本・書籍
2022/7/11 21:30

たかが1000円されど1000円『わたしの1ヶ月1000円ごほうび』を読んで自分へのプレゼントの効能を知った!

自分にプレゼントをあげる人は、少なくありません。けれど、大抵は「何かを頑張ったから」というような、不定期のご褒美で、額も毎回同じわけではありません。けれどこの金額を毎回統一したらどんな効果があるでしょうか。

 

毎月3000円の本

筆者は、自分自身に毎月3000円程度の本をプレゼントしています。これは、仕事の資料とは関係のない、純粋に自分が読みたいと思った本にしています。なぜ3000円かというと、CD1枚くらいの感覚なので、気軽に楽しめるのではないかと思ったからです。

 

いざ始めてみると、とても贅沢な気持ちになりました。どんなジャンルでもいいので好きな本を選んでいいことにしているから自由度が高くドキドキします。今月は絵本、先月は写真集などと、その時の自分の気分で自由にセレクトしています。これを始めてから、来月はどんな本にしようかなと考える楽しみが増えました。

 

毎月1000円のごほうび

おづまりこさんのコミックエッセイ『わたしの1ヶ月1000円ごほうび』(KADOKAWA・刊)は、毎月1000円のごほうびを自分にあげ、どのようなことに使ったかを綴ったものです。そこには43種類もの1000円で楽しめることが集まっていて、読んでいるだけで夢が膨らみます。

 

そこにも1000円で好きな本を選ぶという項目がありました。日比谷にある女性のための書店に向かい、1時間かけて、予算内の本(食事についてのエッセイ本)を選び、自宅に帰って楽しく読むというものでした。

 

迷いながら選ぶ作業が楽しい

おづさんが1000円の本を選ぶのも、筆者が3000円の本を選ぶのも、楽しいポイントはほぼ同じだと思われます。書店内を(時にはオンライン書店内を)散策し、その時の自分に合う本を選ぶのですが、実はこの選び出す作業がとても楽しいのです。

 

あえて価格の縛りを設けているのも、新鮮なものです。たとえば人に何かお菓子を選ぶときにも予算があるように、自分で自分にごほうびを与える時にも予算があるわけです。そして予算があるからこそ、プレゼントを選ぶ感覚になれるのです。

 

1時間も本の中でさまよっていると、今の自分の状態もよく見えてきます。「今日は米粉料理に反応するな」とか、「戦争を描いている絵本が気になるな」などと、どんなことに興味を持っているのかがわかるのです。そしてその興味を今後どのように伸ばしていくかを考えつつ合う本を購入することは、自己投資をしているかのようでワクワクします。

 

なぜ自分にプレゼント?

なぜ自分で自分にプレゼントをするのでしょう。筆者の場合、誰もプレゼントをくれる人がいないから、というのが答えです。実際、毎月律儀に贈り物をくれる人はいません。なので自分で自分にプレゼントして、楽しいイベントのように心待ちにしているのです。

 

おづさんの場合は、月の終わりに予算から余ったお金をごほうびとして使うようになったのがきっかけだとか。工夫してやりくりして浮いたお金で、前から気になっていたガチャガチャを回してみたり、ひとりカラオケをしたりとプチ贅沢を楽しめるようになったのだから、素晴らしいです。

 

日常に彩りを

大きな変化がないまま日常生活を続けていると、1年経って振り返った時にあまりに思い出がなくてさみしい気持ちになってしまうかもしれません。けれど、月に1度自分に贈り物をすると、その行為自体が一種の思い出になります。そして部屋に新しく増えたモノを眺める悦びが、生活のアクセントとなるのです。

 

おづさんは、毎月の1000円ごほうびを数年間続けたおかげで「今どんなものが好きか改めて見つめ直せた」と記しています。自分でも気づけていなかった関心に気づくことができるのです。自分の新たな一面を知ることで、日常の楽しさもより広がるのです。

 

【書籍紹介】

わたしの1ヶ月1000円ごほうび

著者:おづまりこ
発行:KADOKAWA

10年間派遣社員として年収200万生活を送ってきたおづまりこさん。食費は1ヶ月2万円で過ごし、1000円の「ごほうび予算」で、なんでも好きなものを買っていいルールをもうけています。1000円とじっくり向き合うと、自分が一番好きなことややりたいことが見えてくる。生活がワクワクして、気持ちが満たされていくコミックエッセイです。

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