五反田スタートアップ第17回「Crunch Style」
女性にとって花を贈られるのはうれしいもの。部屋に飾り、しばらくの間は贈ってくれた人のことを思い出せる。ありふれた日常生活も華やかになる。そんな感動体験を日常生活に取り入れるサービスを提供しているスタートアップが五反田に存在する。
五反田スタートアップ第17回は、花の定期便サービス「Bloomee Life」を展開するCrunch Style(クランチスタイル)代表取締役CEO、武井亮太氏に話をうかがった。
花があれば心が上向く――日常的に感動できる機会を“花の定期便”で提供
――:まず、御社のサービスについて教えていただけますか?
Crunch Style代表取締役CEO 武井亮太氏(以下、武井):ワンコインからお花がポストに毎週届くお花の定期便「Bloomee LIFE」を提供しています。コンセプトは「お花のある生活を手軽に」というもの。ポストに届くので、ご不在がちなお客さまでも、お花を買いに行く時間のない方でも、日常生活のなかにお花を取り入れていただけるサービスになっています。実際、ユーザーの皆さまも、キッチンやテーブル、玄関など好きなところに飾ってくださっているようです。
プランは、500円、800円、1200円と3種類 。それによってお花が3本以上、5本以上、7本以上となり、グリーンや小花などをセットにしたブーケの状態で専用パッケージに入れてお届けしています。
「ポストに届く」がこのサービスの特徴の1つではありますが、1200円プランになると、ボリュームがかなりあるため、お手渡しでのお届けになります。
――:ステキですね! これは途中でのプラン変更は可能なのでしょうか? 例えば、「今週は結婚記念日があるから、1200円プランでお願いしたい」とか。
武井:できますよ! 都度都度プラン変更が可能なだけでなく、「この週はずっと家にいないので、スキップしてください」といったご要望にも柔軟に対応させていただいています。
――:「お花のある生活を手軽に」とのことでしたが、この柔軟さは手軽さ・気軽さにつながりますね。ところで、どのようないきさつでお花の定期便「Bloomee LIFE」を立ち上げようと思われたのですか?
武井:お花は食べ物ではないので、見た目が重要ですが、ネットではなかなか買いにくいのが現状です。全国2万5000店舗も生花店があるのに、業界的にネットに対応していないことが多い。自分で買おうと思ったときにそう感じたのがきっかけでした。
また、「日常に感動を届けたい」という思いもありました。毎日同じような生活を送っていても、ほんの小さなことでも感動があれば生きていく糧になりますよね。そういう小さな感動を日常のなかで感じていただきたい、そのための機会を創出したい。お花なら、見るだけで気持ちが上向きになりますよね。そこにあるだけで嬉しくなりますし、季節を感じることもできます。
ただ、お花が日常的にある生活って、結構手間がかかるんです。かさばるからできるだけ家の近くで買いたい、でも仕事帰りだともうお店が閉まっている、買いに行く時間が取れない、などなど。いろんな要素が絡まって、ハードルが高いという印象があるんです。
じゃあ、日常に無理なくお花を取り入れるにはどうすればいいか。毎週、定期的にポストに届いていれば、生活に取り入れやすい、飾っていただきやすいのではないか、と思って、この事業をはじめました。
新しい花や色の組み合わせと出会える喜びも
――:お花選びはどのようにされているのですか? 毎週だと大変かと思うのですが……。
武井:お花は、契約している30店舗の生花店から直接届けてもらっているんですよ。毎週ランダムに「今週はここのお店、今週はここ」という具合ですね。そして、セレクトからブーケ作成、配送まですべて生花店におまかせしています。
――:お店ごとにカラーがありそうですね。
武井:センスもそれぞれですしね。実は、届いたパッケージを開けるまで、どんなお花がセレクトされているか、どんなカラーコーディネートになっているかお客さまにはわからないようになっているんですよ。これは、ワクワク感、新しいお花やコーディネートとの出会いを得ていただくためでもあるんです。
――:ところで、マネタイズはどのようになっているのでしょうか?
武井:販売実績に応じ、手数料を店舗からいただいています。
――:契約料とかはナシなのでしょうか?
武井:はい、契約をしていただく際はもちろん、固定の契約料などもありません。実際に届けていただいたぶんからのみいただく、という形を取っています。
――:お花はもらえるとうれしいものですし、見るだけでも幸せな気持ちになれますが、届ける側として「このサービスをはじめて良かった」と感じられた場面はありますか?
武井:ユーザーの皆さまが「#BloomeeLIFE」というハッシュタグを付けてインスタグラムに投稿してくださるのが励みになっていますね。「毎週違う花屋さんから届くので、楽しい」「これまで知らなかったお花が届くので、お花の勉強になる」「コーディネートが学べる」とか。もちろん、純粋に飾っていただいている写真も投稿されるので、それを見て「小さな感動を創り出せているのかな」という喜びを感じています。
――:サービスを提供されるうえで苦労されたことなどはありますか?
武井:苦労続きですね(笑)。お花はナマモノなので、100%、大丈夫! ということはありません。コンディションが悪くなることもありえます。お届けして開封するまで鮮度を保てるよう、保水の仕方を全店舗に共有したり、パッケージを改良したりしながら最善のコンディションで届くよう工夫しています。実は、この1年で、パッケージは6回も変わっているんですよ。