本・書籍
自己啓発
2023/2/1 21:30

白か黒かハッキリ答えを求められる時代に苦しむ人必読! 人間の心は“あいまい”でいい『「知らんがな」の心のつくり方』

「〜〜すべき!」や「絶対〇〇が正しい!」など、最近の世の中では白か黒かハッキリとした正解が求められている気がして、なんだか息苦しいと思っている人はいませんか? いろんなテンプレがありすぎて、ちょっとでもはみ出そうものなら炎上……。私自身「楽しい冗談が通じないなー」と思うことも増えてきたと感じる今日このごろです。

 

そんなちょっぴり息苦しい現代に効く魔法の言葉があるのだとか。それが関西ではよく聞く「知らんがな」。今回は心をラク〜にしてくれる一冊『「知らんがな」の心のつくり方』(中島輝・著/KADOKAWA・刊)をご紹介します。

 

時代とともに変化してきた「自己肯定感」

そもそもどうしてこんなに窮屈な世の中になってしまったのでしょうか? 「いやいや現代はのびのびしているよ!」という方は本のタイトルのとおり「知らんがな」ってことで(笑)、引き続き楽しく生きていただければと思います。

 

窮屈にしている原因のひとつに、世代ごとによる価値観のギャップ、自己肯定感の感じ方に違いが生じていることがあるそうです。自己肯定感とは、他人と比較したりせず「私はわたし」と自分を認めて存在意義を肯定できる人のこと。世代ごとにどのようなギャップがあるのでしょうか?

 

昭和 承認欲求満足時代(自己肯定感の忘却)

平成 自己実現時代(自己肯定感の喪失)

令和 利他的な共存共栄時代(自己肯定感の復活)

(『「知らんがな」の心のつくり方』より引用)

 

少し補足すると、昭和は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と呼ばれ、自己肯定感なんかなくても全ての日本人が認められていた時代でした。そこからバブルが崩壊した平成は自分らしさが重視され「何者かになりたい人」が増え、自己実現することで心を満たした時代に。誰もがなりたいものになれる世の中になりましたが、自分の好きなことだけをしていていいのだろうか? 自分は人の役に立てているのだろうか? と考えるようになり、自分のため&誰かのためにも貢献しようとなったのが令和です。

 

この時代の移り変わりを知らずに、これまでの世代ごとの固定概念で話をすると気持ちはすれ違ってしまいます。なんだか息苦しいなぁ〜と思っている人は「そうか時代がもう変わっているのか」と考えることが第一歩になるかもしれません。

「わからない」でもいい

このように世代ごと違いを書くと、「じゃあどうしたらいいの?」と正解を聞きたくなるかもしれませんが、正解はありません。常に正解を求めていることが、自分を窮屈にしているかもしれませんよ。

 

一つの面は数字、その逆の面は無地のコインがあったとして、どちらが表でどちらが裏なのかは、人それぞれの判断によって変わります。自分が表だと思っていても、それを裏だと思う人が世の中にはたくさんいる。このあたりまえの事実を自然に受け入れられるのが、「あいまい」な心の力です。

自分にはわからないことが起きてもそれは当然であり、そのとき「ゼロかイチか」で答えを求めるのではなく、「わからない」が答えでいいということです。

(『「知らんがな」の心のつくり方』より引用)

 

もちろんひとつの答えを出さないといけない時もありますよ! でも、全ての行為に答えは必要ないということです。こういった“あいまいさ”があることで、多様性を認められる心の広い社会にも自然となっていくだろうと感じました。

 

そもそも人間はあいまいな生き物

頭ではわかっていても、答えを出したくなってしまう、決めつけたくなってしまうこともありますよね。著者の中島さん曰く、人間は「あいまいな生き物」であり、その「あいまいさ」を身につけられるようになるのが「知らんがな」という言葉なのだとか。

 

「知らんがな、わたしはわたし」
「あの人は〇〇といっていたよ。でも私は知らんけどな」

このように、ものごとに「ゼロかイチか」「正しいか、正しくないか」などの結果を無理に出さずに、「あいまいさ」を身につけられるようになると、とらわれもこだわりもなくなり、心を楽にして生きていくことができます。自由自在に考えて行動もしやすくなるので、人生がどんどん面白くなっていきます。

(『「知らんがな」の心のつくり方』より引用)

 

「知らんがな」とか「わからない」と言われると、突き放されたように感じるかもしれません。けれど、受け取る側も説得して答えを導こうとせず、まずは受け入れてあげることが大切なのかもしれないな〜と感じました。

 

全員が「右にならえ!」 でもなく、「自分らしさがないとダメ!」でもなく、ちょっと力を緩めて「そんな考えもあるよね〜」くらいの気持ちで過ごせるようになれば、誰もがのびのびできるのかもしれません。毎日をドキドキワクワクな冒険の旅をするのもいいですが、移り行く毎日を眺めてぼ〜っとしているのも最高。人生に正解がないからこそ、あいまいな部分も楽しめるようになりたいな〜と感じました。

 

少し窮屈だな、息苦しい社会だなと思ったらぜひ「知らんがな」とか「知らんけど」とか「わからないな〜」とあいまいにする言葉を使ってみてください。ちょっぴり心が軽くなりますよ!

 

【書籍紹介】

「知らんがな」の心のつくり方 あいまいさを身に付けるレッスン

著者:中島輝
発行:KADOKAWA

「白か黒か」でなく「あいまい」こそが人間らしい!この言葉を口癖にするだけで人生はラクになる!「あいまいさ」を認めて、もっと自分らしく生きる。
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