頼んでもいないのに、無理矢理、占いするように強要されたことがあります。とあるパーティのアトラクションに、有名占星術師が招かれていて、彼に「そこのあなた占ってあげましょう」と、お名指しを受けたのです。
恥ずかしいし、気が進まなかったものの、断るのも失礼かと思い、生年月日を告げたのですが、結果は惨憺たるものでした。
夫との相性が最悪だから、一刻も早く別れなさいというのです。
今さらそんなことを言われても・・・
「そんなことを言われても、無理です。息子もいるのですから」と、ついマジになって答えたのですが、占星術師は譲りませんでした。
「息子さんのためにも別れなさい。再婚で幸福になれます」
と、断言します。
彼は多くの芸能人の結婚や離婚をぴたりとあててきた人だそうで、自信たっぷりなのです。
そ、そんな・・・。もう遅いってば・・・。
ブツブツ言いながら、私は彼の前から身をひきました。
星にはあらがえない?
いくら「そういう星の元に生まれた」と、言われても、どうすることもできません。
以来、30年あまり。私は夫とまだ一緒にいます。
星占いが当たったのか、はずれたのか、証明することもできません。
そんなこと誰にもわからないでしょう。わかっているのは、以来、私は占いというものがこわくなってしまったということです。
泣き寝入りしないぞ
そんな私が『運がいいのはどっち!? 手相術』(西谷泰人・著/学研プラス・刊)を手に取ったのは、いつまでも手相や占いをこわがっている自分が情けなくなったからです。
たとえ手相に惨憺たる未来が刻まれていようとも、私はその未来を受け入れて生きていくしかありません。
手のひらには、その人の性格や才能、健康状態や運勢の善し悪しが、すべてあらわれています
( 『運がいいのは、どっち!?手相術』より抜粋)
というのですから、これはもう、私は手のひらに現れた線にあらがったところで、意味があるとは思えません。
おまけに
手相で未来を知れば、「いい運命」に変えることができる
( 『運がいいのは、どっち!?手相術』より抜粋)
というのです。つまり、結果がどんなに悪くても、泣き寝入りしなくていいのです。
やっぱりあった「再婚の相」
早速、自分で自分の手のひらを見たところ、私は大ざっぱな性格で、自分の心をあけすけにするところがあるといいます。
けれども、大胆な性格ではなく、ひらめき型で、スピリチュアルなことへの関心は薄く、どちらかといえば、現実的。
さらに、生まれ故郷を離れて移動して幸運をつかみ、恋愛には情熱を燃やし、仕事よりも恋愛を選ぶ人生を送るとか・・・。
そして、笑ってしまったのは、結婚線が2本あり、再婚の相があるようです。
うーむ。またしても・・・。けっこう当たっているのかもしれません。
吉相がないなら自分で描けですって?
『運がいいのはどっち!?手相術』がすごいのは、手のひらに吉線が出ていないなら、描いてしまえばいい!と、アドバイスすることです。これって、ずいぶん、力業です。
けれども、叶えたい願いごとがあるなら、金色か銀色の水性ボールペンで、願い事を口にしながら、思いをこめて、吉線を描くと、脳に指令が行き、運が向いてくるといいます。
さらに、爪の白点は幸運のサインですが、出るのを待っていないで人工的に白のマニュキュアで描いてしまえばいいというのです。愛する人に出現して欲しいなら親指と薬指に、金運を上げたいなら小指にというように・・・。
運命は自分の手のひらの上にある
そんなわけで、(どんなわけか自分でもよくわかりませんが)、早速、白いマニュキュアを買ってきて、爪にちょんちょんと白い点を描いてみようと思います。
素晴らしい運命がころがりこむのを待っていないで、自分で呼び込むよう努力すればいいのです。自分の運命は手のひらの上に示されているけれど、その運命を自分で変えてしまうこともできる、そう思うと、なんだか明るい未来が開けてくるようで、ウキウキしてきませんか?
最近、なんだかついていないなと、思うあなた。大好きな人と別れて、しょげているあなた。
メソメソしていないで、手相は自分の思いのままになるのだと信じ、強運を呼び込もうではありませんか。
(文・三浦暁子)
【参考文献】
運がいいのは、どっち!?手相術
著者:西谷泰人
出版社:学研プラス
4000人のプロ手相家を育てた、世界的手相家が考案した、日本一わかりやすい手相の本。性格、恋愛、結婚、金運、仕事、健康……、本当の自分と気になる未来が、ズバリわかる! 楽しみながら、手相の知識ががどんどん身につく。