本・書籍
2019/10/9 21:45

人生は「ニヤニヤ」くらいがちょうどいい。ハライチ・岩井さんの初エッセイ『僕の人生には事件が起きない』が素敵すぎる!

『いつか本を出して欲しい! しかもエッセイで!』

 

と、私が勝手に神社でお願いしていたのが、ハライチの岩井勇気さんだったのですが、私の願いが通じて(?)、ついに新刊『僕の人生には事件が起きない』(岩井勇気・著/新潮社・刊)が発売されました! 発売されてまだ2週間ほどですが、発売5日目で4刷までされ、現在でも入手困難で予約待ち! という売れっぷり。あの『王様のブランチ』のブックランキングでも堂々の1位に輝きました。天晴れ!

 

ハライチは、埼玉県育ちのお笑い芸人で、幼稚園からの幼馴染である澤部さんと岩井さんが高校卒業後にコンビを結成。M-1グランプリ決勝にも出場し、ノリボケ漫才として一気に時の人となりました。

 

澤部さんの一見明るそうな、親しみやすそうなキャラクターがお茶の間に浸透する一方で、岩井さんは「じゃない方芸人」や「腐り芸人」と言われ始めますが、2016年からスタートしたTBSラジオ『ハライチのターン』でジワジワと岩井勇気ファンを獲得。現在は、岩井さんはTBSラジオで3本ものレギュラー番組を持ち、今やTBSラジオを乗っ取る勢いです(笑)。

 

 

岩井さんの魅力

『僕の人生には事件が起きない』には25本のエッセイが掲載されているのですが、どれもニヤニヤしてしまうお話ばかり。食べログで3.04の評価のお店に行ってみたり、あんかけラーメンの汁を水筒に入れて持ち歩いてたり、昔の同級生にイラついたり、編集者を”この手の文系女子”と呼んだり、相方の澤部さんについてだったり――。

 

このエッセイの面白いところは、とにかく日常が連続しているというところです。「お笑い芸人だから面白いことが起こるでしょ〜」とか「芸人さんだから一つや二つ鉄板トークがあるんでしょ?」という一般人の考え方を足元から全てかっさらってくれるくらい日常エピソードが満載です。

 

 

そう、何か面白いことを生み出そうと思って出かけてはいけない。ちゃんと目的を持って出かけた先で、たまに大事件が起こるのだ。

僕はお笑い芸人になって心底思う。神様、頼むから波乱万丈な出来事を僕に起こしてくださいと。しかし、どうにも僕の人生には事件が起きない。

(『僕の人生には事件が起きない』より引用)

 

『僕の人生には事件が起きない』を何度も読んでいて感じるのは、日常の「なんだよこれ!」とか「は?」と思うネガティブな感情を、振り返れば”面白かったこと”に変換できる岩井さんの能力のすごさです。某すべらない話は、日常でも「お笑い芸人だから」なエピソードが中心なのですが、岩井さんの話は、私たちでも体験するような出来事が楽しく語られているのに面白くニヤニヤしてしまうというところにすごみがあるんだと感じます。

 

 

ムンクの「叫び」を見たくて…

もう気持ち悪いくらい岩井さんにのめり込んでしまっている私ですが、この『僕の人生には事件が起きない』は、ラジオ番組で語られていたエピソードも多く掲載されており、初めて読む方はもちろんですが、岩井帝国民(リスナーの間で岩井さんのファンをこのように呼びます)にとっても「あのお話を読めるなんて!」と歓喜できる内容です。

 

「この前、ムンクの『叫び』を母親と見てきてさ〜」と語ったムンク展のお話もこの新刊には掲載されています。私もラジオを聞いたその週末に、1時間以上並んで『叫び』を上野まで見に行ってきました(笑)。「え〜1時間以上並ぶなら見なくてよくね?」という旦那に対し、「はぁ? だったら私一人で並ばせていただきますのでっ!」と謎の敬語を使ってしまうほど岩井さんと同じ体験をしたくて仕方なかったのです。その体験がこちら。

 

やばい! そろそろ叫ぶぞ! と思ったあたりで絵はうねりのピークを迎え、ついにメインの『叫び』がくる。そして絵は完全にグニャーーン! となり、ウヒャーーーーーッ!!!! と叫ぶのだ。

(『僕の人生には事件が起きない』より引用)

 

ムンク展では、年代ごとにムンクの作品が並べられており、初期の作品は『叫び』しか知らない私としては「めっちゃ絵が上手い!」と素人的な感想を言ってしまうほど繊細で素敵な作品が多かったのですが、叫びまでの流れは完全にこれでした(笑)。無理やり1時間以上並ばせた旦那もショップでムンクの自画像Tシャツを購入するほどハマっており、「ほらな」とまるで自分の手柄のようにしてしまった次第です。

 

これからもそんな日常を岩井さんには面白おかしく語って欲しい

なんだか岩井さんへのファンレターみたいになっちゃいましたが(笑)、『僕の人生には事件が起きない』に掲載されている内容については本当にじっくりたくさんの人に読んでもらいたいからあまりここでは紹介しません! ぜひ手にとって、文章としてじっくり味わってもらいたいと思います。

 

最近では、盛ることやバズることが正解のようにみんな事件を求め、自分が事件の被害者もしくは加害者になることで世間から認められようとする人が増えているようにも感じます。一般人と芸能人との境目もあるようでなくなっているせいか、飲み会での会話でも「オチ」や「山場」を求められ、それに応えるようにトーク術の書籍やら雑誌の特集が組まれています。

 

でも、このままどんどん強い刺激を求め、たどり着く先は何も感じられなくなった感情の薄い人間…、そんな風になることはわかっているはず。事件が起きなくてもその人生を楽しむか悲観するかは自分次第。きっと読み終わったその日から毎日を見る角度がちょっと変わると思います。

 

 

【書籍紹介】

 

僕の人生には事件が起きない

著者:岩井勇気
発行:新潮社

日常に潜む違和感に芸人が狂気の牙をむく、ハライチ岩井の初エッセイ集! 段ボール箱をカッターで一心不乱に切り刻んだかと思えば、組み立て式の棚は完成できぬまま放置。「食べログ」低評価店の惨状に驚愕しつつ、歯医者の予約はことごとく忘れ、野球場で予想外のアクシデントに遭遇する……事件が起きないはずの「ありふれた人生」に何かが起こる、人気エッセイがついに単行本化! 自筆イラストも満載。

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