自宅から歩いて15分くらいの場所に、とても広くてキレイな公園ができた。芝生になっている面積が多いので、ビション姉妹(上6歳、下3歳)をバギーに乗せていき、お散歩をかねてのプチピクニックをすることが多くなった。
定番のお昼寝
アスファルトの上を歩くよりも、芝生のほうが断然楽しいみたいだ。普段のお散歩よりもダッシュの回数が多くなり、ゆえに疲れる。家に帰ってきて足を洗い、ごはんを食べると、倒れ込むように寝る。
そして、公園で走ってきた日には寝ている間にさまざまなことが起きる。まず、いつもより手足をパタパタさせることが多い。きっと夢の中でも走ってるんだろうな。そして、寝言がすごい。何か主張してるんだろうな。顔をそっと見ると、閉じたまぶたの下で眼球が活発に動いているのがわかる。これ、レム睡眠ってやつだろう。
レム&ノンレム睡眠
ごく簡単に言葉の定義をしておきたい。レム睡眠というのは、外部からの感覚が遮断され、脳が浅い眠りに入った状態だ。脳内に蓄積された記憶が整理されるこの過程で、脳は起きているが、身体は眠っている。
人が夢を見るのは、このレム睡眠中であるという説が長年支持されてきたが、最近の研究では、ノンレム睡眠にあっても夢を見るというのが定説になりつつあるようだ。
ノンレム睡眠は、脳そのものを休ませる。脳が文字通りスリープ状態にあるので、夢は見ないという考え方がコンセンサスになっていた傾向があった。しかし、ウィスコンシン大学マディソン校の研究チームの検証によって、人間はレム催眠であれノンレム催眠であれ夢を見るという事実が明らかにされた。
パフォーマンスの向上に瞑想
言うまでもなく、睡眠は心と体を休めるための過程だ。ならば、夢はおまけ程度のものなのだろうか。決してそうではない。夢からヒントを得て発明をしたとか、歴史に残る曲が生まれたとかいう話も決して少なくない。寝て夢を見るというのは、心身のリフレッシュと共にクリエイティビティを養うのにも役立つ過程と言っていいだろう。
都心のオフィス街にもお昼寝カフェがたくさんあるし、最近では公立高校でもお昼寝タイムを導入している学校が多いと聞く。日本代表級のトップアスリートも、1日のスケジュールにお昼寝タイムを設けている。お昼寝は、パフォーマンスの向上につながるのだ。
でも、仕事場や教室でがっつり寝るとなると、ちょっと気が引ける。そこで、お昼寝とまったく同じ効果が得られるものの実践を提案したい。
瞑想だ。
睡眠と瞑想
瞑想というと、人里離れた静かな環境で身を清めた後に行うものといったイメージが強い。少なくとも、筆者はそうだ。型も決まっていると思いがちだけど、実際はそうでもないらしい。
『はじめての瞑想ブック』(椎名慶子・監修/学研プラス・刊)は、筆者のような瞑想初心者のために書かれた一冊だ。まえがきに、こんな文章がある。
さてみなさんは瞑想をすることで、どんなことが起こったらうれしいですか? 私のクラスに瞑想を体験しにいらっしゃる方に伺ってみると…心が休まったらいい、考え過ぎの頭を休めたい、もやもやする気持ちをどうにかしたい、疲れを癒したい、ブレない自分になりたい、クリエイティブなアイディアやひらめきがほしい…といった理由でいらっしゃる方が多いです。
『はじめての瞑想ブック』より引用
ちょっとやってみたくなりませんか?
最初は、こんな感じで
この本は作りがとてもシンプルで、重要な文章はハイライトされている。使い勝手がとてもいい。「瞑想って何をするの?」という項目でハイライトされている文章を箇条書きにすると、以下のようになる。
・瞑想とは、「集中してスッキリする」というサイクルを意図的に作っていくものです。
・いちばん純粋でいい状態の自分に戻る作業なのです。
・瞑想をすると「一番いい気分の自分」がどんな状態かわかるようになるので、なるべく長い時間、いい気分で過ごすことができるようになるし、気持ちを切り替えるのも早くなります。
『はじめての瞑想ブック』より引用
次は実践編。
第2章の「瞑想、やってみましょう」からポイントを挙げておく。
瞑想は気楽にリラックスして行うものなので、あぐらでも椅子に座っても、片ひざを立てて座っても、ベッドの上に座って行ってもいい。ただし、呼吸に集中すること。吸い込む空気と、吐き出す空気の流れと強さを感じる。瞑想中は、何を考えてもいい。思い浮かべることこそが、その時点での自分の心の状態だからだ。好きなことや人、そしてモノを具体的に思い浮かべるのも効果的。
どうですか? “いちばん純粋でいい状態の自分”って、気になりませんか?
内容に従って瞑想してみた。
ものすごく眠くなった。
寝落ちしそうになるのを我慢して15分後に目を開いたら、昼寝して起きた後の感覚があった。何か、脳内にいいものが流れているのがわかる。少し離れたところに、わんこが横たわっている。
うちのわんこは、よく寝る。でも、そう見えるだけで、本当は瞑想してるのかもしれない。自然の摂理的なものとして、DNAの中にわんこなりの瞑想のメソッドとメリットが刷り込まれていて、ごく当たり前に毎日実行してるだけ。そんな気がしてきた。
(文:宇佐和通)
【文献紹介】
はじめての瞑想ブック 心が整い、日々生まれ変わる
監修:椎名慶子
出版社:学研プラス
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