この世には、まだまだ言語化されていない概念がたくさんあります。
今ではあの広辞苑にも掲載されるようになった「ちゃらい」「婚活」「無茶振り」などの言葉も、もともと言語化されていない概念でした。そんな新しい概念が今、生まれようとしています。その名も「低み」。あなたは「低み」と聞いてどんな様子をイメージするでしょうか?
今回は、『ライムスター宇多丸も唸った人生を変える最強の「自己低発」 低み』(TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」&「アフター6ジャンクション」・編/イースト・プレス・刊)より、決して流行にはなってほしくない、低みについてお伝えしていきます。
そもそも「低み」って何?
この書籍は、TBSラジオをキー局に毎週土曜日夜に放送されていた『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』で2017年1月から約1年間続いた「低み」というコーナーに投稿されたものをまとめたものです。現在、『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』通称『タマフル』は、毎週月〜金曜日の18時から同じくTBSラジオで放送されている『アフター6ジャンクション』通称『アトロク』にお引越しし、放送は続いています。
そんなラジオ番組から生まれた「低み」でしたが、始まりは番組ディレクターが食べていたカップラーメンの残りスープをADに「スープ飲む?」と聞いたらうれしそうに「飲みます!」と返事したことが始まりだったそう。
え? これのどこが低いの? と思ったあなたは、すでに「低み」街道に足を踏み入れているかもしれません。この行為、「おすそ分け」という優しさでもなく、「お前飲めよ!」という強制でもなく、「もったいない」という気持ちから「飲む?」と聞いたというところがポイント。「このラーメン美味しいから食べる?」とシェアする気持ちなら、麺がある状態からシェアするはずなのに、麺を食べ切ってからシェアするというのは何かが低い。しかもスープだけでも喜んで「飲みたい!」と答える相手がいるというのも低い。
「低み」とは、ただ単に下品でセコいような行為ではなく、私は絶対にやらないけど、他人様に迷惑かけているわけじゃないしいいんじゃない? とクスりと笑いながら言えてしまうような概念のことなのです。それでは早速、本書で紹介されている「低み」エピソードをご紹介していきます。