『もやし100レシピ』(藤井恵・著/学研プラス・刊)を読んで驚いた。100のレシピのうち、材料がもやしだけ、というシンプルなものがなんと20もあったのだ。いろいろな調味料であえるとこんなにも形を変えるのだ。その中で美味しそうなものをご紹介する。
もやしのカレーバター炒め
「調味料や香辛料、香味野菜を加えるだけで、もやしがこんなに”大化け”します」と本にもあるように、もやしは、多くの食材や調味料ともマッチする。それは、もやし自体の味がほとんどなく、さっぱりした食感だからなのだろう。
特に「もやしのカレーバター炒め」は、あとを引きそうなくらい美味しいのだろうと想像がつく。スパイシーなカレー粉にバター。その香ばしさが絡みついたもやしは、それだけで十分立派なおかずになりそうだし、暑い夏でも食が進みそうだ。何かちょっと1品、という時にも手早く作れる強い味方になってくれるだろう。
もやしペペロンチーノ
「もやしペペロンチーノ」もすごいレシピだ。もやしをパスタに見立ててペペロンチーノにしてしまったのだ。もやしは低カロリー。約200グラムほどのもやし1袋分を食べても24カロリーだし、糖質はなんと0.4グラムしかない。ダイエットの強い味方だと言えるだろう。
もやしペペロンチーノは、レシピではニンニクのみじん切りや赤唐辛子の小口切りを加えると書かれているけれど、面倒だったらスーパーで売っている「ペペロンチーノの素」であえればいいのだと思う。パスタでペペロンチーノを食べるよりもずっとヘルシーなランチタイムになってくれるかもしれない。
もやしのマヨソースあえ
本では「レンチンもやし」という調理法が紹介されていた。もやしはレンジ加熱に向いている食材なのだという。流水で洗い水気を切ったもやしを耐熱ボウルに入れ、600wで3分加熱し、水気を取ったら出来上がりだ。ゆで上がりのような状態になるので、良い感じでもやしに柔らかみが出る。炒めるもやし料理に加え、このレンチンもやしでさらにバリエーションが広がるのだ。
中でもおいしそうなのが「もやしのマヨソースあえ」だった。1袋分の「レンチンもやし」に家にあるマヨネーズとソースを大さじ1ずつ加えるだけで、酒のつまみにもなりそうな味わい深そうな料理に仕上がる。これもいくらでも食べられてしまいそうだ。
ボリュームアップにも
ちなみに私は食べ盛りの子どもがいるので、料理にボリュームを出すためにしばしばもやしを投入する。肉野菜炒めに入れるのはもちろん、鍋料理にも焼きそばにもサラダにも放り込む。量は増えるので子どもたちからも文句が出ないし、本当に助かっている。
私が最近ハマっているのは「もやしと豆苗のベーコン炒め」だ。もやしと豆苗というボリュームある2つをフライパンに入れ、少量のベーコンで炒め、最後に少し醤油をかけると、とてもおいしい。あっという間にできるので、急いでいるときに良く作っている。
ピンチの時のもやし
昔から、金欠になった人が「もやしばかり食べてる」などと、貧しさを自嘲気味に語るものだけれど、こんなにおいしそうなおかずに化けるのなら、もやしもあなどれない。1袋はスーパーで大抵30円前後で売られているので、すごい節約料理になる。
とはいえ、もやしだけではもちろん栄養素が足りない。副菜をもやしで安くするとして、メインに野菜たっぷりの一品を作るなどして、できるだけバランスが取れた食生活を心がけたい。もやしだけの料理に、ほうれん草やじゃがいもなど、家にある食材を足すのもいいだろう。
【書籍紹介】
もやし100レシピ
著者:藤井 恵
発行:学研プラス
人気料理研究家が人気の食材で100レシピを提案する。第1弾は藤井恵さんのもやしレシピ。ハンバーグやぎょうざなどもやしで作る人気おかずから、もやしだけでパッとできるあと1品に役立つおかず、藤井さんの偏愛もやし料理など、もやしの多彩さが満載。
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