オタクの街といえば真っ先に思い浮かぶのが秋葉原だ。
しかし、秋葉原はどちらかといえば男性オタクの街である。では、女性オタクの街といえばどこだろう?
答えは“池袋”なのだ。
池袋は女性オタクの聖地だ!
池袋といえば東京でも有数の繁華街で、埼玉県民である私にとっては買い物にでかける定番の街である。そんな池袋を歩いてみると、アニメキャラクターの缶バッジをたくさんつけたバッグを持つ女性が目に付く。特に、サンシャイン60通りを歩いていて目に付かないことはないだろう。
こうしたバッグを“痛バッグ”と言うそうだ。その名の通り、見た目が“痛い”からなのだが、女性オタクはバッジを大量に、しかも美しく飾ることによって、キャラへの愛情を表現しているのだ。ちなみに、発展形で“痛リュック”もある。
この痛バッグの製作に使える、専用のトートバッグまでもが販売されている。バッジが汚れないよう、表面がビニールで覆われているものもある。女性オタクのファッションとしてすっかり定着しているのだ。
アニメショップが盛りだくさん
池袋にオタクが集う理由は、アニメショップの専門店が軒を連ねているためだ。
代表的なものだけでも、「アニメイト」「らしんばん」「まんだらけ」「K-BOOKS」「とらのあな」などなど、いずれも国内各地に店舗を持つお店ばかりだ。そして、池袋の場合は、女性向けの商品に特化した品揃えのお店が多い。国内最大のアニメショップである「アニメイト」は、池袋に最大規模の「池袋本店」を構えている。平日、休日を問わず、お客さんでいっぱいだ。
秋葉原といえばメイドカフェだが、池袋には女性向けの執事カフェなる喫茶店がある。ほかにも、コスプレ衣装の専門店が秋葉原よりも豊富だったりと、池袋ならではのオタクショップがたくさんあるのだ。
池袋なら1日楽しめる
「サンシャイン60」の足元には特にアニメショップが集まっていることから、“乙女ロード”と呼ばれている。
乙女ロードとその界隈にはコスプレ衣装のお店や、さらにはコスプレ撮影のためのスタジオまである。衣装を買って、撮影して、そしてグッズを買って、ゲームセンターでクレーンゲームに熱中して、執事喫茶に行って・・・と、1日中楽しむことができることも魅力といえるだろう。
そのうえ、池袋はオシャレスポットもたくさんあるので、オタク趣味のない友達と訪れるにも最適な街といえる。そんな池袋をはじめ、都内各地の女性オタク垂涎のスポットを余すことなく紹介している一冊が『東京おとめぐり』(おとめぐり編集部・編/学研プラス・刊)だ。
ハロウィンにはコスプレイベントも
もうすぐ10月だ。10月末のイベントといえばハロウィンだが、池袋ではこの時期にあわせてコスプレイベントがいくつか行われる。
その熱気は東京でも有数のものだ。同じ時期は渋谷も賑わうが、池袋はコスプレのクオリティの高さで群を抜いていると言っていいだろう。公園がまるでコミックマーケットのコスプレ広場のようになるので、その光景を見るためだけに旅行する価値は十分にある。
池袋を単なる何でも揃う繁華街と思っているだけではもったいない。ぜひ、未知なるディープな世界に触れてみてはいかがだろう。
(文:元城健)
【文献紹介】
東京おとめぐり
編者:おとめぐり編集部
出版社:学研プラス
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