毎日使う「歯ブラシ」。最近では、手動だけでなく電動歯ブラシ、ヘッドが小さいものから大きいものまで、磨くニーズに応えてどんどん進化していますよね。2016年の調査によると80歳の平均現在歯数は約17本と年々増加傾向にあるとのこと。約20年前、私が小学生の頃に『8020運動』がザワつきはじめ、「80歳で20本も歯が残っているわけないじゃん(笑)」とクラスで騒いでいた記憶がありますが、今の時代、80歳で20本以上の歯も夢じゃなくなっているっ!
ということで、いつまでも美味しくご飯を食べるために欠かせない「歯ブラシ」について考えていこうと思います。
日本の家庭で歯ブラシが浸透したのは1940年代後半
『歯ブラシづくりのひみつ』(たまだまさお・著/学研プラス・刊)によると、日本における歯ブラシの国内出荷額はおよそ400億円で、市場に出回っている50%以上が大阪府で生産されているそうです。今ではどの家庭でもみなさんが当たり前に使い、欠かすことにできない日用品になりましたが、日本で今のように歯磨きがされるようになったのは70年前ほどからで、明治時代には靴みがき用のブラシに似た、動物の毛を植えたブラシで歯磨きをしていたそうです。じゃあその前はみんなどうしてたの!?
今から400年以上前の江戸時代になると、柳や竹の小枝の一方のはしをブラシ(房)のようにした「房楊枝(ふさようじ)」が一般に広まりました。まず、ブラシ状になった部分で歯の表面を磨いたあと、反対のとがった部分で歯と歯の間を磨きました。
(『歯ブラシづくりのひみつ』より引用)
なんかあんまりスッキリしなさそう・・・(笑)。
さらに前の時代では「歯木(しぼく)」というつまようじの起源と言われているものを使っており、「磨く」というよりも「詰まりを取る」みたいなものかもしれませんね。ちなみに現在でもインドやアフリカなどでは、歯木で歯磨きしているそうです! 歯ブラシ会社のみなさま、まだまだ市場開拓は見込めそうですね!!
歯ブラシの「かたさ」は毛の太さで決まる
歯ブラシは決まったものを使っているよ! という方も多いかもしれませんが、選ぶ基準は人それぞれ。私は大きめのかためブラシでゴシゴシとするのが「磨いた〜♪」という気持ちがして好きなのですが、「やわらかめ」「ふつう」「かため」は、どういう基準で決められているかってご存知ですか?
歯ブラシのヘッド部分の穴の大きさは「かため」も「やわらかめ」も同じ。毛のかたさは、穴に植える毛の太さを変えて調節しています。
小さな力でも曲がりやすい細い毛を植えるとやわらかめに、曲がりにくい太い毛を植えると「かため」になります。(『歯ブラシづくりのひみつ』より引用)
ちなみに、歯や歯ぐきが健康な人は、歯垢や食べかすをはじき出す毛の反発力が適度にある「ふつう」がおすすめとのこと。歯ぐきが弱っているときや、歯肉炎などで出血しやすいときには、「やわらかめ」で丁寧に磨くのが良いそうです。
まずは試してみて、自分のコンディションと相談しながらしっくりくる歯ブラシを見つけたいですね。
そろそろ替え時? 新年は新しい歯ブラシで迎えよう!
みなさんは、どれくらいの頻度で歯ブラシを交換しているのでしょうか? 正直私は、2〜3か月に1回のペース。1年で5回変えるかなーくらいです。そんな歯ブラシですが、1年のうちで一番売れるのが、この12月なんだそうです。私の実家もそうでしたが、新しい歯ブラシとともに新年を迎えるお家が多いのでしょうか?
ちなみに歯ブラシの平均寿命は1か月と言われており、使い続けていくと毛先が広がって磨きにくくなるそうなので、来年からは、毎月○○日に変える! などルールを決めておくようにしてみるのはいかがでしょう。80歳まで20本の歯を保つためにも、正しい磨き方で、自分に合う歯ブラシで、歯磨き習慣を身につけていきましょう!
【著書紹介】
歯ブラシづくりのひみつ
著者:たまだまさお(著)、オフィス・イディオム(構成)
出版社:学研プラス
みんなが毎日使っている歯ブラシにはいろんな工夫がされているよ。1本の歯ブラシには、たくさんの人の想いがつまっているんだ。歯ブラシにはどんな種類があるのかな?どうやって作られているのかな?これを読めば、歯ブラシづくりのひみつがよくわかるよ。
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