東日本大震災から7年が経過した。あのときの怖さは、忘れることはない。
マンションの10階から、小さなハムスターをゲージに入れて、階段で1階まで降りている途中に、何度も余震が来た。そのとき、同じマンションにいるかなり高齢のおじいちゃんが、普通にゴミ袋を持って階段を降りていくのにも驚いた。
我が家の食料備蓄は乏しい
震災直後は、近所のスーパーやコンビニでは、ほとんど物が置いていなかった。幸い我が家は、水が止まったりすることはなかったため、なんとか生活をすることはできた。
食べ物もあることはあったが、すぐに底を尽きてしまった。買い物に行くものの、ほとんど何も買うことができない。米だけはあったのでなんとかなったが、このときはさすがに「備蓄」という言葉が頭をよぎった。
その後、なんとなく缶詰やレトルト食品、ペットボトルの水などを家に常備するようにはしているが、本格的な備蓄をしているとは言いがたい。
食料備蓄に適しているフリーズドライ食品
そんなことを考えているとき、『フリーズドライのひみつ』(山口育孝・イラスト/学研プラス・刊)という本に、災害に備えた食料備蓄について記載があった。
本書は、お湯をかけるだけで食べられる「フリーズドライ」の食品の秘密に迫るマンガ。手軽に本格的な料理が食べられるため、宇宙食や非常食としてもフリーズドライ食品が使われているということが載っていた。
僕はあまりフリーズドライの食品を食べない。カップラーメンに入っているかやくなどはフリーズドライだが、それくらいだろうか。なので、あまりフリーズドライ食品になじみがなかった。しかし、非常食としてはとても素晴らしいものらしい。携帯性に優れ、保存期間が長い。その上、お湯や水をかけるだけで食べられる。日常の食事にもいいかもしれない。そして、フリーズドライ食品を備蓄するのにとてもよい方法があるのだ。
新しい食料備蓄の方法「ローリングストック法」とは?
食料備蓄の方法として紹介されているのが「ローリングストック法」だ。『フリーズドライのひみつ』に「食べながら災害に備える、ローリングストック法」というコラムがある。これは「食べながら備える」という新しい食料備蓄の考え方。基本的には以下のようなものだ。
フリーズドライ食品を朝昼晩の3日分(9食事分)、いつも家や会社に備えておいて、1ヶ月に1回「非常食を食べる日」を決め、食べた分を買いたすんだ。
(『フリーズドライのひみつ』より引用)
もちろん、食べるのは賞味期限が近いものから。フリーズドライ食品の賞味期限は、だいたい1年くらい。長いものなら3年以上というものもあるようだ。この方法なら、いつも賞味期限内の保存食を手元に置いておけるし、1ヶ月に1回、いざというときの備蓄や水などの災害グッズの点検もできる。なかなか理にかなっている。
いざというときのためにフリーズドライ食品を買っておこう
フリーズドライ食品は、みそ汁やスープ、雑炊といったものが思い浮かぶが、最近ではそれ以外にもビーフシチューやクリームパスタ、カレー、親子丼やカツ煮などもある。また、フリーズドライビーフというものもある。生の肉に3分の1の重さになり、水に戻すと肉になるという。北極を目指す冒険家が実際に食べていたそうだ。
これまで、あまり手にしなかったフリーズドライ食品だが、なんだか興味が沸いてきた。保存食として買っておこうと思う。ただ、買っておくとついつい食べてしまいそうなので、僕のローリングストック法は、ものすごいペースで食品の入れ替えが行われる可能性が高い。
【著書紹介】
フリーズドライのひみつ
著者:山口育孝(イラスト)、YHB編集企画(イラスト)
発行:学研プラス
食べ物を調理して加工する方法のうちの1つ、フリーズドライは、食べ物を凍らせて乾燥させる方法。食材の色や風味、栄養価の変化が少なく、長期保存もできるから災害のときの非常食にもなるんだって。この本を読めば、フリーズドライのことがよくわかるよ!
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