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2016/5/1 0:00

人の心を操るテクニック、あなただけに教えます。

今、一番会いたい人。それは、メンタリストDaiGoさんである。

彼のパフォーマンスは、何度見ても感服だ。ほんの些細な表情の変化や発言から相手の心を読み取る。そして、言葉巧みに相手を誘導し、まさに「思うままに」行動させる。あまりのことに、超能力?なんて思うこともあるくらいだけど、マジックやトリックではない、れっきとした心理学に基づいたパフォーマンス。

 

 

「行動や態度、言葉などから相手の心理を読み解き、思うままに誘導する技術」こそが、メンタリズムなのだ。

 

 

会話でのメンタリズムは、失敗だってある

 

だから、時には失敗もする。

 

先日、関ジャニ∞の番組にDaiGoさんがゲストで出演していたとき、3つのカラーボールの中から好きな色をひとつ選んで、その色を当てるというパフォーマンスを行っていた。挑戦するのは、村上くん。そしてなんと、村上くんが選んだ色をDaiGoさんは外してしまう。メンタリズムも失敗することがあるのだ。ただ、そのままでは終わらないのがDaiGoさん。続いて選んだ色、そして3つのボールの並び順まで、今度はすべて当ててしまった。最初こそ外したけれど、それで村上くんの性格を把握し、その上で「次はこう選ぶであろう」と心を読み取り、「この色の順番で選ばせる」ように誘導することに成功したのである。最初からすべて成功するよりも、遥かに大きな感動を得た。もちろん、会場も大盛り上がり。

 

もしかしたら、最初の失敗もDaiGoさんの企みだったのかもしれない。

 

 

文章で誘うメンタリズムなら、失敗なし?

 

相手を思うままに行動させることができるメンタリズム。さぞや特殊な能力かと思いきや、訓練と経験さえ詰めば、誰でも実現可能なのだとか。ただし、相手のペースに呑まれてしまったり、初対面の相手だとなおさら、かなりの技術が必要となる。先の例のように、失敗だって起こるだろう。

 

しかし、相手のペースに乱されることなく、メンタリズムの持つ力をいかんなく発揮できる方法があるという。
「文章」によるメンタリズムがそれだ。
もしも、相手の心を動かす文章が書けるようになったとしたら。
ビジネスでいえば、面白いほど物が売れる。企画書が通る。プレゼンがうまくいく。恋愛であれば、気になる相手とのデートにこぎつける。普段のコミュニケーションでも、頼みづらいことを相手に引き受けてもらうことが可能になる。
DaiGoさんは、著書『人を操る禁断の文章術』(かんき出版・刊)の中で、こう述べている。

 

メンタリズムを身に付ければ、「それまでゼロだった可能性が、少なくとも1%以上に広がっていきます」。そして、「文章術を身につけるかどうかは、あなたの一生を大きく左右するのです」とも。

 

 

「買ってください」と言わずして、商品を売るテクニック

 

文章の持つ力をビジネスに活かした例を、本書からひとつ紹介しよう。10数年ほど前、アメリカの大型量販店での出来事。ある売り場の担当者が、紙おむつ売り場に提示した「ある文章」のおかげで、紙おむつよりも高価なまったく別ジャンルの商品の売上を大幅にアップさせた。その商品とは何でしょう?

 

「今しか見れない姿、残しませんか?」これが、紙おむつ売り場に掲示された文章だ。従って、答えは「使い捨てカメラ」。紙おむつを買いに来たお客は、このコピーを目にした瞬間、わが子の可愛い姿を想像し、この姿を残さなきゃ!とカメラまで購入してしまう、という流れ。これこそ、文章の持つ力であり、言葉によるメンタリズムそのものなのだ。

 

 

人を動かす文章のルールはコレだ!

 

これまで誰も教えてくれなかった、相手を思うままに動かす文章を書くためのテクニック。本書の中でDaiGoさんは、隠すこと無く教えてくれている。ここでは、その大原則をこっそり教えよう。それは、

 

1.あれもこれもと書き過ぎないこと。
2.きれいな文章を書こうとしないこと。
3.自分が書きたいことを書かない。

(『人を操る禁断の文章術』より引用)

 

この3つ。つまり、長々と伝えたいことを書き連ねるのではなく、短い文章を心がけること。文章を書くとき、相手に与える情報量をあえて少なくすることで、読み手の想像力をかき立てて、結果、意のままに行動させることができる。

 

そして、美しい文章を書く技術はもちろん素晴らしいが、相手を揺り動かす文章とイコールではない。小綺麗でなくてもいい、読み手の感情を刺激するような言葉を使うこと。
最後に、誰をターゲットにしているかを明確にしたうえで、その相手が知りたいこと、読みたい内容、響く言葉をチョイスして文章を書くこと。自分の想いを乗せるよりも、相手のことを徹底的に調べて、刺さる言葉を紡ぎだすことこそ、相手を揺さぶる文章へと繋がる。

 

 

 ライバルに差をつけるには、メンタリズムを会得せよ!

 

この3つの原則をおさえるだけでも、これまでとはまったく違った、相手を動かす文章が書ける。『人を操る禁断の文章術』には、さらにポイントとなる7つのトリガー(引き金)、そして具体的な文章を書く際のテクニックが5つ、わかりやすく解説されている。

 

もしかしたら、あなたの会社のトップセールスマンは、すでにこの文章術をマスターしているかもしれない。やたらと異性にモテるライバルは、メールやLINEでメンタリズムを駆使しているのかも! 今からでも遅くない。人生の勝ち組になるために、DaiGo師匠に文章のメンタリズムを仰ごうではないか!

 

(文・水谷 花楓)

 

 

【文献紹介】

人を操る禁断の文章術
著者:メンタリストDaiGo
出版社:かんき出版

メンタリストDaiGoの、人を上手に誘導するパフォーマンスを支えているのは、人間の心理的特性についての膨大な知識量と実践の量である。本企画では、メンタリズムの得意とする「人心掌握」「大衆煽動」のエッセンスを文章に応用し、読み手の心を自在に操る「メンタリズム文章術」を大公開。その文章術の軸となるのは、「読み手の見たい現実を見せてあげる」という、相手の心理を先回りした「想像力を刺激する」書き方のテクニックである。本書では、解説するテクニックに対して心理学の見地から裏付けの説明を随所に加える。扱うテーマは、セールス、プレゼン、恋愛、依頼など、書き手の腕が求められるシーンを幅広く網羅。また、人間の感情をゆさぶる7つ引き金(トリガー)と、今すぐ文章にそのまま応用できるテクニックを紹介。本書を読むことで、書くべき内容とその書き方が一目にわかるようになる。