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2020/7/8 21:45

「老後資金2000万円問題」って本当になんとかなるの? 気になるお金のことをズバっと知りたい!

定年後100歳まで生きるとして、約35年間の老後生活をおくるためには、年金だけでは足りず「2000万円の老後資金が必要」なんて情報が昨年出てきて、何もしないまま1年を過ぎようとしているのですが、あなたは何か対策を始めましたか?

 

始めている方は偉い! でもぶっちゃけ、未来のことなんてわからないし、35歳の私は老後をまだまだ実感できない状態。親を見ていても60歳を過ぎても働いているし、祖母たちを見ていても元気に暮らしているし、「本当に2000万円も必要なの? 年金だけでなんとかなるんじゃない?」という気持ちもなくはありません。

 

そこで今回は『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(井戸美枝・著/日経BP・刊)から、モヤッとしているお金の悩みをズバっと解決していこうと思います。

 

 

どうして「2000万円」も必要なの?

数値で2000万円が必要です! と言われると途端に焦ってしまうのですが、この2000万円というのはどこから出てきたものなのでしょうか?

 

金融庁が公表した「公的年金だけでは老後2000万円不足する」という報告書は平均的な高齢夫婦(無職)世帯の家計赤字額30年分がベースになっています。高齢夫婦世帯の場合、公的年金は月約20万4000円。その他の収入約1万9000円との合計額を総務省の最新の「家計調査報告」の支出額と比較すると、月に約4万1000円の赤字に。100歳までの35年だと夫婦二人分で約1700万円が必要になります。

 (『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』より引用)

 

つまり2000万円は全員に必要なものではなく、あくまで「平均」の話。例えば、65歳を過ぎてもお店や農家など安定的に収入があるという方は、公的年金の他に収入があるので、もしかしたら「足りない」ということはないかもしれないし、夫婦で自営業だからと将来のために国民年金基金やiDeCoで貯めていたなんて方は、公的年金が平均以上もらえる! なんてことも。また賃貸ではなく、持ち家の場合は家賃が低く支出が抑えられる……なんてこともありますよね。

 

2000万円に囚われて、貯めなきゃ! という気持ちが出てしまうかもしれませんが、その内訳にも注目したいところ。実際に100歳まで生きる場合、年金+α必要なのか、年金だけでなんとかなるのかは、働き方やお金の使い方によって大きく変わってきます。全国民が同じ家計状況ではないので、この2000万円はあくまで平均値だ、ということを理解しておくことが大切ですね。

 

 

とはいえ、貯蓄は必要な気がする……と思ったら?

数年前まで「貯金なんかしないわー!」というスタンスで楽しく過ごしていたのですが、「いや、待って。そろそろ遊んでもいられなくない?」と思い始めた今日このごろ(笑)。例えば、65歳までに1000万円の貯蓄があれば安心! と思ったのなら、月にどれくらいの金額を貯蓄に回せば良いのでしょうか?

 

25歳〜なら、2万833円を積立 × 40年

30歳〜なら、2万3810円を積立 × 35年

40歳〜なら、3万3333円を積立 × 25年

50歳〜なら、5万5556円を積立 × 15年

 (『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』より引用)

 

当たり前ですが、若いうちから始めた方が少ない額を貯蓄できるというのは分かりますよね。逆に、毎月1万円は貯蓄する! と思っている30歳の方なら、「1万円 × 12ヶ月 × 35年 = 420万円」貯金できるということ。これを少ない! と考えるか、ちょうど良い! と考えるかは、先ほどもお伝えしたようにあなたの家計次第。

 

『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』では、60歳以降の収入を見える化できる「年金カレンダー」の作り方や、ライフスタイル別の年金額を予想してくれているので、これを機に自分の家計、そして将来と向き合いたいという方にはぴったりの1冊になっています。

 

 

育児休暇で年金が減るって聞いたんだけど、本当?

正社員の方の場合、年金は毎月給料から天引きされて、支払っている方がほとんどだと思います。給料から年金支払額が決まるため、育休など一時的に減収される場合、年金額も変わってしまうのでは? と思う人もいると思います。

 

昨今、働く女性を推進する一方で、会社から「育休」がもらえず離職してしまったり、条件が厳しくなり出産前と同等では働けなくなり収入減……なんて状況も聞こえてきます。さらには、育休している間の期間が理由で「年金」が減る! なんて噂まであるんだから困ったもんです。実はこれ、「厚生年金の保険料免除制度」を使えば年金額は減りません! もし何も対応していないのなら、会社から「産前産後休業取得者申出書」と「育児休業等取得申出書」を申請してもらうようにしましょう。また復帰後、時短勤務になってしまった場合でもこちらの申請をすれば問題なしなのです。

 

復帰後に時短勤務などで収入が減った場合も、「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書」を提出すれば、子どもが3歳未満なら年金額の計算に出産直前の標準報酬月額(従前標準報酬月額)が用いられ、年金額は減りません。

 (『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』より引用)

 

なかなか会社に言いにくくて……という人もいるかもしれませんが、これは国が認めている正当な権利。一度、会社そして旦那さんとも相談してみることで、「働きたい」というご自身の気持ちを優先することもできると思います。もちろん子どもとの限られた時間としっかり向き合いたいから離職するという方もいると思うし、産後すぐに今の会社で働きたいから制度を使う! という方もいるでしょう。

 

様々なライフスタイルが増えてきた昨今、自分にあった制度を選択できるようにするためにも、「知らない」で終わらせず『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』を読んで勉強しておきましょう。お金のことは後回しにしがちな方も、正しい最新知識を身に付けておくことで、あなたの武器になるかもしれませんよ♪

 

 

【書籍紹介】

一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!

著者:井戸美枝
発行:日経BP

人生100年と呼ばれる時代が到来。長生きするほど必要な「老後のお金」をどうつくっていくかを今から考えましょう。お金のつくり方は自分の生き方そのものです。答えが図解でよくわかる!老後のお金の不安にずばり答えます!

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