ナマケモノという生き物をご存じの方も多いのではないだろうか。
1日に20時間以上寝て、そのほとんどを木の上で過ごすナマケモノ。あまり動かないため、身体に藻類が生えることもあるという。
いいなぁ。そんな暮らしをしてみたいものだ。
ナマケモノが生き残ってきた理由とは?
ナマケモノは、ほとんど動かない。それなのに生き残ってきたのはなぜだろうか?
一番の理由は、「動かないので動物と認識されない」ということらしい。
また、食事、排泄、交尾、出産など一生のほとんどを木の上で過ごすため、天敵が少ないというのも理由のひとつとされている。
1日に食べる食事は約8g。16世紀頃は、ナマケモノが食事をしているところが目撃されなかったため、「風から栄養を摂取する」と思われていたという。
なんとも優雅な動物だ。うらやましい。
ナマケモノの飼育環境
このナマケモノだが、実はペットとして飼育することができるらしい。
エキゾチックアニマルを扱うペットショップで取り扱いがあり、その価格は約70万〜100万円くらい。日本ではフタユビナマケモノがペットとして飼われているそうだ。
しかし、僕はナマケモノを飼っている人を見たことがない。いったい、どうやって飼ったらいいのだろうか。
『たのしいクジラのかいかた』(田川秀樹・絵、齊藤勝・監修/学研プラス・刊)に、ナマケモノの飼い方が記載されている。
それによると以下のような環境が必要なようだ。
ほとんど 木の 上だけで くらすので、のぼり木を よういしよう。
いどうできるように、てんじょうに かなあみをつけたり、ロープをはったり してあげよう。
えさは フックを つけて、上から つるす。 水は いらないよ。
おんどは 20度から 30度くらいに すること。さむさに 弱い。
『たのしいクジラのかいかた』より抜粋
部屋にのぼり木を用意して、天井にロープを張り、エアコンを常時稼働させていれば、ナマケモノは飼えるようだ。
また、ジメジメしたところが好きなので、部屋の湿度は高めに。加湿器は必須だろう。
なおトイレは木の上から行うため、木の下に箱を置いておけば大丈夫だ。
エサは野菜やくだもの。でもネギはNG。
肝心のエサだが、新鮮な野菜やくだものを1日に10gくらいあげておけばOK。ただし、あげてはいけないものがある。
それはネギだ。
犬もネギはNGだが、ナマケモノもネギアレルギーのようなものを持っているのかもしれない。気をつけよう。
もうひとつ。キュウリやレタスといった水分の多い野菜のあげすぎには注意。下痢をしてしまうかもしれないからだ。
ナマケモノを飼う場合は後継者を決めておこう
以上のことを考えると、家の1部屋を完全にナマケモノ専用にすれば飼えるかもしれない。お金はかかりそうだが、割と現実的な話だ。
体重は5kgほどと意外と軽い。人に慣れやすいので抱っこをすることも可能。うーん、ナマケモノを抱っこしてみたい。かわいいと思う。
なお、ナマケモノの寿命は30〜40年と意外と長生きだ。
今、僕は45歳。これからナマケモノを飼うとしたら、僕のほうが先に天に召される可能性が高い。
ナマケモノを飼う場合は、後継者問題も解決しておいたほうがよさそうだ。
(文:三浦一紀)
【文献紹介】
たのしいクジラのかいかた
著者:田川秀樹(絵)・齊藤勝(監修)
出版社:学研プラス
学校にいろんな動物がやってきた。プールでクジラと泳いだり、美術室でナマケモノの絵をかいたり、保健室でイルカにいやされたりと、動物たちとの学校生活のおくりかたを、各地の動物園、水族館の監修のものまじめに解説しています。こんな学校通ってみたい!
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