【仮想通貨の勘違い⑤】いまからでもまだ「億り人」になれる!?
それだけの所得申告をしたとしても、まだまだ「儲かる」と言った話が尽きない仮想通貨。いわゆる億以上の利益を得るという「億り人」の逸話も数多く出回っており、これから参加する人の意欲を後押ししています。しかし、実際はどうなのでしょうか?
−−億以上の利益を得ている仮想通貨のトレーダーはいまもいるのでしょうか?
木下:どうなのでしょう。仮想通貨自体が始まってからまだ10年も経っていないのですが、私も知り合いに聞いた話ですが、「捨て金だ」と思って1万円を入れた人がいました。それが後に1億だか2億円だかに化けて、もう会社を辞めて悠々自適に暮らしているという億り人がいるらしいです。しかし、これは特殊なケースかもしれません。
一般的には、現在ではFXと同様、参加者が膨大に増えたことで、後から始めた人はそんなに儲かっていないようですし、損する人も増えてきているという感じがします。損をする人はやはりFXと同様で、価格が上がってしまったときに、それにつられて買ってしまい、その後急落するような方です。
ただし、では「絶対に儲からないのか」と言われればそうではなく、手数料や税金を差し引いてもうまみがないわけではありません。FXはレバレッジをかけられること、売りから入ることも買いから入ることもできるため、張り付きになっているイメージがあります。かくいう私も仕事中も気になってしまい仕事に集中できないことが多々ありました。
これに対して、仮想通貨は2018年度の年始に多くの仮想通貨が急激に跳ね、その後下がっていきました。現段階での市場はそれなりの変動はありますが、まだ落ち着いているほうだと思います。そのため、急落したときこそ買いのタイミングですし、急上昇したときこそ売りのタイミング。前述の草コインを探し出したらリスクが急激に高まりますので注意が必要ですが、草コインではなく通常の仮想通貨取引を冷静に行えばそれほど損をしないというのが、仮想通貨のイメージだと個人的には思います。
筆者個人は仮想通貨をやっておらず、正直、やや怖いイメージさえ持ってました。しかし、木下さんのお話を聞くと、冷静に付き合うことができれば、利益が得られないわけではないように思います。現状では市場の発展に法規制が追いついていない仮想通貨の世界ですが、今後の動向に注目していきたいですね。