ビジネス
2019/4/2 18:30

なぜバレない? 税理士が教える「シェアリングエコノミー」と「課税逃れ」の現状

インターネットを通して個人間でモノや場所・空間、技術などを共有して収入を得る「シェアリングエコノミー」。カーシェアやライドシェア(例えばUber)、民泊(Airbnb)など、様々なサービスが出現しています。しかし、ここで気になるのが税金の問題。企業であれば、きちんと税金を納めているはずですが、シェアリングエコノミーで収入を得る多くの個人はそうではないようです。シェアリングエコノミーと税金を巡る問題と現状について税理士の木下勇人先生にお話を伺いました。

↑税理士法人レディング 公認会計士・税理士、木下勇人さん

 

シェアリングエコノミーの重大な問題点

――最近話題のシェアリングエコノミーの特徴を教えてください。

 

木下勇人さん(以下、木下) シェアリングエコノミーには様々なパターンがありますが、典型的には個人が保有する遊休資産や技術のようなものの貸し出しを仲介するサービスで、貸主は資産の活用によって収入を得られるメリットがあります。また、借主にとっても資産を所有することなく利用できるという点もメリットと言えるでしょう。これらを成立させるためには信頼関係の担保が必要ですが、そのためにソーシャルメディアを介して行うことで近年注目を浴びているものですね。

 

しかし、シェアリングエコノミーの見逃せない特徴は「課税逃れ」です。シェアリングエコノミーは新しい働き方や副業としても注目を浴びていますが、それで得た所得に対して、税制のルールがまだ対応しきれていません。政府も野放ししているわけではなく、課税政策を検討し始めていますが、ようやく制度の検討に入ったところですので、だいぶ後手になってしまっているところは否めません。

 

――シェアリングエコノミーで得た収入で課税対象となるものは?

 

木下 例えば、家庭での不要品や手作り品を売買するメルカリなんかもシェアリングエコノミーの一つだと思いますが、こういった個人売買では、会社から給料をもらっている人の場合、利益が20万円以上あれば確定申告が必要です。会社から給料をもらってない人でも、利益が38万円以上あれば確定申告の必要があります。ただし、生活するのに必要なもの、衣類や生活で使う道具、通勤用の自転車などの生活用動産の譲渡による所得は課税対象外となります。

 

また、空き部屋を貸し出す民泊のAirbnbでは、宿泊者がホストへ宿泊代金を支払う仕組みですが、この場合、本来ならホストに不動産所得が発生すれば納税義務があります。

 

しかし、Airbnbで言うと、ホスト(宿泊提供者)が利益を獲得しますが、その獲得した利益について国税側の捕捉方法が不十分な点が指摘されています。

 

最近よく話題に上がるGAFAの話があります。つまり、Google、Apple、Facebook、Amazon(まとめてGAFA)の話ですが、あれだけ大きな企業でも課税ができない空中戦になっています。税金が安い国や地域に子会社などの関連会社をおいてブランド使用料などの名目で利益移転し節税をしているわけですが、これは当局(欧州委員会)だけでなく一般の納税者の間でも不人気です。

 

GAFAは規模が大きな話ですが、その小さい版がシェアリングエコノミーと思ってもらっていいと思います。

 

バレないけど、ちょっとマズくない?

――ライドシェアリングやクラウドソーシングはどうでしょうか?

 

木下 日本におけるライドシェアリングの完全解禁は見通しが立っていませんが、事業の主体がWEBサイトなどのプラットフォームにあるのか、ドライバーとして収入を得る個人側なのかが明確になっていないんです

 

ここが問題で、もしドライバーが、Uberなどを代表とする仲介業者の被雇用者として扱われた場合と、個人事業主として扱われた場合とでは、所得税や法人税の課税方法が変わってきます。完全解禁を前に、ここはおおいに議論が交わされているようです。

 

また、ランサーズなどを代表とするクラウドソーシングの技術提供者のなかには、きちんと納税をしている人もいると思いますが、そういう人は倫理的観点から申告しているわけで、現状では確定申告をすべきかどうか、確定申告をしなかったらバレるかどうか、といった話題がインターネットでも多く見られます。

 

――確定申告をしなくてもバレないんですか?

 

木下 現状ではバレません。バレる仕組みになったら、みんなちゃんとやるはずですけど、現状ではまだ課税の整備が整っていないんです。

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