本・書籍
2019/11/12 21:45

イジメ、ダメ、ゼッタイ! 15万部超えの大ヒット『こども六法』は、大人も子どもも必読の1冊

「いじめ」に関するニュースが跡を絶たない。子どもだけではなく、最近では教員間のいじめも大きな話題となった。

 

今年10月に文部科学省が発表した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、平成30年度のいじめ認知件数が54万件を超えたようだ。ちなみに、前年度は約41万件だったから、この一年だけでも約13万件増加している。

 

もちろん、この数字は氷山の一角であろう。ニュースにならない、親も教師も知らない、子どもたちの世界だけのいじめは、そこらじゅうに存在している。

 

ある程度の年令になった大人であれば、「これまで一度もいじめと関わったことがない」という人はほぼゼロなのではないか。たとえ自分自身がいじめに遭ったことがなかったとしても、同じクラス、同じ学年など親しいコミュニティのどこかでは、程度の差こそあれ、何かしらのいじめが起こっているはずだ。

 

著者自身のいじめ体験から『こども六法』は生まれた

そんな子どもたちのために、たくさんの大人が立ち上がって作られた本がある。『こども六法』(山崎聡一郎・著/弘文堂・刊)、発売2日で初刷1万部が売り切れ、現在第4刷15万部という大ヒットの一冊だ。

 

『こども六法』は、日本に数多ある法律のなかから、子どもにも関係のあるもの、知っておいたほうがよいものをピックアップし、わかりやすい言葉に噛み砕いてまとめられている。

 

たとえば、刑法第202条の「自殺関与及び同意殺人」は、次のように説明されている。

「死ね」という言葉は、なんとも軽く口から発せられることが多い。冗談半分で「死ね!」と罵ったり、ネタにしたり。けれども、ナイフのように鋭く、時に言われた人間の胸に突き刺さってえぐってしまうような言葉なのだ。

 

また、刑法218条「保護責任者遺棄等」は、この通り。

 

「子どもは生きるための世話をしてもらう権利がある」ことを、わかりやすいイラストと言葉で述べられている。

 

そもそも、なぜ『こども六法』は生まれたのか。それは、著者である山崎氏自身のいじめ体験からだった。山崎氏は、あるインタビューでこのように述べている。「当時の自分を救うことは、同じ状況下にいる自分のような性格の子どもを救うことだ」と。

 

全国民のためのルールであるにもかかわらず、「非常に難解で、遠い存在」である法律。その法律を、誰でも読める文章にしてまとめることで、いまこの瞬間も、いじめや児童虐待、性的搾取など理不尽な危険に晒されている子どもたちがSOSを発信するきっかけになり、勇気になれば……そんな想いで作られた一冊なのだ。

 

 

加害者になることを防ぎ、被害者になったときの強い味方となる

『こども六法』は、被害者の味方となるだけでない。やってはいけないことの線引きをしっかりと理解するため、つまり無自覚にいじめの加害者になってしまうことを防ぐという役割もある。

 

個人的には、こちらの意味合いの方がより重要だと感じる。子どもって、無邪気だ。けれど、その無邪気さが凶器に変わる瞬間が多々ある。その事実を、大人はもっと直視したほうがいい。

 

ちなみに『こども六法』の価格は、1200円+税。どう考えても、この内容の濃さや携わった人の数を考えたら、安すぎる。

 

じつは本書は、「いじめという<犯罪>を『こども六法』で無くしたい」というクラウドファンディングで募った資金をもとに、出版が実現された。当初100万円を目標にスタートした本プロジェクトは、最終的に合計334名、179万6000円の支援が集まった。だからこそ、できるだけ手に取りやすく、山崎氏の夢である「すべての学校の教室に1冊ずつ置かれる」ことも実現可能な価格になったのだという。

 

『こども六法』は、子どもはもちろん、大人も読むべきだ。いままでなんとなく知っているようでまるで理解できていなかった法律を知ることができる。そして、子どもから相談されたとき、なにかSOSを感じ取ったときに、どう行動すればいいかのヒントが詰まっている。

 

『こども六法』というタイトルや親しみが湧く動物のイラストのおかげか、我が家の小3の息子も自分から手にとって読んでいた。今後いつでも子どもたちの味方になってくれるよう、家の本棚に置いておこうと思う。

 

 

【書籍紹介】

こども六法

著者:山崎聡一郎
発行:弘文堂

いじめ、虐待に悩んでいるきみへ。法律はみんなを守るためにある。知っていれば大人に悩みを伝えて解決してもらうのに役立つよ!きみを強くする法律の本。

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