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カメラ
2016/11/16 11:45

週末トラベルに最強の一眼! 旅の持ち歩きにピッタリなパナソニック「Lumix GX7 Mark II」

先日、アジア随一のエンターテイメントシティへ変貌を遂げているマカオの観光レポートをお届けしたが、その際に使ったカメラが、2016年5月に発売されたパナソニック「LUMIX GX7 Mark II」だ。“ストリートフォト一眼”をキャッチフレーズにするLUMIXのGXシリーズの最新モデルで、2013年に発売した「GX7」の後継機であると共に、15年に発売した「GX8」の下位機として位置づけられる。その画質や使い勝手はどうなのか、フォトジェニックなシーンが数多いマカオで撮影した素材を通して、そのレビューをお伝えしたい。

パナソニック「LUMIX DMC-GX7 Mark II」の単焦点レンズ「LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7」(実売12万5000円前後)を付属したキット。他に標準ズームレンズ「LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6」(実売9万8000円前後)を付属するレンズキット、ボディ単体モデル(実売8万8000円前後)をラインナップする
↑LUMIX DMC-GX7 Mark II(ブラック)に「LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7」を装着。レンズが付属するキットは、ライカブランドの単焦点レンズ「LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7」(キット実売12万5000円前後)が付属するものと、標準ズームレンズ「LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6」(キット実売9万8000円前後)を付属するものが用意されている。もちろん、ボディ単体モデル(実売8万8000円前後)も購入可能

 

 

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↑LUMIX DMC-GX7 Mark II(シルバー)に「LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6」を装着。ボディカラーはこれまでのGX7と同様、ブラックとシルバーの2種類が用意された。見た目のボディサイズはGX7と比べてほぼ同寸に近いが、細かくスペック(幅 約122mm × 高さ 約70.6mm × 奥行 約43.9mm)を見ていくとわずかながら小さくなっている。特にグリップ部は膨らみがスリム化され、全体に角張った感じが強くなった。一方で重量は本体のみで383gと23gほど増えている

 

今回はレンズに「LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6」を選んだが、構えたときの重量バランスは極めて良好。肩や首からブラ下げても身体にフィットするし、バッグなどへの収納性にも優れる。今回の旅行でも、この取り回しの良さはずいぶんと重宝した。

 

進化した手ブレ補正でマカオの華やかな夜景も余裕!

まず本題に入る前に、GX7から進化した手振れ補正について述べたい。これまでもボディ側に「ボディ内手ブレ補正.」を搭載しており、レンズ側の補正機能と合わせた相乗効果が狙えたが、本機では新たに斜め方向のブレにも対応できるよう新開発の「5軸手ブレ補正」搭載。対応レンズを装着するとボディ側5軸とレンズ側2軸の補正が連動して、その効果はシャッター速度4段分に相当する効果を発揮する。

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↑ボディとレンズの両方で手ブレを抑える「デュアルI.S.」

 

マカオでの撮影では花火あり、イルミネーションありの、とにかく夜景の中での撮影が多かったが、GX-7 Mk IIの強みはいかんなく発揮された。なかでも「デュアルI.S.」機能が動画撮影時にも有効となったのは心強い。これでビデオカメラと比べても遜色ない補正効果が得られるまでになったといっていいだろう。

↑中秋節前後に毎年開催されるマカオ国際花火ディスプレイコンテスト。写真は見事優勝を果たした日本の花火。三脚を使用してアンダーへ補正を加えて2秒ほど露光。(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO200、2秒、F11、-2補正)
↑中秋節前後に毎年開催されるマカオ国際花火ディスプレイコンテスト。写真は見事優勝を果たした日本の花火。三脚を使用してアンダーへ補正を加えて2秒ほど露光。(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO200、2秒、F11、-2補正)

 

↑同じくマカオ国際花火コンテストで撮影した日本チームの花火。音楽に合わせて繰り広げられた柔らかい広がりを美しく再現できている(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO200、2秒、F5.6、-1.3補正)
↑同じくマカオ国際花火コンテストで撮影した日本チームの花火。音楽に合わせて繰り広げられた柔らかい広がりを美しく再現できている(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO200、2秒、F5.6、-1.3補正)

 

↑マカオではモザイクを敷き詰めた風景をあちこちで見ることができる。夜景であっても強力な手振れ補正のおかげで手持ちで楽に撮れる。ISO3200まで感度は上がってもノイズは極めて少ない(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO3200、1/125秒、F3.5、+0.3補正)
↑マカオではモザイクを敷き詰めた風景をあちこちで見ることができる。夜景であっても強力な手振れ補正のおかげで手持ちで楽に撮れる。ISO3200まで感度は上がってもノイズは極めて少ない(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO3200、1/125秒、F3.5、+0.3補正)

 

ローパスレスでマカオの世界遺産もクリアに撮れる

撮像素子のリニューアルも大きなポイントだ。4/3型1600万画素のLive MOSセンサーはベースこそ同じとするが、光学ローパスフィルターを省くことでいっそう解像感を高めている。この効果により、APS-Cカメラと比較しても遜色がないリアリティに富んだ映像が撮れるようになったのだ。SNも良好で、今回のマカオで撮影したカットはどれもクリアに表現され、その効果を改めて実感できた次第だ。

↑マカオのシンボル的な観光遺跡「聖ポール天主堂跡」。新搭載のローパスフィルターレスの16M Live MOSセンサーは建造物をかなりシャープに見せてくれる。立体感あふれる描写だ(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO200、1/500秒、F9、-0.3補正)
↑マカオのシンボル的な観光遺跡「聖ポール天主堂跡」。新搭載のローパスフィルターレスの16M Live MOSセンサーは建造物をかなりシャープに見せてくれる。立体感あふれる描写だ(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO200、1/500秒、F9、-0.3補正)

 

↑コロアンで路地裏に入ると、ポルトガル統治時代の街並みが残る。ローパスフィルターレスの効果は鮮やかな赤も再現。壁面のわずかな陰影も見事に描写できている(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO200、1/160秒、F9、+0.3補正)
↑コロアンで路地裏に入ると、ポルトガル統治時代の街並みが残る。ローパスフィルターレスの効果は鮮やかな赤も再現。壁面のわずかな陰影も見事に描写できている(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO200、1/160秒、F9、+0.3補正)

 

↑マカオ南部のコロアンにある「聖フランシスコ・ザビエル教会」。クリーム色の教会を鮮やかに描写しながら、手前の記念碑の質感もしっかり出す。これがローパスレスの効果か。こんもりとした緑もうまく表現できている(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO200、1/320秒、F6.3、補正なし)
↑マカオ南部のコロアンにある「聖フランシスコ・ザビエル教会」。クリーム色の教会を鮮やかに描写しながら、手前の記念碑の質感もしっかり出す。これがローパスレスの効果か。こんもりとした緑もうまく表現できている(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO200、1/320秒、F6.3、補正なし)

 

シャッタースピードはメカシャッターで最高1/4000秒に抑えられたが、代わりに電子シャッター機能が備えられて1~1/16,000秒の範囲で使えるようになっている。これは新たなメリットとして捉えたい。野鳥の撮影やステージでの撮影といった音を立てられないシチュエーションで役立つと考えられるからだ。

 

また、GX7よりも明らかにシャッター時のショックが小さくなっているが、これはブレ発生を抑える意味でもプラスとなる。また、メカシャッターでの最高速度はGX7の5コマ/秒→8コマ/秒 へと進化しており、電子シャッターではフォーカスを固定すれば最高で40コマ/秒という超高速撮影を実現した。電子シャッターではローリングシャッター歪みが出るが、この辺りは被写体を上手に使い分けたい。

 

AFも格段にスピードアップしている。もともとLUMIXはミラーレスの中でも高速な部類に入ると実感していたが、GX7 Mark IIでは新たに「空間認識AF」への対応や追従性能の改良を図って高速化を可能にしたのだ。その効果は被写体を追いかけていればすぐに実感できる。カメラを向けると素早く被写体にピピッと反応して合焦し、その動きは軽快そのもの。GX7でも遅いとは感じたことはなかったが、この辺りはやはり時代の進化を実感せざるを得ない。

 

個人的に残念だったのは、GX7や上位機GX8に搭載されているチルト式EVFが固定式となったこと。この機能があることで、たとえば明るい屋外やモニターを表示できないシーンなどでとても重宝した経験があるからだ。ほとんどの場合は液晶モニターのチルトがあれば十分とは思うが、上位機のGX8には備えられただけに、この機能がGXシリーズならではのキャラとして設定して欲しかった気はする。

 

独自の「4Kフォト」は花火で大活躍

さて、LUMIX製品といえば「4Kフォト」機能を取り上げないわけにはいかない。これは一言でいえば「4K動画から1コマを切り出して静止画とする機能」のこと。4K動画では画素数3840×2160ドットの映像を毎秒30フレームで記録できるわけで、これを1枚ずつ切り出せば800万画素相当の高解像度な静止画が得られるというわけだ。この機能を使えば、難しかった一瞬のチャンスを確実に捉えられるようになる。4Kとしての機能をスチルカメラに生かすパナソニックならではのアイディアなのだ。

 

マカオでの撮影では、新たにオープンした「ザ・パリジャン・マカオ」のオープニングに打ち上げられた花火で活躍した。どのタイミングでもっとも華やかに打ち上がるか見当が付かないので、打ち上がっている間はこの機能で対応。撮影後にモニター上に映し出されたスライドビュー画面をドラッグして良さそうなコマを選ぶと、エッフェル塔の背景に打ち上げられた見事な花火の瞬間が捉えられた。これをMENU/SETボタンを押して保存すれば作業は終了だ。

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↑「ザ・パリジャン・マカオ」のオープニングで打ち上げられた花火。4Kフォトで動画撮影した映像から一枚を切り出した。最も美しい瞬間を逃さないのはこの機能最大のメリットだ(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO500、1/30秒、F3.5)

 

注意すべきは、4Kフォトの「4K連写」を選ぶと音声が記録されないことだ。これはデフォルトでは電子シャッター音が発せられることへの対策と思われるが、音声も同時に記録したい場合は「4K連写(S/S)」を選ぶ。これで4Kフォトを撮りながら音声記録も行えるようになる。

 

この機能に関連して本機には「フォーカスセレクト」も搭載された。撮影した後で再生すると画面内の好きな部分にピントを合わせられる機能で、好みの位置でフォーカスしたカットを静止画として切り出すというもの。その仕掛けは割と単純。フォーカスする49個の測距点を自動的にサーチしながら約1.5秒間4K動画で撮影し、それを再生することで好みのフォーカス位置が後から選べるわけだ。後からボケ効果を好みで楽しみたいときなどに便利な機能といえる。

 

そのほか、4Kフォトで撮影した複数の映像を合成してイルミや花火などをより華やかに見せる「比較明合成」や、カメラを固定したままで画面内を横方向にパンニングしたり、ズームを行ったりする「4Kライブクロップ」機能も備えている。

 

このカメラが何よりも素晴らしいのは、コンパクトな本体を実現しながらローパスフィルターレスや抜群の効果を示す手振れ補正の搭載し、そして4Kフォト機能をさらに充実させていることだ。これらは機能として上位機GX8と比較しても遜色なく、より身近な価格を実現している。

 

特に今回持参した「LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6」との組み合わせは本機の特徴を引き出すのに最適だ。残念ながらこのレンズのキットモデルは用意されていないので、ボディだけを購入して組み合わせるか、あるいはレンズキットの追加レンズとして購入してもいい。LUMIX GX7 Mark IIとこのレンズの組み合わせは、旅の思い出を残す“ストリートフォト一眼”としてその能力をフルに発揮してくれることだろう。

 

【作例紹介】

↑「モンテの砦」跡にある砲台。まるでカジノホテル「グランド・リスボア」を今にも攻撃するかのよう。LUMIX G VARIO 12-60mmは5倍ズーム機能付き。多彩な画角が選べるのが魅力(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO200、1/640秒、F9、-0.3補正)
↑「モンテの砦」跡にある砲台。まるでカジノホテル「グランド・リスボア」を今にも攻撃するかのよう。LUMIX G VARIO 12-60mmは5倍ズーム機能付き。多彩な画角が選べるのが魅力(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO200、1/640秒、F9、-0.3補正)

 

↑魚介類などの生鮮食品を扱う公設市場「紅街市」。 周辺には昔ながらの街が広がり、ローカルフードも食べられる。市場に並べられた魚の光沢がりあるに映し出された(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO200、1/160秒、F4.5、+0.3補正)
↑魚介類などの生鮮食品を扱う公設市場「紅街市」。 周辺には昔ながらの街が広がり、ローカルフードも食べられる。市場に並べられた魚の光沢がりあるに映し出された(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO200、1/160秒、F4.5、+0.3補正)

 

↑セナド広場と道路を挟んだ反対側にある民政總署の壁面には、ポルトガル製陶磁器で作られたタイルが使われている。陽が当たった部分と陰となった部分の明暗差も鮮明に映し出した(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO200、1/200秒、F6.3、補正なし)
↑セナド広場と道路を挟んだ反対側にある民政總署の壁面には、ポルトガル製陶磁器で作られたタイルが使われている。陽が当たった部分と陰となった部分の明暗差も鮮明に映し出した(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO200、1/200秒、F6.3、補正なし)

 

↑ポルトガル統治時代に建てられた民家。精細感を最も感じられたのがこのカット。屋根の瓦の一枚一枚が鮮明で、窓枠の飾り付けから植栽の色合いも含め申し分のない描写力だ。(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO200、1/125秒、F5.6、-0.3補正)
↑ポルトガル統治時代に建てられた民家。精細感を最も感じられたのがこのカット。屋根の瓦の一枚一枚が鮮明で、窓枠の飾り付けから植栽の色合いも含め申し分のない描写力だ。(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO200、1/125秒、F5.6、-0.3補正)

 

↑風味豊かな広東料理が味わえるJWマリオット マカオ内「萬豪(Man Ho)」で頂いた「シンガポール風マカオソール(平目」の黒胡椒ソテー」。濃厚な味わいの中にもさっぱりとした食感が心地よい(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO1600、1/125秒、F5.6、補正なし)
↑風味豊かな広東料理が味わえるJWマリオット マカオ内「萬豪(Man Ho)」で頂いた「シンガポール風マカオソール(平目」の黒胡椒ソテー」。濃厚な味わいの中にもさっぱりとした食感が心地よい(LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6使用、ISO1600、1/125秒、F5.6、補正なし)

 

【取材協力:マカオ観光局】

 

【URL】

マカオ観光局 http://jp.macaotourism.gov.mo/