「映える」場所へ行くより、自分の気持ちが満たされる場所に行きたい
旅行というと、ついつい派手な方向にいきがちですが、『来ちゃった』を読んでいると自分の直感を信じて行動していたり、当たり前な喜びを痛感できたり、しっかり休む幸せを感じられたり、「あ、旅行ってこんなもんがいいのかも」と思ってしまうのです。
写真映えするスポットに行って、誰かのために「映える」場所へ行くよりも、自分の気持ちに正直になって心が満たされるような体験をしたいという人が今後増えていくだろうとも感じました。10年前に連載されていたものですが、ここに紹介されている地域は渋くてちょっぴり地味が故に今でも変わらぬ景色を見せてくれるのでは? とも感じます。新しくて時代の流れに合わせて変わっていくことも大切ですが、いつ行っても同じ場所に旅行へ行ってしみじみできる旅行を来年はしてみたいなと思うのでした。まずは人間ドックと温泉がセットになった場所探さねば!(笑)
【書籍紹介】
「来ちゃった」
著者: 酒井 順子, ほし よりこ
発行:小学館
行った先ではリュックひとつ背負って、灼熱の太陽に焼かれながらサトウキビ畑のなかで自転車をひたすらこいだり、藁ぞうりに白手袋をはめ、ロープにつかまって岩をよじ登ったり、船酔いで顔面蒼白になったり――いろんな意味で「来ちゃった…」とぽつり、つぶやいてしまうような、近くて遠い国内旅35+海外2か所、計37の旅の記録を1冊に詰め込み人気を博した単行本が文庫になりました。文庫化に際し、2015年に旅したばかりの「インド マハラジャ・エクスプレス紀行」もあらたに収録。あたりまえの観光地を訪ねる旅にはもう飽きてきた大人女子の皆さん、今度はこんな渋い目的地へ、ゆるーい旅をしてみませんか?