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2019/6/26 6:00

デキる営業マンが必ず持っている「オリジナルの勝ちパターン」とは?

商品が何であれ、ものを売るというのは大変だ。マンションだって車だって、焼肉のたれだって、お客さんに納得して買ってもらうことは、そうそう簡単にはいかないはずだ。「飛ぶように売れる」なんていう表現もあるけれど、その前段となる目には見えないプロセスが存在するに違いない。

 

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伝説のセールスマン

以前コラムで、ビル・ポーターさんというセールスマンを紹介したことがある。1962年、彼はミネソタ州に本拠を置くワトキンス・インコーポレイテッドという日用雑貨品を扱う会社の訪問販売部門のセールスマンとして採用された。以来半世紀近くにわたって訪問販売一筋に生き、オレゴン、アイダホ、ワシントン、そしてカリフォルニアという4州から成る販売地区内で、トップセールスマンの座に就いた期間が数年もあった。

 

ほかのセールスマンたちと違ったのは、脳性まひのため手足が少し不自由で車が運転できないこと、そして言葉がうまく話せないことだ。しかしポーターさんは真摯な態度で仕事に取り組み、オレゴン州ポートランドの町をくまなく歩きながら、一軒ずつドアを叩いて商品を売り歩いた。やがて、ポートランドでは知らない人がいないほど有名な存在になる。

 

 

付加価値としての個性

2013年12月3日に彼が亡くなった時は、全米から弔辞が寄せられた。ワトキンス・インコーポレイテッドの本社に涙声で電話をかけてきて、こう言った男性もいたという。「子どものころ、ひどい言葉で彼をからかってしまった。叶うものなら、何でもいいから彼から買って料金を直接渡し、心からお詫びを言いたい」

 

ものを売るという行いにおいて、ずば抜けた才能を発揮する人たちがいる。そしてこうした人たちは、何を売っても驚くような数字を出す。「この商品は売れるけれど、この商品は売れない」ということはあまりない。

 

こうした人たちは、自分の個性を付加価値として商品に乗せているのではないだろうか。筆者が昔から抱いていた漠然とした思いを、きちんとした文字情報で綴ってくれている本を見つけた。

 

 

ニッチだけど王道的

なぜ、シマウマがトップ営業マンなのか?』(加納光・著/学研パブリッシング・刊)は、ニッチなところを攻めた本だと思う。しかしそのアプローチはきわめて王道的であり、だからこそこれ以上なく新鮮な気持ちで読むことができた。筆者が抱いた新鮮な気持ちは、「はじめに」に記された次のような文章から推し量っていただけると思う。

 

カンタンにいえば、セールスの本というのは「天才型セールスマンが書いた本」か、「編集者が取材をして、かなり強引な理由付けをしたノウハウ本」しかなかったのです。のちに詳しく書こうと思いますが、天才型のセールスマンの本は、「自分には当たり前にできるから普通の人もできるに決まっている」と思い込んでいるがために、肝心な「セールスのコツ」を完全といってもよいほどに省略して書いてあるという大きな問題がありました。

『なぜシマウマがトップ営業マンなのか?』より引用

 

これまでのセールススキルアップ術に関する本は、サイドストーリーとサクセスストーリーにばかり紙数が割かれ、どうやって成功できたのかという核となるべき部分があまりにもスカスカすぎた。

 

筆者も著者の加納さんにならって、大き目の書店を3軒まわってみたが、センセーショナルなサクセスストーリーとしょーもないサイドストーリーの抱き合わせという企画が本当に多いことがわかった。

 

 

「オリジナルの勝ちパターン」を持つことの大切さ

この本がほかの企画と一線を画すところは何なのか。加納さんは、好打者のイチロー選手と強打者の松井選手の持ち味のちがいモチーフにして説明し、次のような言い方で締めくくっている。

 

一人ひとりが「ちがうパターン」で活躍するのはセールスマンも同じです。そういう状況なのに、「みんなと同じことをするためのマニュアル本」を読んだり、「みんなと同じことができるようになるセミナー」に参加しても、あなたの「オリジナルな勝ちパターン」が見つかるわけがなかったんです。

『なぜシマウマがトップ営業マンなのか?』より引用

 

この本の着地点は、次のような言葉で示されている。

 

頭脳労働者として「どう頭を使うのか?」

その部分をしっかりと把握していただけることが、本書の目的だといえるのかもしれません。

『なぜシマウマがトップ営業マンなのか?』より引用

 

 

自分で考える余地を残してくれる親切

とは言え、具体的な言葉で事細かに売り上げアップのノウハウが示されているわけではない。それは自分で創り出し、さらにさまざまなカスタマイゼーションを加えていくべきものだからだ。そうするためのマインドセットを構築するための構成。そう言えば、この本の性格をより正確に伝えられると思う。

 

セールス論について書かれた本ではあるのだが、こうした種類の本は――もちろん内容が優れているものに限るが――まったく異なる目的に当てはめても十分すぎる説得力が生まれる。この本は、今まさに婚活の真っただ中にあるという人たちにも読んでいただきたい。

 

ものを売るというのは自分という存在の付加価値にも大きく関係するし、自分の付加価値を知ることは大切だと思う。トップ営業マンを例える動物として、シマウマが選ばれた理由は何か。そのあたりも楽しみながら読んでいただきたい。

 

 

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【書籍紹介】

なぜシマウマがトップ営業マンなのか?

著者:加納 光
発行:学研プラス

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