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2021/7/15 17:35

パナソニック「LUMIX GH5M2」実写レビュー! 野鳥撮影も手ごろなもんでした

パナソニックのミラーレスカメラGシリーズのハイエンドモデル、LUMIX「GH5」がMark.IIになって新登場しました。Gシリーズには静止画に強いGと動画に強いGHがありますが、LUMIX「GH5 II(DC-GH5M2)」によって静止画も動画も、これ1台でいいと思わせてくれるスペックが実現されています。

↑使用した交換レンズは標準ズームキット「LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.」、超広角ズーム「LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.」、超望遠ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」の合計3本

 

しっかりしたグリップと手ブレ補正機能でブレに強い

LUMIXが採用しているマイクロフォーサーズマウントはカメラもレンズも小型軽量化できるため、特に望遠系レンズで威力を発揮します。手ブレにも強いのですが、センサーサイズがほかの規格より小さいため、フルサイズなどに比べるとやや高感度に弱いという弱点があります。

 

今回は、野鳥のオオタカを撮影。生息地は立ち入り禁止のためエリア外から超望遠レンズで撮っています。当日の天候は曇天だったため、開放絞り値の暗い超望遠レンズで高速シャッターを使うために感度を上げざるを得ませんでしたが、満足のいく作例を撮影することができました。

↑ オオタカを超望遠レンズで撮影。記事後半で作例解説します

 

「GH5 II」は大型のグリップを装備して右手を使ってほとんどの操作がおこなえます。電子ダイヤルはグリップの前後にあり、専用ボタンは5個で、その中の1つが動画撮影ボタンです。モードダイヤルには4つのカスタムモードを登録できます。左側のドライブモードダイヤルで連写、単写、6Kフォト、フォーカスセレクトを素早く切り替えられます。背面にはフォーカスモードレバー、ジョイステックなどがあり、これらは右手の親指で操作できます。

↑ホワイトバランス、ISO感度、露出補正、フォトスタイルを専用ボタンで操作。ボタンの高さや形状が微妙に違うためにEVFをのぞいたままでも違いが分かります

 

↑ドライブモードダイヤルを回して単写、連写、6Kフォトを選択します

 

↑背面の操作系も洗練されており、迷わず使えます。同じフォーマットのOLYMPUS「OM-D E-M1Mark III」よりも操作しやすいと感じました

 

動物認識により、犬、ネコ、鳥へのAF性能が向上

GH5 IIでは動物認識AF(オートフォーカス)と空間認識AFにより、イヌ科、ネコ科、鳥を認識して瞬時にピントを合わせるAF機能を搭載。これはペットの撮影に役立ちます。

 

また、カメラ任せで複数のパラメータを変更して印象的な写真が撮れるフォトスタイルに、L.クラシックネオ、シネライクD2、シネライクV2など新たに5種類が加わりました。

↑自動認識のAFモードで動物と人間の両方を同時に選択できます

 

↑シネライクV2などが加されフォトスタイルは全14種類になりました

 

スマホとの連携でライブ配信も簡単

GH5 II最大の目玉はライブ配信機能です。スマホに専用アプリ「LUMIX Sync」をインストールするだけで準備完了。アプリとカメラをペアリングして、ツールのなかからライブ配信を選択。次にどこから配信するのかを選べるのですが、YouTubeはチャンネル登録者1000人以上でないとライブ配信できないため、今回はFacebookを選択。後はカメラをWi-Fiで接続して、配信開始ボタンを押せばライブ配信が開始されます。

 

この画面にストリームのリンクが表示されるので、コピペして知人に送ったり、SNSでリンクさせれば、クリックした人がライブ配信画面に飛べるようになります。実際に試してみると、ミラーレスカメラだけあって、スマホのカメラ機能と比較して動画の画質が抜群にいいです。また、音声もなかなかのもの。これでYouTuberでなくても手軽にライブ動画配信ができますね。

 

(画像をクリックすると拡大表示されます)

 

↑Mac miniのSafariからライブ配信を表示。フルHD画面は非常にキレイです

 

フォトスタイルを使ってみよう

LUMIXのフォトスタイルは、OLYMPUSでいえばアートフィルター、富士フイルムでいうところのフィルムシミュレーションモードになります。この手の機能は、いくら数が多くても使えるエフェクトがなければ宝の持ち腐れです。効果が大げさなモードはインパクトがありますが、飽きやすいので、私は地味に効くモードが好みです。

↑L.クラシックネオで撮影したスナップ。色は薄く明るめに写るので昭和な感じがでます
LUMIX DC-GH5M2M LUMIX G VARIO 12ー60mm / F3.5-5.6 1/125sec F6.3 ISO200

 

↑L.モノクロームで撮影するとコントラストのハッキリした画像が得られました
LUMIX DC-GH5M2M LUMIX G VARIO 12ー60mm / F3.5-5.6 1/100sec F5.6 ISO400

 

↑同じ被写体をL.モノクロームSで撮るとやや明るめでフラットな感じになります
LUMIX DC-GH5M2M LUMIX G VARIO 12ー60mm / F3.5-5.6 1/100sec F5.6 ISO400

 

悪条件下でもオオタカのヒナが撮れた!

さて、目玉となるオオタカ撮影へ。オオタカ生息地に向かう途中から天候が回復したのですが、時刻は15時を回っていました。画質優先なら低感度で低速シャッターですが、相手が動いた場合はブレてしまいます。動きを止めるなら高感度で高速シャッターを切りたいところですが、そのぶん、画質は犠牲になります。

↑オオタカ生息地に近づくと雨がやんで晴れ間が見えてきました
LUMIX DC-GH5M2M LEICA DG 8ー18mm / F2.8-4.0 1/125sec F4 ISO200

 

まず、低感度、それから高感度で撮影することにして、AFは基本AF-Sを選択しました。ドライブモードは高速連写を選択。レンズは小型軽量で800mm相当が使えるOLYMPUS「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」を使います。LUMIXとOLYMPUSはマイクロフォーサーズマウントを採用しているため、交換レンズに互換性があります。

 

生息地に到着すると大きくなった3羽のヒナが巣からエサを食べるために地上に降りていました。これはラッキーです。陽射しもありましたが、望遠端の開放絞り値はF6.3なので、ISO800では1/60secしか切れません。フルサイズなら三脚が欠かせない撮影条件ですが、軽量なレンズと強力な手ブレ補正機能のおかげで、手持ちで撮影できました。

 

ISO800での画質は100%で見ても、羽毛のディティールがしっかり再現されています。途中でISO10000まで上げました。ややディテールは甘くなりますが、オオタカの鋭い眼光が捉えられました。ISO3200ぐらいまでなら、大伸ばしにも耐えられると思いました。

 

4K動画も手持ちでブレずに撮影できました。さすがは動画に強いLUMIX「GH5 II」です。機材の増える動画撮影にこそ、フォーサーズ機の機動性を有効活用したいですね。

 

↑オオタカのヒナの兄弟、親鳥が取ってきたエサをめぐって争っています
LUMIX DC-GH5M2M OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 1/60sec F6.3 ISO800

 

↑3羽目のヒナは木の枝に止まって我関せずを決め込みます LUMIX DC-GH5M2M OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 1/60sec F6.3 ISO800

 

↑オオタカが止まっていれば1/50secでもブレずに撮れます。動物認識AFも効いています
LUMIX DC-GH5M2M OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 1/50sec F6.3 ISO800

 

オオタカが羽ばたく動きを止めないので1/1000secまでシャッター速度を上げ、感度をISO10000まで上げています。粒子はやや粗くなりますが、迫力のある画像が撮れました。

↑ LUMIX DC-GH5M2M OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 1/1000sec F6.3 ISO10000

 

↑ 枝が前後に入り組んでいる場所では、素早くMFに切り替えて撮影しています
LUMIX DC-GH5M2M OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 1/400sec F7.1+0.33 ISO10000

 

↑ 動きが収まったので感度をISO3200まで下げました、画質はかなり良くなりました
LUMIX DC-GH5M2M OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 1/125sec F9 ISO3200

 

最後に4K動画をご覧下さい、800mm相当の手持ちで、ほぼブレが抑えられています。

 

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