既婚女性が数人集まりペチャクチャしゃべりだすと、かなりの頻度で話題に挙がるのはお互いの「ダンナのグチ」だ。
「私の話を全く聞いていない」
「いくら言っても靴下を丸めて脱いで放っておく」
一緒に暮らしていてお互い様な部分もあるのは彼女たちも重々承知。でも、妻たちがこの手の話題を話し出すと止まらないのはなぜだろう。
そんな疑問にスッと答えを差し出す一冊を見つけた。その名も『ダメダンナ図鑑』(井上ミノル・著/創元社・刊)。この本によると世間のダンナは程度の差こそあれ、ひとり残らず「ダメダンナ」なのだという。本著では、まるで昆虫や花の図鑑のように色々なダメダンナの生態が面白おかしく、微笑ましいイラストと共に書かれている。
ダメダンナとは一体どんな生き物なんだろうか。
ダメダンナの基本的生態
本著によると、様々な種類のダメダンナがこの世に生息しているが、基本的に共通している特徴があるという。
・コミュニケーション力が低い
・打たれ弱い
・目は節穴
・食事中、割り算ができない
・胃腸は弱め
・隙あらば寝転がっている
…などなど。中でも「食事中、割り算ができない」の解説文が、自分の幼少期に母親と父親(ダメダンナ)が小競り合いをしていた理由そのもので思わず吹き出してしまった。
▪️食事中、割り算ができない
4人家族でコロッケ8個。なのにシレッと3つめに箸をのばしたりします。
(『ダメダンナ図鑑』から引用)
ダメダンナの観察の仕方
ダメダンナは家の中で、こんなところによくいるらしい。
・午前3時のリビング
・テレビ前
・トイレの中
寝室で寝ればいいのにリビングで爆睡していたり、テレビ視聴中に話しかけても全くこちらの呼びかけに応答しない、マンガやゲームをしながらトイレにひきこもる…というのはダメダンナお得意の行動のようだ。こうした普段ならイラっとする行動も「観察している」と思えば「また、やってる~♪」と、まるでハムスターを愛でるような穏やかな気持ちが少しぐらい湧くのでは…?
…いや、湧かないか。
そして、こうした場所にダメダンナがいなかった場合、簡単にできる捕獲の仕方も書いてあったのでご紹介したい。
ダンナはマンガやスナック菓子、炭酸飲料が大好き!
罠を作れば簡単に捕獲できるよ!
※個体によっては好き嫌いもあります。これで捕まらない場合は、他のもので実験してみましょう。(『ダメダンナ図鑑』から引用)
ダメダンナの様々な種類
本著ではダメダンナの種類を大きく3つに分け、その中でさらに細かなタイプがたくさん記されている。その中からほんの一部のダンナを紹介していく。まずは「役立たずダメダンナ類」の中の、いっぱいいっぱいになるダンナ。
子どもが腹痛で救急車を呼んだ時、救急隊員に「何歳ですか?」と聞かれて「33歳です!」。
オマエじゃねーよ!(『ダメダンナ図鑑』から引用)
この他にも同時に2つのことが出来ない。スケジュールを3つ以上伝えると脳がショートする。など複数のことを気にしたり、同時進行することがこのタイプは苦手なようだ。
次は「面倒臭いダンナ類」の中から、理屈っぽすぎるダンナの生態をご紹介。
・インディアンごっこをしている娘(3歳)に「ネイティブアメリカンと言うべき」と諭していた。
・「チョコレートは昔は薬だった」と主張する。体に良いからいくらでも食べてよいと思いたいらしい。(『ダメダンナ図鑑』から引用)
このタイプは絶対に自分の非を認めない、屁理屈をこね回すなどの特徴を持つ。妻側からしたら「いや、そこじゃなくて」とツッコミたくなるが、そうしたところで何の解決にもならず…。こうした論点のかみ合わない話し合いに、妻側の怒りゲージがどんどん上がっていることに気づかないツワモノのダメダンナも多いよう。
この他「迷惑なダンナ類」の中には夢見がちなダンナ、俺様すぎるダンナ、マザコンダンナなどあらゆるタイプが盛りだくさん。身近なダンナにイラっとした時は、この図鑑を開けば「自分だけじゃない!」と勇気付けられ、溜飲が下がるはず。
(文:フムフム編集部)
【文献紹介】
ダメダンナ図鑑
著者:井上ミノル
出版社:創元社
なんで私のダンナはこんなにダメなんだろう、どうして? そんな悩みを抱えるあなたに朗報です。世間のダンナは、程度の差こそあれ、ひとり残らず「ダメダンナ」だったのです!! 前著『もしも紫式部が大企業のOLだったなら』で平安小倉の世界を現代に見立てた井上ミノルが、今度は身近な観察から採集・整理して作り上げた、未来ある女性へ捧げるストレス大解消の書。なんだみんなそうなんだ、とあきらめのつくお笑い図鑑です。