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2018/8/22 16:45

日本人が英語を話せないのは「批評グセ」のせいだ!――『成功する英語勉強法』

最近、Facebookに英会話学習関連の広告が特に多くなった気がする。

 

「1年で確実に英語をマスター!!」 「ゲームだけやっていればネイティブなみの英語力」「1日たった1フレーズでペラペラに!」 「1か月後英語でビジネスができるようになります」

 

英語の授業といえば、中学・高校と6年間“リーダー”と“グラマー”の2極構造しかなかったと筆者は思う。英語って、いつからそんなに簡単になったの?!

 

 

超速メソッドの違和感

メソッドはよりどりみどりだし、ばっちり効果が出るものもあるんだろう。ただ、それなりに苦労した英語の勉強を「こんなに簡単にできちゃいます」みたいな勢いで言われると、セールストークであることは十分わかっていても、どうしても違和感を否定できない。いまだに残っている苦労のプロセスを全否定されたみたいな気になって、納得できないのだ。

 

10年後のワークフォースの中心層を成しているだろう小中学生世代の英語力の底上げは、2020年から始まる小学校の英語正規科目化という目に見える形で進んでいる。でも、現在の中心世代に対してはどうだろう。

 

超速英語みたいなメソッドが次から次へと生まれているのは、現時点で納得できる対応策がない不安の裏返しだ。そんな言い方はあまりにも単純で乱暴だろうか。

 

 

“これまで”は無駄になるのか

ゆとり世代だってその前の世代だって、英語の学習法の基盤部分は変わらなかったはずだ。筆者の世代と同じ“リーダー”と“グラマー”の2極構造か、それに準じたものから脱却できていたとは言い難い。もちろん例外的なケースもあるだろうが、大部分の人々は昔ながらの絶対的なパラダイムに縛られていたと思う。

 

一番煽られているのは、今30~40代の人たちだろう。旬な学習メソッドは、中高で慣れ親しんだもの――あるいは押し付けられたもの――とは大きく乖離している。読み書きの重要さに則って英語を教わっていたのに、いきなり「すみません。やっぱり、聞く・話すも同じくらい大切でした。これからはこのやり方が正しいってことで…」と、まったく異なる方針を一方的に言い渡された感じだ。

 

じゃあ、どうやって対応していけばいいのか。超速学習には追いつかないとしても、自分のこれまでの知識を少しでも活かせる方法を探っていきたくなる。

 

 

英語学習は不自然な行いである

この原稿では、現時点で煽られているのを実感している人たちにとって英語を勉強し直すよいきっかけになるだろう一冊を紹介させていただく。タイトルは『成功する英語勉強法』(安河内哲也・著/学研プラス・刊)。著者の安河内哲也さんは、ご存じのとおり、超有名予備校の英語講師だ。

 

数ある英語学習書・英語学習メソッドの中から、この一冊を強く勧めようと思った理由は、第1章に記されている次のようなひと言が刺さったからだ。

 

英語学習は「不自然なこと」であり、努力と覚悟を必要とする。

 

うん。そういうもんだと思う。

 

 

評論グセが日本人の英語にブレーキをかける

本書の構成は英語を全体としてとらえる総論部分、そして4技能のそれぞれと今や英語検定のスタンダードになった感があるTOEICの勉強法の各論部分に分かれている。総論部分でひとつ紹介しておきたいのは、「他人の目を気にするのはやめる」という項目に記されている一文だ。

 

日本人が英語を話せない理由は、すばり「評論グセ」です。この評論グセをやめないかぎり、日本人は英語を話せるようにはならないでしょう。

『成功する英語勉強法』より引用

 

そしてこの続きを読むと、英語学習に関して萎縮している部分が少しでもあるなら、その何パーセントかは確実に解決することができると思う。

 

正しい発音やイントネーションを身につける努力は常に必要ですが、私は、そんなことばかり気にしていては、いつまでたっても話せるようにはならないと思います。あなたが一生懸命英語で話しているのに、「きみのLとRの発音はイマイチだね」などという外国人はいません。彼らに興味があるのは話の内容であり、メッセージです。

『成功する英語勉強法』より引用

 

日本人が英語を話せない理由のひとつは、日本人の評論グセなのだ。

 

 

英語なんて、誰だってできるようになる!

ひとつ思うことがある。著名人が何らかの発言を英語で行ったことを伝えるニュースで、キャスターが「~と英語でスピーチを行いました(語りました)」とコメントするシーンをよく見る。

 

こういうの、もういいんじゃないだろうか。英語で発言することが特別な行いであるかのようなニュアンスで伝えるのは、文科省が目指している方向性と逆行しているような気がしてならない。安河内先生も、とあるCMでおっしゃっていた。「英語なんて言葉なんだ! こんなものやれば誰だってできるようになる!」

 

そんな安河内先生が提案するメソッドの数々。英語を勉強し直そうと思っている人には、刺さるものが必ずあるはずだ。そして、安河内先生がおっしゃる通り、英語なんて誰だってできるようになるのかもしれない。自分にぴったりの方法を探す過程を、この一冊から始めることを強くお勧めしたい。

 

【書籍紹介】

成功する英語勉強法 あなたの努力をカタチにする!

著者:安河内哲也
発行:学研プラス

カリスマ英語講師安河内哲也氏が説く英語勉強法の決定版。自分に合った学習法を探している人や、勉強に行き詰まりを感じている人は必読。具体的なアドバイスを読んでいるうちに、やる気がかき立てられ、楽しんで勉強が続けられる。TOEIC受験にも役立つ。

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