オリンピックイヤーということもあり、ニコン、キヤノンからフラッグシップモデルが登場した2016年。秋にはドイツ・ケルンにて世界最大の写真・映像用品展示会「フォトキナ2016」も開催され、多くの新製品が登場した。そんな注目機種が目白押しだった本年のカメラ業界の動向を、ランキング形式で振り返ってみたい。解説は、弊社発行のカメラ誌『デジキャパ!』の編集も担当する河野がお送りする。
【一眼レフカメラ部門】
プロスペックでミスなく撮れるニコン D500が2016年のベストチョイス!?
1位 ニコン D500
2位 ソニー α6500
3位 オリンパス OM-D E-M1 MarkII
4位 キヤノン EOS 5D MarkIV
5位 パナソニック LUMIX DMC-GX7MK2
■総評
子どもやスポーツなど、動く被写体を失敗なく撮るには連写やAFといったスペックが重要だ。しかも高画質に撮ろうとしたら、それなりに大きなセンサーも必要。しかし、これらを極めてしまうと、大きく重く、高価なカメラになるため、撮影性能とセンサー、価格のバランスが難しい。2016年は、そうしたハイスペックでバランスのいいモデルが身近になった年といえる。
その筆頭が、ニコン D500だ。センサーをやや小さめのAPS-Cサイズとしてボディを小型化しつつ、連写や動画といった撮影性能はプロ機のD5並み。価格も20万円台と気合を入れれば、どうにか購入できる価格だ。2~4位についても連写性能が高い機種を選んだ。EOS 5D MarkIVは、約7コマ/秒と連写のみを見ればほかの4機種に劣るが、3000万画素クラスのフルサイズ一眼レフとしては立派。
【コンパクトデジタルカメラ・アクションカメラ部門】
カメラ業界にもVRの波が! 高級コンデジも粒ぞろい
1位 ニコン KeyMission360
2位 カシオ EX-FR200
3位 パナソニック LUMIX DMC-TX1
4位 キヤノン PowerShot G7 X MarkII
5位 カシオ EX-FR110H
■総評
コンパクトデジカメでは、VRゴーグルの普及と合わせてVR動画撮影対応の機種が増えてきた。ニコン KeyMission360をはじめ360度撮影が可能な機種も登場し、2017年にかけてもこうした製品が増えてくると思われる。
そうしたトレンドを踏まえ、VR系のKeyMission360とEX-FR200を1位と2位に推したい。前者は360度、後者は185度の撮影ができ、今後のVR機器の発展にともなってさらなる可能性を見せてくれそうだ。3位、4位は1型センサーを採用したいわゆる「高級コンパクト」系。5位のEX-FR110Hは、この高画素化時代にあえて画素数を190万画素に抑えたユニークさが魅力的だ。