パナソニックは9月12日、ゲーミングネックスピーカーの新モデル「SC-GNW10」を発表。11月17日から発売します。市場想定価格は3万7000円前後(税込)です。
パナソニックは2021年10月に、ゲーミングネックスピーカー「SC-GN01」を発売しており、販売実績が2021年で計画比2倍、2022年は計画比3倍のヒット商品になっているとのこと。
今回登場したSC-GNW10は、その従来製品をグレードアップさせたモデル。スピーカーユニットの大型化や、従来の有線からワイヤレスに変更など、さまざまな点で進化を遂げています。
スピーカーユニットは従来34mm径を採用していましたが、新モデルに合わせて38mm口径のユニットを新たに開発しました。これにより、従来製品と比べて約2倍の音圧を実現したうえ、低音も強化されています。スピーカーは4基搭載で、首手前に2基、首の後ろに2基配置。さらに、音響分析と高性能DSPによる独自の4chサラウンド技術「TRUE M.A.G.E.S.S.」によって、立体的で奥行きのあるサラウンドを実現しています。
ゲーミングネックスピーカーの機能として、従来製品でも採用されていた臨場感と迫力を楽しめる「RPGモード」、正確な音の定位から足音などを聴き取りやすい「FPSモード」、シナリオに没頭しやすい「Voice」モードを引き続き搭載。さらに、新製品に合わせてリリースするオリジナルのPCアプリ「SOUNDSLAYER Engine」には、ユーザーで独自に音の設定ができる「ゲームモード」も用意されています。
接続は、製品同梱の送信機にUSB Type-Cが搭載されており、PCやゲーム機をUSBで繋ぐ方式。送信機からスピーカーは、2.4GHz帯のワイヤレス接続です。データ通信用の低遅延無線技術を採用しているため、4chのサラウンドに加えて、マイクの2chも低遅延で送受信が可能といいます。
なお、今回は4chのサラウンド伝送を優先させるという理由で、テレビなどと接続しやすいHDMIは非搭載となっています。あくまでPCやゲーム機で楽しんでもらうことを狙っているそうです。一方で、さらにゲーム音の低域を効かせたいニーズに応えるため、送信機に音声出力を装備し、サブウーファーなどとの接続も可能とうたっています。
低遅延以外でも「ストレスフリー」を製品のポイントのひとつとして位置付けており、操作性を快適にさせるため、操作ボタン類を本体右側に集約したり、装着性向上のために鎖骨と僧帽筋に当たりにくい形状を採用したりしています。
また、ボイスチャットでのやり取りも想定し、マイクを首に対して左右両側に配置したほか、AIボイスプロセッサーとエコーキャンセリング技術により、本体のスピーカーから出力される音がチャット相手にほぼ聞こえないようにしたそうです。
立体音響に近い聴こえ方で、臨場感たっぷり
限られた時間でSC-GNW10を体験してみたところ、立体音響に近い音の出方が印象的でした。首の後ろに位置する2基のスピーカーは、その位置のとおり、背後から音が聴こえるため、首手前のスピーカーと相まって前後にゲーム音が駆け巡ります。たとえばオープンワールドのゲームだと、360度に近い形で音が聴こえるので、臨場感はたっぷり味わえるでしょう。
また、SC-GNW10を身に着けた人が隣にいる際は、それほど大きな音に感じないのですが、音量をそのままに自分が身に着けてみると、ヘッドホンを大音量にしたかのような音の大きさ。スピーカーユニット変更による、音圧の高さを実感できます。シナリオ重視のゲームで映像はもちろん、音でも迫力を感じたい人にも向いています。
それでいて、ヘッドホンのように耳を塞ぐわけではないので、横にいる人と会話できる利便性もあります。たとえば自室にこもってゲームをしていても、部屋のドアをノックする音などを聞き取ることもできそうです。
長時間のゲームプレイでヘッドホンを装着すると、どうしても蒸れたり耳が痛くなったりします。ゲーミングネックスピーカーはそうした装着の難点から解放されるのが第一のメリットと言えるでしょう。一方で、ヘッドホンのように大音量で迫力を楽しめるかが気になるところですが、SC-GNW10であればそのあたりも満足できそうです。
なお、パナソニックは新モデルのSC-GNW10と従来製品のSC-GN01を併売するとしています。