間(はっきり声オフ時)●充電時間:約3時間●サイズ/質量:約W182×H77×D87mm/約630g(スピーカー部)
スポーツ中継での臨場感に驚かされた!
シリーズ前モデルの購入者は、60代以上が約8割。耳の遠くなった人が補聴用に使うスピーカーという認識でしたが、新作のLSR200を試したところ、開発陣の尋常ではない音へのこだわりに圧倒されました。
新搭載の“声”スピーカーは、その名のとおり、ニュースの声やドラマのセリフなどをしっかり立たせてくれます。食器洗いや掃除機がけをしながらの視聴でも、ある程度は内容を聞き取れました。
従来機よりユニット数を増やしつつ、容積を確保して音の迫力は十分。スポーツ中継では、観客のワッという歓声に包まれるなか、実況がスッと聞こえる体験が新鮮でした。ホームシアター的な楽しみ方ができることに驚き!(川内)
煩雑なケーブル接続にわかりやすくする工夫
テレビとケーブルで接続する送信機の底面。カラーラベルを巻いて、どのケーブルをどの端子に挿すかが直感的にわかるように工夫しました。
独自の構造により聞きやすさを追求
スピーカーの分解イメージ。左右2つのパッシブラジエーターが低音を持ち上げ、センターの“声”用スピーカーが200Hz帯を強化します。
その6.高感度センサーとF1.8の明るいレンズで夜間の運転もバッチリ録画
【前】エブリオブランドの動画性能に期待!→【後】描写力が十分に高く使い勝手も工夫アリ
JVC
Everio GC-TR100
実売価格2万6280円
フロントとリアに設置する2カメラタイプ。いずれもF1.8の明るいレンズを搭載し、暗いシーンでも明るく低ノイズな映像で記録できます。フロントカメラには、高感度・高画質のソニー製CMOSセンサー「STARVIS」を採用しました。
SPEC●動画解像度:フルHD(2カメラとも)●視野角:フロント対角167度、リア151度●サイズ/質量:フロントW90×H56×D27mm/約85g(ブラケット、ケーブル除く)、リアW55.5×H22.5×D28.5mm/約34g(ブラケット、ケーブル含む)
高感度センサーを使いこなし自然な雰囲気の描写に
JVCのビデオカメラブランド「エブリオ」を冠したドライブレコーダーとしては、初の2カメラタイプ。フロントカメラにソニー製のCMOSセンサー「STARVIS」を搭載するのが注目点です。この恩恵もあり、夜間撮影での描写力は高く、ライトが照射されていない範囲もしっかり捉えられていました。日中は少し輪郭にエッジが立つものの、同センサーを備える他機種に比べれば自然な雰囲気。逆光でも白飛びせず、シーンへの対応力は高いと言えます。
リアカメラは視野角が抑えめながら解像度はフルHDで、後続車の様子をしっかり記録できました。また、SDカードやホルダー、ケーブルなどに備えたロック機構が秀逸。安全性や使い勝手に配慮されていたのが好印象です。(会田さん)
夜間やトンネル内でも対象物を鮮明に記録
「STARVIS」により、暗いシーンでも対象物の色や形をしっかり認識。トンネル内を走行中も、歩行者や対向車などを鮮明に記録します。
2カメラの映像を1画面で確認できる
フロントカメラの背面に3.0インチIPS液晶モニターを搭載。フロントカメラとリアカメラの映像を1画面に表示して確認できます。
【フォトギャラリー(画像をタップするとご覧いただけます)】
【この記事を読んだ方はコチラもオススメ】