グルメ
立ち食いそば
2018/1/5 11:00

【立ち食いそば】300店食べ歩いたライターが厳選! 都内で「無性に食べたくなる店」ベスト11

その4

四ツ谷「四谷 政吉」

「政吉」の伝統を受け継いだ食通注目の名店

四谷・しんみち通りの「政吉そば」は、かつて信州直送のそばを提供した立ち食いの名店だ。平成25年、オーナーの健康上の理由で閉店するも、そのオーナーと兄弟弟子の関係にある方が、26年1月に「四谷政吉」として店を再開。以前とほぼ同じ食材を使い、「政吉そば」の味を再現している。

↑鴨ブツつけそば(570円)。鴨のうまみが利いた温かいつけ汁で食べる。具材の鴨肉の弾力とうまみもすごい!
↑鴨ブツつけそば(570円)。鴨のうまみが利いた温かいつけ汁で食べる。具材の鴨肉の弾力とうまみもすごい!

 

そばは信州から毎朝届く上質なものを使用。注文後にゆで始め、冷水でしっかり締めれば、色白でツヤも見事な細麺に。かつお節を中心に丁寧に引いただしは香り豊かで、やや濃いめのかえしに負けないコクがある。そのつゆにそばを少しつけてすすると、そばの鮮烈な香りが鼻から抜け、あとからつゆの豊かな風味が追いかける。麺のコシ、のどごしも絶品だ。

 

「鴨ブツつけそば」は新規開店後に生まれた人気メニューで、鴨の野性味あるうまみがつゆに加わった、奥深い味わいだ。また、プリプリの小えびの天ぷらが付いた「小海老天つけそば」も人気の一品。かみしめると口の中に広がるえびのうまみで、さらにそばが進む。

 

現在、16時からつまみと蕎麦前(アルコール)メニューがあり、この時間帯でしか食べられない夜限定そばも提供している。四谷の食通ビジネスマンたちの支持を集めている。

↑小海老天つけそば(550円)は、「政吉そば」時代からの看板メニュー。ぜひ試したい
↑小海老天つけそば(550円)は、「政吉そば」時代からの看板メニュー。ぜひ試したい

 

ライターのレコメンド

「角がピッと立ったそばはこれまた香り豊か。本格そば店の味を立ち食い価格で食べられる都内の貴重なお店のひとつです。夜は飲みもできて、天ぷらや一品料理など、そそられるメニューがズラリ。お酒につまみをちょっとつまんで、〆にそばを食べて1000円ちょっととはうれしい限りです」(平島)

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四谷 政吉

住所:東京都新宿区四谷1- 8ヒロ四谷ビル1F

営業時間:10:45~21:00(月〜金)

定休日:土、日、祝日

 

その5

浅草橋「野むら」

ひと口飲んだらクセになる「暗黒汁」を体験すべし!

平成4年創業の「野むら」は、他に類を見ない個性的なそばを出す店として有名だ。その特徴はつゆで、都内でも屈指の黒さ。ネット上では「野むらの暗黒汁」と称されている。さらにしょうゆの香りも強烈で、関西人なら逃げ出しそうな色と香りである。

↑いか天そば(430円)。丼からはみ出す大迫力のいか天。黒いつゆがしみた羽根も文句なし!
↑いか天そば(430円)。丼からはみ出す大迫力のいか天。黒いつゆがしみた羽根も文句なし!

 

ところがこのつゆ、実においしいのだ。塩分は強いが甘みもあり、昆布やかつお節、宗田節を使っただしが、しょうゆの味に負けないうまみを主張。この味はひと口飲んだらクセになる。そばは強烈なつゆに負けないモチモチ食感の太麺で、全体のバランスもいい。

 

またこの店は、バリエーション豊かな天ぷらも魅力。特に人気なのがいか天で、大ぶりないかの横に、羽根つき餃子のように薄い衣が付いている。 この「野むら」、立ち食いそば好きの心理をくすぐる魅力満載の店だ。

↑「インゲン天そば」(400円)はいんげんをいかだ状に並べて揚げた天ぷらをトッピング。いんげんの豊かな香りが◎
↑「インゲン天そば」(400円)はいんげんをいかだ状に並べて揚げた天ぷらをトッピング。いんげんの豊かな香りが◎

 

ライターのレコメンド

「関東でも屈指の黒さとうま辛さを誇る『暗黒汁』を、身体が定期的に欲してしまう。筆者はこの店に行く前日から塩分摂取を控え、万全の体制で臨むようにしています。そこまでして食べたいと思わせる味が、このおつゆにはあります」(平島)

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野むら

住所:東京都台東区浅草橋5-20-8 CSタワー1F

営業時間:7:00~16:00(月~金)、7:00 ~14:00(土)

定休日:日、祝日

 

その6

早稲田「立食いそば 山吹 鶴巻町店」

スパイスの香りが鮮烈なカレーそばが大人気!

カレーそば(うどん)は、麺もののなかでも人気メニューのひとつ。「山吹」は立ち食いそばファンの間では、そのカレーそばが特においしい店としてよく知られている。

↑カレー南蛮そば(500円)はつゆのうまみとスパイスの辛さ、香りが見事に調和している
↑カレー南蛮そば(500円)はつゆのうまみとスパイスの辛さ、香りが見事に調和している

 

同店の「カレー南蛮そば」は作り置きのカレールーを使わず、カレー南蛮粉をつゆと一緒に小鍋で煮立てて作る。立ち食い店としてはとても手間のかかるやり方だが、そのぶんスパイスの香りが鮮烈。これをそばに絡めながらヒーヒーハーハーと食べるのが醍醐味だ。

 

そばは生そば、ゆでたての極細麺で、もりでも温そばでも絶品。もりではシャッキリした強いコシを味わえ、温そばならつるつるののどごしが楽しめる。

 

また、うどんもそばに劣らず人気だ。つゆは昆布、しいたけ、本かつお節とさば節から取っただしに、ほどよい濃さのかえしを合わせたもの。甘みがやさしく、深いコクが味わえるのが特徴だ。好みで「関西風」のつゆが選べるのもうれしい。

 

天ぷらはえび、なす、いんげんなど種類が豊富。さらに、隠し味にワインを使った豚肉生姜焼き丼のセットなど、セットメニューも充実している。

 

看板の「カレー南蛮そば」はもちろん、ご飯もののおいしさも追求する「山吹」。江戸川橋、神楽坂、早稲田近辺にきたら、ぜひ立ち寄りたい。

↑生姜焼き丼セット(660)。生姜焼き丼はワインだれに漬けた豚肉の深い味わいが魅力。かけそば付きで量も大満足だ
↑生姜焼き丼セット(660)。生姜焼き丼はワインだれに漬けた豚肉の深い味わいが魅力。かけそば付きで量も大満足だ

 

ライターのレコメンド

「メニュー豊富なお店ですが、いざ店に入ると結局いつも『カレー南蛮そば』を頼んでしまいます。それほどの魅力がある一品で、細麺にたっぷり絡んだカレーつゆのうまみが、いつでも脳裏に鮮明に蘇ります。毎日通えるならたぶん、他のメニューも頼むのですが……」(平島)

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立食いそば 山吹 鶴巻町店

住所:東京都新宿区早稲田鶴巻町5 5 6 秀幸ビル1F

営業時間:11:00 ~ 21:30(月〜金)、11:00~15:00(土)

定休日:日、祝日

 

その7

飯田橋「豊しま」

立ち食いファンが狂喜する飯田橋の超贅沢そばといえばコレ!

飯田橋交差点を首都高を横目に北50mほど歩くと、青いテント、紺色の暖簾が現れる。看板には「是れはうまい!関東風肉そば」の文字。ここが飯田橋の有名店「豊しま」だ。店の名物は当然肉そば。定番の天ぷらそばを押さえて、である。しかもこの店構え、肉そばに歴史ありと雄弁に物語っている。

 

店の大将によれば創業は53年前。元々巣鴨の青果市場近くに店を構えていたが、市場移転に伴いこの地に移ってきた(ちなみに同店は江戸川橋にも店舗がある)。肉そばは30年ほど前にできたメニュー。安さが売りの天ぷらそばに対し、かなりの贅沢メニューだったが、これがたちまち人気に。いまや客6割が注文するという。

↑元祖厚肉そば(680円)。どんぶりをほぼ覆い尽くす 豚バラは贅の極み! 良質な 国産豚肉を使っており、こ の価格でもコスパは高い。 揚げ玉がコクをプラス
↑元祖厚肉そば(680円)。どんぶりをほぼ覆い尽くす豚バラは贅の極み! 良質な国産豚肉を使っており、この価格でもコスパは高い。揚げ玉がコクをプラス

 

今回は肉そばの上級編、元祖厚肉そばを注文。厚切りにされた豚バラ肉がじっくり煮込まれ、噛めば肉が崩れるほど柔らかい。そばは王道のゆで麺。つゆはコクのある甘辛の暗黒汁。この色とコクは、かえしを半年近く寝かして初めて出るのだそうだ。もはや言葉はいらない。一刻も早く電車に乗り、飯田橋の駅を目指そうではないか!

↑天ぷらそば(350円)。かき揚げの中身は玉ねぎ、にんじ ん、春菊、干しエビ。衣が厚めだが、 この暗黒汁を吸うと、衣自体がごちそ うになる
↑天ぷらそば(350円)。かき揚げの中身は玉ねぎ、にんじん、春菊、干しエビ。衣が厚めだが、この暗黒汁を吸うと、衣自体がごちそうになる

 

ライターのレコメンド

「名物の肉そばは、甘めのつゆと豚肉のうまみ、もさっとしたゆで麺が絶妙なバランス。吹きっさらしのカウンターでこれを食べるとさらにおいしさが増します。インスタ映え抜群な『元祖厚肉そば』を食べると、達成感というか、男として格が上がった気がします」(平島)

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豊しま 飯田橋店

住所:東京都新宿区下宮比町 1-9

営業時間:6:30〜18:30(月〜金)、 6:30〜15:00(土、祝日)

定休日:日

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