メンタルが弱い人は、自分の弱さにうんざりするあまり、成長をあきらめがちです。あなたの味方は、あなただけです。自分のことを嫌いにならないでください。メンタルを鍛えて自信を取り戻しましょう!
『嫌いな自分は、捨てなくていい。』(中谷彰宏・著/学研プラス・刊)という本があります。メンタルを強くするために役立つ67本のコラムを収録しています。
未来を信用する
メンタルの弱い人は、過去を信用しています。
メンタルの強い人は、未来を信用しています。(『嫌いな自分は、捨てなくていい。』から引用)
自分の可能性を見定めるときには、過去を気にしてはいけません。うしろ向きの考えかたでは成功しないからです。
他人に信用してもらうためには「実績」が必要です。しかし、自分で自分のことを信じるのならば「実績」は必要ありません。担保は不要です。うまくいく未来だけを信じて、ひたすら前向きにチェレンジしたほうが成功しやすいです。
「できない」の中にヒントがある
できない中にも、「できる部分」と「本当にできない部分」とがあります。
(中略)
できる部分を掘り起こすことで、できる部分が広がっていきます。メンタルの弱い人は、全部を束にして「できない」と言っているだけなのです。(『嫌いな自分は、捨てなくていい。』から引用)
人生がうまくいかない人に共通するのは、すぐにやめてしまうことです。たったひとつ「できない」ことがあると、すべて「できない」と決めつけます。学習や仕事に行き詰まったときは、あきらめずに「できない」を分析してみましょう。
たとえば、「数学が苦手」だと自称する人は多いです。三角関数や微分積分テストの正答率が低くても、カンタンな四則演算や方程式なら解けるはずです。つまり、論理思考や計算能力はあるわけですから、いつか理解できるかもしれません。数学全体が得意ではないと思い込むのは、もったいないです。
メンタルにも同じことが言えます。「メンタルが弱い」と決めつけずに、「弱いのはメンタル全体の一部分だけ。弱いところは補強すればいい」と正しく認識しましょう。
長距離ランナーのメンタルに学ぶ
マラソンをする人のメンタルの強さは、完走できることではありません。抜かれても平気なことです。
(中略)
メンタルの弱い人は、物事をショートスパンでしか考えられません。抜かれたら必死で抜き返して、自分のペースが乱れます。(『嫌いな自分は、捨てなくていい。』から引用)
メンタルが強い人は、物事に動じないための「裏付け」を備えています。
マラソン選手ならば、自分のペースを熟知しており、しかも計画どおりに走るので、逆算することによってゴール時刻もだいたいわかっています。未来を知っているので、他人に追い抜かれることは何らプレッシャーになりません。考えているのは、計画どおりに一定のペースを守って走ることだけです。
個人競技のアスリートは、自分のベストタイムを乗り越えることを目標としています。メンタルを強くしたければ、自分と戦うことに慣れましょう。
負荷をかければ工夫がうまれる
たとえば、ジムで、7回しか挙げられなかったバーベルを、頑張って10回挙げます。20キロ挙げられる人が、25キロに挑戦します。これが負荷です。
(中略)
負荷をかけた分だけ、工夫が生まれます。それが結果につながります。(『嫌いな自分は、捨てなくていい。』から引用)
カラダを鍛える方法としては、大きく分けて「トレーニング」と「スポーツ」があります。どちらも、肉体に「負荷」をかけるものです。ジョギングによるトレーニングは、走るだけです。脚力や持久力はアップしますが、それだけにすぎません。
スポーツは、筋力や持久力のアップだけでなく、効率の良いカラダの動かしかたを学ぶことができます。それこそが、負荷をかけることによって得られる「工夫」です。球技におけるチームワークを習得することも、スポーツという負荷によって得られる「工夫」のひとつです。筋肉増大やトーナメント成績は、ただの「結果」にすぎません。
なにかを学び始めたとしても、すぐに結果は出ません。しかし、かならず「工夫」を体得しているはずです。それこそが、あなたのメンタルを補強するものです。お試しください。
【著書紹介】
嫌いな自分は、捨てなくていい。
著者:中谷彰宏
出版社:学研プラス
仕事でも恋愛でも、メンタルが強い人がうまくいく。メンタルを強くする方法。【この本は、3人のために書きました。】(1)メールに書かれたことで、くよくよしてしまう人。(2)嫌われるより、ガマンしてしまう人。(3)軸が定まらないで、ぶれやすい人。