なぜバレない? 税理士が教える「シェアリングエコノミー」と「課税逃れ」の現状

ink_pen 2019/4/2
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なぜバレない? 税理士が教える「シェアリングエコノミー」と「課税逃れ」の現状
松田義人
まつだよしひと
松田義人

音楽事務所、出版社勤務などを経て2001年よりフリーランス。2003年に編集プロダクション・デコ有限会社を設立。出版物(雑誌・書籍)、WEBメディアなど多くの媒体の編集・執筆にたずさわる。エンタテインメント、カルチャー、乗り物、飲食、料理、企業・商品の変遷、台湾などに詳しい。台湾に関しては、自著が複数あり。

いつまでも逃げられると思うなよ

――国の側に立ってみれば、とんでもないことですね。

 

木下 そうなんです。でも、まだ「検討」段階で、しばらくは画期的な納税対策をとるのは難しいだろうと思います。恐らくこういったシェアリングエコノミーを仲介するWEBサイトや事業者に対し、個々のお金の流れがわかる情報を開示させるようにし、そこで個々から税金を取っていくという仕組みになると思います。

 

――でも、それも途方もない作業になりそうですね。

 

木下 そうです。また、例えばメルカリのような個人売買のサイトの場合、メルカリだけでなく、ヤフーオークションもあれば、別のオークションサイトもあります。それらの情報を一つにまとめて計算し、やっと「この人はこれだけの収入があったのだから、いくらの課税が発生する」と言い切れるわけです。でも、これは本当に途方もない作業ですよ。完全に仕組化するのは難しいのではないかと思います。

 

しかし、先ほども申し上げた通り、これはモラルの問題ですね。本来は自己申告で納税することには変わりがありませんし、シェアリングエコノミーの団体では、啓蒙活動として「確定申告、ちゃんとやってくださいね」ということはずっと呼びかけています。

 

ですので、国の側に立ってみれば、現状ではなかなか課税を見込めないのがシェアリングエコノミーで、利用者の側に立ってみれば、納税を免れることもできてしまうのがシェアリングエコノミーということですね。

 

非常に問題視されているので、これから先、画期的な課税方法が出てくるかもしれませんが、私見では、変化するビジネスに対応する課税という意味で今後の重要課題になるだろうな、と思います。

木下勇人 | Hayato Kinoshita

相続・事業承継に専門特化した公認会計士・税理士。自らも不動産投資や起業をしている。税理士向け・一般向けセミナーを全国各地で年100回以上講演しており、ダントツでわかりやすいと評判。http://www.leding.or.jp

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