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2019/10/22 21:45

作業スピード3倍アップも夢じゃない!! 自分の中に眠る“調教師”で荒ぶる“獣”を飼いならす『ヤバい集中力』を身につけろ!

今日の夕方までに仕上げなくてはいけない原稿がある。

 

書き進めるために確認したいことがあって、Googleの検索画面を開いたが最後、ついブックマークしているFacebookを覗いてコメントを確認したり、Twitterで盛り上がっている話題をチェックしたり、からの誰かがシェアしていた興味深い記事へと進み、そういえば新着メールの通知があったなとメールチェック。

 

あれ、私ってば何を調べたかったんだっけ…。ふと時計を見て、夕方までの残り時間に焦る(←今ここ)。

 

…程度の差はあれど、同じような経験はないだろうか。

 

学生さんであれば課題提出、ビジネスマンであれば企画の提案をはじめ山積みのタスクを日々こなしていかねばならないだろう。けれども、つい他のことに気が向いてしまったり、目先の欲望に負けて、なかなか集中できなかったり。

 

今回は、私を含め「集中できずに仕事が捗らず困っている」人に向けて、メンタリストのDaiGo氏もイチオシの「ノーベル賞研究を応用した 今すぐ集中力を320%上げる方法」が書かれた一冊をピックアップしたい。

 

タイトルはズバリ、『ヤバい集中力』(鈴木 祐・著/SB Creative・刊)。

 

人間の脳には「獣」と「調教師」の2つの力がある

著者の鈴木氏は、16歳のころから年に5000本の科学論文を読破、さらに海外の学者や専門医を中心に約600人のインタビューを重ね、さまざまな書籍の執筆を手掛ける新進気鋭のサイエンスライター。

 

1日に平均15本の論文と3冊の本を読むと同時に、書籍の執筆、企業のコンサルティングやリサーチ、ブロマガの執筆など、2万~4万字の原稿を毎日のように生産し続けているという、途方もない量のタスクを日々こなしている人物だ。

 

『ヤバい集中力』には、必然的に集中力を高めなくてはいけない環境にあった鈴木自身の“人間の心の仕組みや正確な運用法を学ぶことで驚異の集中力が得られた”という体験から、「集中力を高いレベルまでアップし維持し続ける」秘訣が描かれている。

 

本書でまず特筆すべきは、「本能=獣」「理性=調教師」と定義している点だろう。「人間の心は2つに分かれている」という事実に対しては、「天使と悪魔」を筆頭に古来より知られている考え方だが、それを「本能のまま好き勝手動く獣」と「理路整然と確かな策略をもって操ろうとする調教師」としてあらわしている点が、とてもユニークだ。

 

難しいものを嫌い、あらゆる刺激に反応し、パワーが強い「獣」に対して、私たち人間は、いったん操られてしまうとなすすべなくひれ伏すだけである。

 

けれども、論理性と合理性という武器を手に、調教師が獣をなだめすかしたりスキをついたりしてコントロールしていく、つまり理性によって本能を操り集中力を手に入れることは十分可能なのだと鈴木氏。早速、具体的な「獣の飼い方マニュアル」を覗いてみよう。

 

 

カフェインで集中力5%アップ!

覚醒効果があるものといえば、コーヒー。なんでも、「150~200㎎のカフェインを飲むと約30分で疲労感がやわらぎ、注意力の持続時間が向上する」のだそう。しかも、普段の状態よりも5%前後は集中力がアップするというから、見逃せない。

 

鈴木氏いわく、次の5つの原則に従ってカフェインをとれば、覚醒作用は最大化し、素晴らしき集中力が手に入るという。

 

・一度に缶コーヒー2本(カフェイン400㎎)以上を飲まない

・コーヒーにはミルクかクリームを入れる

・起床から90分はカフェインを飲まない

・アメリカ陸軍開発のスケジューリングサービス「2B‐Alert」を使う

・緑茶に含まれるリラックス成分「テアニン」と一緒に飲む

(『ヤバい集中力』より引用)

 

このなかで、ついうっかり破りそうになるのは3つめではないだろうか。朝起きてすぐに、もしくは朝食時などにコーヒーを飲んで目を覚まそうという人は多いものだが、集中力アップという点からみると、おすすめできない行為なのだそう。

 

なぜならば、私たちの体にはコルチゾールという覚醒系のホルモンが分泌されるという天然の目覚まし装置が備わっている。コルチゾールは起床から90分で減り始めるというデータがあるため、それ以降にカフェインを飲むことで、脳への刺激を過剰に与えることなく、覚醒効果が得られるというわけだ。

 

4つめに関しては、覚醒作用を最大に引き出すべく、ベストなタイミングで適度な量を体に取り込んでいくためのwebサービス。メールアドレスを登録するだけで誰でも利用できるそうなので、興味がある人はぜひお試しを。

 

上記のように、カフェインを正しく摂取したうえで、日々の食事内容を改善し、獣に正しく餌を与えることが集中力アップの基礎である。

 

 

「マイ儀式」で目標達成率が大幅アップ!

「何か大きな仕事があるときは、赤い勝負パンツを履く」「大事なプレゼンの日は、お気に入りのペンをポケットにしのばせる」など、自分だけのジンクスというか、儀式のようなものを持っている人は多い。

 

じつは、これらのマイ儀式はただの迷信や気休めではなく、科学的に有用性が認められつつあるという。たとえば、ゴルファーがボールにキスをしてからボールを打つと、パットの確率が38%も上がった、テスト前に指を10回鳴らすことで、成績が21%アップした、など。この十数年で多くの研究が行われ、マイ儀式には大きな効果があることがわかってきたのだそう。

 

その理由として、鈴木氏はこのように分析している。原始時代、猛獣や伝染病の危険から身をかわし、確実に食料を手に入れて子孫を残していくために、「不確定性が高い環境下では、同じタイミングで何度も目の前に現れる事象をよく研究し、正確な予測を立てる必要があった」。つまり「反復」こそが、生き延びていくための重要なポイントだったのだと。

 

そのため、「反復」=「マイ儀式」を味方につけることで、獣をうまく操ることができる。

 

これから何かマイ儀式を作ろうという人は、次の2点に注目してほしい。

 

1.「この動作をしたら大事な作業に取り組む」と決めておく

2.決めた手順を何度もくり返す

(『ヤバい集中力』より引用)

 

ちなみに、どんな儀式にするかは自由だが、より集中力をアップさせる方法として「一日のはじめに取り組むタスクは、メール返信や請求書作成など、5分程度で済ませられるような簡単なものにする」ことがおすすめだそうだ。

 

 

感情の変化を冷静に見つめて集中力アップ!

大切な作業をしている最中に注意がそれてきたら、自分の心の内を客観的に実況するのが良いと鈴木氏。コツは、感情の強度をパーセンテージで数値化すること。

 

「単純作業が続いたせいで、ちょっと飽きてきたな。退屈感の強さは30%くらいかな。イライラする気持ちも20%くらいあるようだ。本音としては、仕事をしたくない、面倒だという気持ちが10%くらい…そんなことを考えていたら、イライラがなくなってきて10%くらいになったぞ」といった具合だ。

 

獣が目の前の作業から別の何かに気を引きたいとき、そのまま従ってしまえば「ちょっとSNSを覗こう」「お菓子でも食べてブレイクしよう」と集中力が切れてしまう。それを防ぐため、自分の感情の変化を客観的に見つめ、調教師を感情から切り離すことで、結果集中力を高められるのだという。

 

『ヤバい集中力』には、ほかにも集中力を格段にアップするテクニックが満載だ。まずは、どれかひとつ試してみて、定着してきたら少し難易度の高いものにチャレンジしていくことで、次第にあなたの中の調教師が獣を手のひらで転がすように操れるようになるだろう。巻頭に挟み込まれている「1日ブッ通しでアタマが冴えわたる神ライフハック45 一覧表」も活用し、ヤバいくらいの集中力を手に入れよう!

 

【書籍紹介】

ヤバい集中力

著者: 鈴木 祐
発行:SBクリエイティブ

人間の脳には2つの力がある。「獣」(本能。超パワー。省エネ。難しいのが嫌い。いにしえの力。)「調教師」(理性。非力。大飯食らい。論理的。最近できた力。)遺伝子に刻まれた2つのシステムを使いこなしていまだあなたが知らない超スピードの「はかどり」を体験せよ!

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任天堂元社長であり天才プログラマー「岩田さん」のことばは、ゲームファン以外の誰もが知ったほうがいい。