一眼レフなどのレンズ交換式カメラの醍醐味は、使用レンズによって写真表現が大きく変わることだ。とはいえ、どんなレンズが最適かつ高性能なのかがカメラ本体に比べてわかりにくく、レンズ選びはなかなか難しい。もちろん、使用するカメラのマウントによって使えるレンズは限られるし、どんな種類(広角、望遠、マクロ、高倍率ズームなど)のレンズが必要かも、撮影する被写体や撮りたいイメージによって大きく変わってくる。
さらに、交換レンズにはカメラメーカー純正品だけでなく、レンズメーカーの製品も数多く存在している。そこで今回は、10万円以下のレンズに絞って、筆者が“優秀だけどお買い得”と感じている10本をノミネート。特に優秀な5本については、実際に使用した感想をもとに順位付けした。今回は、ノミネートした10本と第5位のレンズを発表!
【評価ポイント】レンズの種類を重視して使用感や性能をチェック
レンズのノミネートにあたっては、まずレンズの種類を重視。これは、どんなに優秀でも「大口径望遠ズームだけになった」という結果を避け、標準、広角、望遠、マクロ、高倍率ズームなどをまんべんなく選ぶためだ。それでいて、レンズキットやダブルズームキットとは一味違う描写や表現が得られ、使用感や操作性も良好、かつ多くの人にとってお買い得感が得られる実売価格“10万円以下”の製品を選んだ(下の表参照)。ノミネートの過半数をレンズメーカー製が占めたが、仕様や性能にこだわりながら費用を抑えようとすると、やはりレンズメーカー製に分があるということだ。
【第5位】タムロン 28〜300mm F3.5-5.6 Di VC PZD
フルサイズデジタル一眼レフの普及に合わせて外観デザインを一新。LDレンズ4枚を使用するなど、描写や機能にも磨きをかけた小型軽量な高倍率ズーム。手ブレ補正も強化され、簡易防滴構造も採用した。
【機能・性能】LDレンズなどの採用で小型&高画質
本製品は、3枚のガラスモールド非球面レンズ、LDレンズやUXRレンズなどの採用により、高性能化と同時にさらなる小型化も達成。AF駆動に超音波モーター「PZD」を採用することで、AFの高速化と静音化も実現している。また、AFモードのまま切り替えナシでMFが可能なフルタイムマニュアルフォーカスにも対応した。特にこのレンズは手ブレ補正「VC」が強力で、F値は暗めながら広角から望遠まで手持ちで安心して使える。7枚羽根の「円形絞り」や、逆光でもクリアでヌケの良い描写が得られる「BBARコーディング」なども採用され、高倍率ズームとは思えない優れた描写が得られる。
【実写】望遠端の絞り開放でもシャープな写り
「28~300mm」の高倍率ズームは、利便性や速写性の高いレンズだ。だが、フルサイズ対応だと大きさや重さが心配。事実、純正を選ぶとキヤノンが1600g超、ニコンが800g超となっている。本製品は望遠端の開放をF6.3に抑えることで(前述の2本はF5.6)500g台を実現。軽快なフルサイズ対応高倍率ズームを探すと、この製品にたどり着くだろう。さらに、最新の光学技術を駆使した設計&作りで、望遠端で絞り開放というシビアな条件でも、画面周辺までクリアでシャープな描写が得られた。また、補正効果に定評のある手ブレ補正機構「VC」もファインダー上でその効きが実感できる。
(次回に続く)