前回に引き続き、FUJIFILM「X-E3」に縮小光学系マウントアダプタ「Lens Turbo II N/G-FX」を使って、オールドニッコールレンズを装着して撮影しています。
今回は超広角レンズ、中望遠レンズ、レンズ専業メーカーの高画質ズームレンズも試しています。ニッコールレンズは、中古でU2万円から探せるハイコスパなレンズからチョイスしました。
3本目:使いやすい超広角「AI AF NIKKOR 20mm F2.8」
トップバッターの「AI AF NIKKOR 20mm F2.8」は、扱いやすい20mm超広角レンズです。スマホの28mm、ミラーレスの標準ズームの広角端が24mmと仮定すると、それよりやや広角となります。開放絞り値はF2.8と明るく、小型軽量。光学設計はそのままで現行のニッコールレンズとして継続発売中の優秀なレンズです。絞り込めば、深い被写界深度で近景から遠景までピントが会うためスナップにも最適ですね。
【作例】
4本目:ポートレートレンズの定番「NIKKOR 85mm F2」
銀塩写真時代から、ポートレートといえば85mmというのが定番でした。憧れは85mmF1.4でしたが、実際手に入れてみると、大きくて重いし、絞り開放では被写界深度が浅すぎて扱いにくいレンズということが分かりました。F1.8もありますが、庶民の味方はF2。小型軽量ハイコスパでボケはF1.8とほとんど変わりません。フィルターサイズは52mm、最短撮影距離は85cm、重さは310gと軽量で、中古相場は2万円前後。自然な発色とやや硬めの描写が特徴です。
【作例】
5本目:高性能ズームSIGMA「24-105mm F4 DG OS HSM」
最後にオマケで絞りリングのないFマウントのSIGMA Artシリーズの高画質標準ズーム「24-105mm F4 DG OS HSM」を試してみました。そもそもSIGMAのレンズはFUJIFILM用マウントがないので装着不可なのですが、マウントアダプタを使えば撮影できます。重さ885g、フィルターサイズ82mmの重量級レンズで、超音波モーターのAFに加えて手ブレ補正機能まで搭載していますが、X-E3ではどちらも使えません。手元にあったので付けてみたのですが文句ナシの高性能で、そのまま別の仕事で製品撮影までこなしてしまいました。
【作例】
オールドレンズと相性がいい「マウントアダプタ」
5本のレンズをマウントアダプタで使ってみた感想は、予想外に良かったです。もともとレンズの味を楽しむようなオールドレンズであれば、ほとんど性能低下を気にせずに撮影できます。高性能レンズを使った場合は絞り開放時に解像度が低下したり、周辺光量落ちなどが気になりますが、実勢価格約2万円のマウントアダプタにそこまでの高性能を求めるのは酷というもの。それより、数千円から手に入るオールドニッコールレンズを気軽に楽しめる手段として注目したいですね。
「Lens Turbo II」にはニコンFマウント以外にも、キヤノンFDマウント、キヤノンEFマウント、M42マウントなどがあります。また、ボディ側もソニーNEX用、マイクロフォーサーズ用が用意されています。ぜひお手持ちのレンズと最新のミラーレス一眼を組み合わせて、レンズごとの個性の違いを楽しんでみて下さい。
モデル/大木 亜希子
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