本・書籍
2020/4/10 21:45

あなたの隣にもいるかもしれない…100人に1人の割合で潜んでいる「サイコパス」とは何者ぞや。

最近我が家のテレビはもっぱらAmazonプライムだが、先日、夫がちょっと気になるものを観ていた。「PSYCHO-PASS サイコパス」というアニメだ。

 

なんでも、最近人気があるそうだ。私自身はチラリと画面を見た程度だったが、この日以降、「サイコパス」という言葉が妙に印象に残った。

 

サイコパスとは、連続殺人犯など反社会的な人格を説明するために開発された診断上の概念であり、いわゆる「精神病質」だと辞書などでは説明されている。私がこれまで抱いていたイメージは、残虐な殺人事件などを平然と起こす、平気で嘘をつき続ける人々といったものだ。

 

だが、『サイコパス』(文藝春秋・刊)を読むと、そのイメージはかなり偏っていたなと感じた。著者は、脳科学者の中野信子氏。2016年に出版された本書は25万部を突破、2019年の「文藝春秋電子書籍ベスト100」にも選ばれているロングベストセラーだ。

 

100人に1人はサイコパス

サイコパスはかなり特殊な犯罪者にしか該当しないと思いきや、本書によると、この世界にはおおよそ100人に1人くらいの割合で存在するというデータがあるそうだ。

 

では、100人に1人が凶悪犯罪を起こすのかといえば、それはいささか早急だ。というのも、一言でサイコパスといっても、必ずしも犯罪に手を染めるタイプばかりではないのだと中野氏。

 

一般的に、サイコパスの特徴としては次のような点が挙げられる。

 

・他者に対する共感性が低い

・外見や語りが過剰に魅力的で、ナルシスティック

・恐怖や不安、緊張を感じにくく、大舞台でも堂々として見える

・批判されても折れない、懲りない

・常習的にウソをつき、話を盛る

(『サイコパス』より一部抜粋)

 

これらの特徴を見てみると、確かに他人の気持ちが読み取れない冷酷な犯罪者も該当するが、一方で社交的で人前に出て活躍するようなタイプも当てはまるようだ。

 

 

織田信長やマザー・テレサもサイコパスだった!?

事実、ケヴィン・ダットンというイギリスの心理学者が調査したデータの中に、次のような結果が出ている。

 

●企業の最高経営責任者
弁護士
マスコミ・報道関係(テレビ/ラジオ)
●セールス
●外科医
●ジャーナリスト
警官
聖職者
シェフ
公務員

(『サイコパス』より引用)

 

実は、これらは「サイコパスの多い職業トップ10」だ。なるほど、多くの人の支持を得て、ある意味信者が多いような人たちの中には、サイコパスの特徴を持つタイプも少なくないようだ。

 

また、中野氏をはじめとする心理学者たちの見解によると、織田信長や毛沢東、アメリカの歴代大統領、マザー・テレサら歴史上に名を残した偉人たちもサイコパスの特性を持っていたというから面白い。

 

 

サイコパスか否かは、脳のつくりに秘密があった

では、どのような人がサイコパスになりうるのか。中野氏によると、生まれつき脳のつくりに秘密があるのだそう。

 

たとえば、快感や喜び、不安、恐怖など情緒を司る大脳辺縁系と呼ばれる領域の一部である「偏桃体」の活動が、一般の人に比べてサイコパスは低いということがわかっている。故に、他者に対して強く共感する感情が乏しく、同時に恐怖なども感じにくいというわけだ。

 

ほかにも、脳のさまざまな部分がサイコパスと一般人では異なっていることが解明されている。脳科学って、本当に興味深いなと改めて思った。

 

ただし、生まれながらの遺伝的要素だけでなく、育った環境でもサイコパスになるか否かは変わってくるという主張があることもまた、お伝えしておく。

 

サイコパスとうまく共存しよう 

『サイコパス』を読み終えてみて、かつて秘書をしていたころの社長が、まさにサイコパスの一人だったのでは…と感じている次第だ。おそらく、誰しもこれまでの人生で出会った一人や二人は「あの人ってもしかして…」と思い当たる友人知人がいるのではないだろうか。

 

場合によっては、至極厄介であり恐怖を抱く存在であるサイコパス。けれど、一定の割合で存在するということは、人類にとって不可欠な存在であったとも言えるのではと中野氏は述べる。

 

あなたも隣にいるかもしれない、いやもしかしたらあなた自身がそうかもしれない。『サイコパス』を読んで、謎多きサイコパスの謎に迫ってみてはいかがだろうか。

 

【書籍紹介】

サイコパス

著者:中野信子
発行:文藝春秋

とんでもない犯罪を平然と遂行する。ウソがバレても、むしろ自分の方が被害者であるかのようにふるまう…。脳科学の急速な進歩により、そんなサイコパスの脳の謎が徐々に明らかになってきた。私たちの脳と人類の進化に隠されたミステリーに最新科学の目で迫る!

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