SE846のノズル交換システムを搭載した「AONIC 5」
AONIC 5は今回発表されたAONICの有線イヤホンのなかでは最上位のモデル。シュアの名機「SE535」をベースに進化を遂げた新製品になります。AONIC 5の発売後もSE535/SE535 Special Editionはともに販売を継続するそう。
AONIC 5もAONIC 4と同様にイヤホンのシェルはラグビーボールのような曲線を活かした新しいデザインになっています。SE535 Special Editionと並べてみると、シェルのサイズはわずかに小さくなったようにも見えます。
AONIC 5は無色透明のクリア以外のカラーバリエーションモデルはシェルの外殻が着色されていて、内側から内部の構造が見られます。
搭載する合計3基のBA型ドライバーは高音域に1基、中低域に2基を割り当てる2ウェイ構成。1.6kHz帯にクロスオーバーを設けて、中低域用として設けた2基のBA型ドライバーは高域用のドライバーよりも少しだけサイズが大きく、同じ帯域をタンデム駆動でカバーしながら豊かな中低音を再現します。
AONIC 5の大きな特徴は、2013年に発売されたSEシリーズのフラグシップである「SE846」が備えるノズル交換システムを搭載したこと。標準の「Balanced」のほか、高域に特性を持たせた「Bright」と温かみのある中低域を再現する「Warm」の3種類のノズルをパッケージに同梱しています。
専用工具を使ってノズルを固定するパネルを外してから、ノズルチューブを差し替えます。ノズル交換はユーザーが自身で簡単にできます。なおAONIC 5はノズル自体を交換する方式です。メタルノズルの中にフィルターを装着して交換するSE846のノズルとは構造が違うため互換性はありません。
それぞれのノズルの効果についてはシュア本社でAONIC 5を担当したスティーブ・メリック氏がWeb発表会のなかで説明しています。「Balancedはプロのミュージシャンやエンジニアがリファレンスにするようなフラットバランスでクリーンなサウンドを意識した。Brightは高域のエネルギーやディティールの向上、音場の広がりを引き出せる。Warmは私の個人的なフェイバリット。中低域のナチュラルな再現を引き出し、音像定位をどっしりと安定させる。それぞれをぜひ好みや楽曲ごとに変更して楽しんでもらいたい」と話していました。