小動物や昆虫のなかには、外敵から身を守る手段のひとつとして「擬態」を使うものがいる。自然界にあるいろいろなものに体を似せて変化させたり、色を変えたり、ほかの強い生き物に見せかけているものもいる。
それらを収めた書籍が『さがせ!かくれる生き物』(木村義志・著/学研プラス・刊)だ。写真のなかに隠れている生き物を探すという、お子様向けの書籍。大人な僕は、すぐに見つけられるはずだと手に取ってみた。
しかし、やはり生き物たちの擬態能力はかなりのもの。一見して見つけられないものもいた。そこで、僕が「これはすごい!」と思った生き物をいくつか紹介しよう。
葉の枯れている様子まで再現している「コノハムシ」
本書ではレベル1、つまり一番簡単とされているのだが、なかなか見つけられなかったのが「コノハムシ」だ。
コノハムシはまわりの木の葉の色にあわせて、自分のからだの色を変えます。緑や茶色になり、敵の目からはまわりの木の葉と同じようにしか見えません。
(『さがせ!かくれる生き物』より引用)
写真内に3匹いるのだが、2匹しか気づかなかった。枯れ葉の緑と茶色をうまく再現しており、なかなかの枯れ葉っぷりだ。
海岸の石に紛れる「オウギガニ」
レベル3になってくると、かなり難易度は上がる。石の多い海岸に住む「オウギガニ」も、なかなか見つけることができなかった。
甲はでこぼこで、灰褐色のまだらもようがあり、海岸の石の中では目立ちません。
(『さがせ!かくれる生き物』より引用)
オウギガニの石っぷりは見事。写真内に6匹いるのだが、がんばっても5匹しか見つけられなかった。
もう枯れ葉にしか見えない「ムラサキシャチホコ」
本書内で、もっとも擬態能力が高いなと思ったのが「ムラサキシャチホコ」という蛾だ。落ちている枯れ葉に似た体をしているのだが、丸まった枯れ葉の形で、まったく見分けが付かない。
じつは、まるまって見えるのは目の錯覚で、実際ははねのもようそのものは平面なのですが、トリックアートのようにまるまって見えるのです。自然がつくったすごい芸術ですね。
(『さがせ!かくれる生き物』より引用)
へ、平面だったのか……。この解説を読むまで、羽根が丸まっているのだと思い込んでいた。これはなかなか見応えがあるので、ぜひ本書を読んでほしい。
ほかのものに体を似せるのが生存戦略
小さな生き物が、自然界で生き残るために手に入れたのが、擬態。外敵の目を欺き、長きにわたり生き残ってきたのだから、その能力には感服する。
小さな生き物だけではない。シマウマの模様も草原でのカモフラージュのためのもの。自分とは違うものに似せるというのは、生き物にとってはかなり有効な防衛手段なのだろう。
人間も、ときには擬態することがある。服装を変えるいわゆる「変装」もそうだし、知らない人の前では本性を隠すのも、社会で身を守るための擬態といえば擬態なのかもしれない。
【書籍紹介】
さがせ!かくれる生き物
著者:木村義志
発行:学研プラス
忍者のように自然の中に隠れたり、敵に化けたりといった擬態する生き物のビジュアル満載なクイズが楽しめる、新感覚のクイズ図鑑!実際の写真を使ったクイズで生き物の本当の生態が目で見てわかる!生き物の基本データもついて、遊ぶだけで知識が深まる。