最近は、才能探しをする人が増えています。自分の才能や天職は何だろうと考えてもうまい結論が出ず、悩んで占い師の元を訪れる人も。私たちはどのようにして自分の才能を見つけ、伸ばしていくべきなのでしょうか。
恋愛相談をしない占い客が急増
おひとりさまライフの増加により、占い師への依頼内容も大きな変化を迎えているそうです。今までは、ほとんどの人が恋愛の相談を持ちかけていたのに、近ごろは「恋愛運はいいです」と言われてしまうのです。恋愛運のニーズは半減し、その代わりに仕事運を望む人が急増しているのだとか。
なかでも「自分の天職は何か教えてほしい」という人がかなり多いそうです。自分にしかできない自分ならではの仕事をしたい、そしてできれば才能を生かして起業したい、と考える人が増えているのです。けれど自分の才能を見つけることができず、困って占い師のもとを訪れているのだとか。
シグナルという存在
天職を知るには、占い師に頼るだけでなく、「シグナル」と上手に付き合うという方法もあるようです。シグナルとは、周囲の人が自分に対して発する評価や社会での一般概念を指します。
『SIGNAL 10億分の1の自分の才能を見つけ出す方法』(チョン・ジュヨン著/文響社・刊)によると、シグナルには良いシグナルと悪いシグナルがあるのだとか。悪いシグナルのことを作者は「ノイズ」と言い、ノイズに気を取られず、自分の信じる道を進むことを勧めています。
シグナルが才能の開花を助ける
本書にはノイズに惑わされずに成功した事例がたくさん出てきます。その中には、先生に褒められるという良いシグナルを得て頑張るようになった人の話もあります。天職について占い師に相談する人も、かつて誰かに褒められたことがある自分の良いところを思い出すと、大きなヒントになるのではないでしょうか。
ノイズに気を取られる人は、自分の短所にばかりに目が行ってしまい、長所を見失ってしまいがちになるのかもしれません。自己啓発系の本では「自分の長所を書き出してみる」という行為を勧めるものが少なくありません。自分の良さを再確認することで精神的に安定し、メンタルも強くなり、ちょっとやそっとのノイズを浴びても動じなくなるからなのでしょう。
批判に打ち勝つコツとは
近ごろオンライン上での誹謗中傷行為が問題になっていますが、それは明らかに「ノイズ(悪いシグナル)」です。本の中にも批判に心が折れ、萎縮し、夢に向かってうまく歩めなくなった人の事例が出てきます。
批判の中には建設的なものもあるので、それには耳を傾けたとしても、頭ごなしに否定したり、人を傷つけるような言葉を投げつけているものについては、気にしてはいけないそうです。新しいものに挑むときには反対意見はつきものですが、本気で夢に挑むためには余計なことを気にするヒマすらないだろうし、いちいち思考停止していたら、完成も遅れてしまいます。
マドンナもシグナルに従った
本書には歌手のマドンナの事例も載っています。彼女は「ライク・ア・ヴァージン」という曲に心底惚れ込み、周囲がいい反応を見せなくても、どうしてもこの曲を出したい、この曲は価値がある、と主張し続けました。彼女が周囲の負のシグナルにも負けず、自分がやりたいことを、彼女なりに工夫しながら貫き通したからこそあの大ヒットが生まれたのです。
世の中にある大傑作や大発見と言われる成果の中には、ノイズをシャットダウンし、一心不乱に長年集中して取り組んだからこそ得られたものもあるようです。私たちは雑音から離れ、本当にやりたいことに没頭する勇気を持つ必要があるのかもしれません。
【書籍紹介】
SIGNAL 10億分の1の自分の才能を見つけ出す方法
著者:チョン・ジュヨン
刊行:文響社
世界トップ1%に共通する資質の正体とは? 古今東西のあらゆる事例から、私たちが本当に集中すべき「シグナル」が見えてくる! 約10年間の難読症を克服したベストセラー作家が贈る 「周りのノイズに惑わされず、自分の才能を開花させる」ための必読書!