「三国志」は、お恥ずかしながらゲームで知っていたレベル。自宅にいることが増えて115時間以上もNintendo Switchで『無双OROCHI3 Ultimate』をプレイしてきたのですが(笑)、このゲームでは、神々や妖怪、戦国武将と三国志で活躍した武将たちが総勢170名出てきます。115時間でやっと戦国武将たちのレベル上げの目処が立ち、これから三国志に取り掛かろうとしているのですが、ふと「そういえば三国志って映画『レッドクリフ』くらいの知識しかないなー」と思い、『三国志に学ぶ人間関係の法則120』(文・ペズル/絵・田中チズコ/プレジデント社・刊)を読み始めました。
ざっくり言うと三国志は、劉備、曹操、孫権の3人が国取り合戦する話なのですが、どの登場人物もキャラが濃い! 今回はそんな三国志を知らないという人でも楽しめる、キャラが濃い中国のおじさんたちの苦悩と、現代にも通じる人間関係の法則をご紹介していきたいと思います。
偶然が歴史を動かした? 桃園の誓い
「三国志」には大きく分けると、実際の歴史にそった様子が記された歴史書の『三国志』と、『三国志演義』という中国の明の時代に書かれた歴史小説の2つが存在しています。
この『三国志に学ぶ人間関係の法則120』は、歴史小説『三国志演義』の時系列に沿って、その時にどんな人間関係があったのかに注目し、解説されている一冊なのですが、大ヒットした映画『レッドクリフ』もこの『三国志演義』をもとにしているので、馴染みがある人も多いでしょう。
また『三国志に学ぶ人間関係の法則120』は、三国志の知識がほとんどなくてもイラストで登場人物が描かれながら紹介されていくので、初心者にもおすすめ! 物語を読みながら、人間関係の極意を学べます。
まず最初に紹介されているのが、「桃園の誓い」。184年に民衆の反乱が起こり、草鞋を売っていた劉備(りゅうび)に張飛(ちょうひ)が声をかけ、2人で居酒屋に行った際、今度は劉備が関羽(かんう)に声をかけ、3人が義兄弟の契りを結ぶという話なのですが、ここでの学びはこんな感じ。
《劉備》
「なんかこの人、気になるな」と感じたら、
直感を信じ、思い切って声をかけてみたらいいと思うよ。
一声かける勇気が、一生の出会いにつながるかも。
(『三国志に学ぶ人間関係の法則120』より引用)
そんな偶然の出会いから契るなんてことある!? と思っちゃう始まりなのですが、劉備さんが言うように友達になるのってこんなことなのかなーと思ったりもしました。その後、この3人は本当に死ぬまでお互いを信じ、戦い続けます。また、軍師である諸葛孔明も、劉備らしい方法で味方につけます。詳しくは『三国志に学ぶ人間関係の法則120』でチェックしてみてくださいね。
劉備について知れば知るほど、「劉備さんはちょっとあざといけど、いいやつだよなぁ。友達になりたいわ〜!」と人間らしさを感じてしまうのですが、色々と劉備について調べていたら2020年12月に『新解釈 三國志』という映画が公開されるのを発見。監督はコメディ撮らせたら日本一の福田雄一さんで、なんと主演の劉備を演じるのは大泉洋さんではありませんかっ! 面白くないわけない……! ぜひファンの方は予め三国志で劉備について知っておくとより楽しめること間違いなし。公開が楽しみです。
「赤壁の戦い」は曹操の油断で大敗した?
有名な208年の「赤壁の戦い」は、火攻めにより軍船を燃やされた曹操(そうそう)が大敗してしまった出来事。曹操は配下である程昱(ていいく)から度々、「ちゃんと防備を考えた方がいい」と説得されていたそうです。しかし、軍師として有名だった龐統(ほうとう)から「舟を繋いでおけば大丈夫」と言われ、曹操は「あの龐統さんが言うなら!」と、程昱の助言を無視。
じつは、この龐統、曹操の敵側の人間で、舟を繋ぐのは曹操を倒すための策だったのです! そんなことも知らない曹操は、敵陣から火を放たれ、あっという間に大敗。「大丈夫、大丈夫」と油断していた曹操はこんな反省をしたのではないでしょうか?
《曹操》
程昱は何度もオレに忠告してくれていたんだよな……。
何度も指摘するってことは、すごく不安だってことだから、聞く耳を持って再考すべきだった……反省。
(『三国志に学ぶ人間関係の法則120』より引用)
また当時の曹操は、ちょうどグイグイと勢力を伸ばしていたころでした。勢いがあるから大丈夫、あの人が言うから大丈夫と、ちょっとの油断で大ごとになるのは現代でもよくあることですよね。
勢いがある会社の経営陣やトップに立つ人には、是非この曹操の反省を生かして、現場の声をしっかりと聞けるような人であって欲しいと願います(笑)。同じような境遇にいる人は、そっとこのページを開いて上司の見えるところに置いておくのがおすすめです!
リーダーのミスを指摘できるチーム?
「赤壁の戦い」で曹操に勝利した孫権(そんけん)。その後も、曹操と戦い続けていくのですが、ある戦でちょっと調子に乗ってしまい、自ら戦場に赴いたことで、多くの配下が犠牲になり、大敗してしまいます。そんな孫権は、大泣きしながら「私が悪かった」と謝ったのだとか。
《孫権》
歳をとればとるほど、失敗を素直に認めるのって難しい。
でも、リーダーは変なプライドを持っちゃダメだ。
ちゃんと謝って、意見しやすい雰囲気作りをしないとね。
(『三国志に学ぶ人間関係の法則120』より引用)
『三国志に学ぶ人間関係の法則120』には、まだまだ数多くの人間関係が紹介されています。これを読んで、好きな人物を見つけるもよし、三国志の入門編や復習として楽しむのもよしと、幅広く活用できるでしょう。私もこの本を片手にゲームを進めながら、三国志に登場する人物たちをレベル上げして、引き続き「おうちじかん」を楽しみたいと思います。
【書籍紹介】
三国志に学ぶ人間関係の法則120
著者:ペズル(文)、田中チズコ(絵)
発行:プレジデント社
1800年前も、人の悩みは「人間関係」。『三国志演義』全120回から学ぶ昔から変わらない人づきあいの極意。